“共感”を生む発信へ。フォロワーとつながるSNSの工夫 【「GARD/ëN」ディレクターMomoさん】#2
SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを確認するサロンも増え、就職活動におけるSNSの影響力は年々大きくなっています。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法を、現役美容師のリアルな経験から学びます。
前編に続き、「GARD/ëN」でディレクターを務めるMomoさんにインタビュー。後編では、時代やフォロワーの変化に合わせて発信をアップデートし続けるMomoさんが、今大切にしている共感を生む発信の考え方を伺いました。
お話を伺ったのは…
「GARD/ëN」ディレクターMomoさん
福岡美容専門学校卒業。ボブヘアや暖色系のカラーをメインで打ち出し、スタープレイヤー揃いのGARDENの中でも顧客の支持を多く集める。現在は「GARD/ëN」の店長を経てディレクターに就任。
“知ってもらう”から“つながりを深める”SNSに
――現在はどのような目的でSNSを発信されていますか?
昔は「どうやったら自分を知ってもらえるか」という気持ちで発信していましたが、今は新しいお客さまを獲得するというより、すでにフォローしてくださっている方や、通ってくださっているお客さまへの発信が中心です。
自分の年齢とともにお客さまやフォロワーの年齢層も20代後半〜30代が中心になってきたので、世代や時代に合わせた発信を大切しています。たとえば以前はよくやっていた「質問コーナー」も、今は反応が薄いことがあります。その時代やフォロワー層が求めていることを考えながら、柔軟に内容を変えていくことが大切だと感じています。
お客さまやフォロワーの“今”に響く発信スタイル
――同世代のお客さまを担当していて、ニーズの変化を感じますか?
一番感じるのは、“年齢による迷い”です。私自身は美容師なので髪を明るくしても赤髪にしても問題ありませんが、30代のお客さまの中には「赤髪を続けても大丈夫かな」「少し若すぎるかも」と迷う方も多いです。お子さんを育てている方だと「ママなのにこんな髪型していいのかな」と気にする方もいます。
そういう方たちに安心を与えたいですね。「今まで通り派手でもいいし、自分らしいおしゃれを楽しんだほうが楽しいですよ」と伝え続けたいです。自分自身も年齢を重ねる中で、“大人っぽすぎない”バランスを心がけています。
また、SNSでは、“モデルさんを使った作品撮り”よりも、リアルなお客さまのスタイルを投稿しています。そのほうがフォロワーやお客さまにとってリアルで参考になりやすいですよね。普段サロンでやっている技術やスタイルをそのまま発信するほうが、今の時代は需要があるなと感じています。

――ヘアスタイルは年齢を気にして挑戦をためらうこともありますよね。背中を押してくれる存在は心強いですね。他にSNSで工夫していることはありますか?
ヘアのアカウントと、ファッションやプライベートを発信するアカウントを使い分けています。ヘアアカウントは“ヘアカタログとして見てもらう場所”という位置づけで、スタイルを探すときにわかりやすく、参考になるようにしています。プライベートのアカウントは、DMの返信が追いつかなくなったことがきっかけで作りました。予約とヘア以外の質問が混ざると管理が難しいので、整理のために分けています。
最近は、既存のお客さま向けの発信が多いこともあり、意外とプライベートアカウントのほうが“いいね”や閲覧数が多いです。そのためヘアアカウントにも少し自分らしさを出す必要性を感じています。メイクや部屋など、ちょっとした日常も発信することでフォロワーが求めている情報に近づくのかなと。今まではそういった発信はプライベートアカウントで完結していましたが、最近はその境界を少しずつ見直しています。
「憧れ」より「共感」。リアルな発信へ
――プライベートが垣間見られると親近感が湧きますね。
SNSを始めた当初は「身近な存在」より、「憧れの美容師」のようなポジションを目指していましたが、フォロワーが増えるにつれて、少し近寄りがたい存在になった感覚もあり、そこに違和感を感じたんです。
だから今は“リアルな自分”をもっと見せていきたいと思っています。同じように悩み、日常を楽しむ一人の人間として、フォロワーやお客さまに親近感を持ってもらえる発信を意識しています。
「分析」がブランディングの軸に
――常にご自身や時代を客観的に分析することを大切にしていますね。
実は昔から分析型なんです(笑)。トレンドや時代、自分の方向性、そしてお客さまが求めていること。それを全部ひっくるめて分析していく感じです。“今の自分”を見つめ直す作業の繰り返しが、今の発信やブランディングの軸になっていると思います。
――採用目線で見たとき、魅力的に映るSNS発信とは?
SNSだけで判断することはありませんが、もしSNSで選ぶとしたら「SNSが好きな子」を選びたいです。美容師は自分をアピールしていかなければいけない職業なので、SNSが好きな子は自然に発信を楽しんでいます。SNSが苦手でも、今は避けて通れません。都会のトレンドサロンで働くなら、発信力は大きな武器になります。
学生のうちから“プライベート発信”に慣れておくと、編集アプリや加工の操作もスムーズに対応できます。まずは気軽に、自分の好きなものを発信する習慣をつけることが練習になります。
――後輩の方やアシスタントの方にはどういうアドバイスを?
一番多い悩みは「自分が何をやりたいのかわからない」もしくは「やりたいことがありすぎて絞れない」です。だからまずはそれを早く決めた方がいいですね。いつまでも「何をやったらいいかわからない」「全部好き」という状態だと、結局行動に移せないまま進んでしまいます。まずは自分で方向性を決めて行動していくことが大切だと伝えています。
共感を生むSNS発信のポイント3つ
1.お客さま層や時代の変化に合わせた柔軟な発信
2.「憧れ」より「共感」を生むリアルな投稿を意識
3.試行錯誤しながらブラッシュアップする
取材・文/Maki Nagai
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GARD/ëN(ガーデン/エン)
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