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2020年に向け国際化する日本。外国人客に向けたサービスがサロンでもスタート!

美容業界をリードする存在として、お店やサロンのスタッフたちが、日ごろから努力している“外国人の方への接客”をキャッチアップ! MINX銀座店では、増える外国人のお客さまへの対応、お店独自の取り組みを紹介します。

倍増する海外からの観光客。しっかり対応するため、英語を話せないスタイリストは、カット以外のサービスを行わない規定を設定!

日本政府観光局のデータによると、2015年に日本を訪れた海外の観光客数は1千973万7000人あまり。10年前の2005年は約672万人程度だったことを考えると、およそ3倍に増加しています。そうなるともちろんのこと、増えてくるのが外国人のお客さま。2020年の東京オリンピックに向けてますます増加の一歩をたどるであろう外国人のお客さまに対応すべく、MINX銀座店では、独自のレギュレーションを決定。サービスの向上に努めているといいます。

菅野「外国人のお客さまの数は、本当に増えています。それに合わせて、今から1年ほど前に、外国人のお客さまに対応するためのマニュアルをまとめました。

多い月で20人ほどの外国人のお客さまを迎え、プラスして、中国人スタイリストが10~30人来店することもあります。MINXが上海など中国各地でスクーリングを行っているというのも、ひとつの理由かもしれませんが、中国からの来客は本当に増えていますね。

10年前、20年前は、中国でスタイリストをしている方々はヨーロッパに行ってスクールを受けていらした方が多いんです。台湾から研修ツアーで美容室に来る場合もあり、そうしたときは各店舗に人数を振り分けられることもあります。中国や台湾の第一線で働くスタイリストとして、欧米のカット技術はすでに分かっているけれど、やはり欧米とアジアでは髪質も生活習慣もすべて違うもの。そこで、アジア人に見合う独自の技術力を身につけている日本で技術を学びたい、そう考えている方が多いようです」

菅野久幸さん
MINX銀座店・代表の菅野久幸さん

菅野「もちろん、日本に観光に訪れ、そのときに来店される外国人のお客さまも増えています。こうした観光客に対応するために、当店では中国語と英語のカウンセリングマニュアルを用意しています。ただ、中国の方はほとんどが英語を話せますし、添乗員さんや友人など、日本語を話せる方を連れて見えることが多いので、コミュニケーションを取る上でそこまで困ったことはありません。また、英語に関しては、海外留学の経験を積み、ある程度英語を話せるスタッフがいるので、そちらで対応することがほとんどです。MINXの他店舗では、スマホアプリを使ってコミュニケーションを図ることもあるようです」

ハーフの出自を生かし、英語での接客を行っているのはアシスタントを務める菊池ステファニーさん。外国人のお客さまに対し、気を遣っていることはあるのでしょうか。

菊池「実は……日本人を接客するほどには気を遣わないのが現状ですね。海外のお客さまは、日本人のように細かい部分までこだわることはなく、オーダーもおおざっぱなんです。中国人の方で多いのは『日本人っぽくなりたい、日本っぽいスタイルにしたい』というオーダーなので、長さだけ決めてあとはおまかせ、という場合がとても多いんですよ。こちらか逆に『レイヤー入れますか? 軽くしますか?』と聞いてしまうと『なんでそんなことを私に聞くの? プロなのはそっちなんだから、なんとかしてよ!』という雰囲気になります」

菊池ステファニーさん
MINX銀座店で英語接客を務める、菊池ステファニーさん

菅野「日本では、お客さまが『このスタイルにしたい、こんな感じにして欲しい』と注文をする場合が多いのですが、海外ではまったく逆で、スタイリストがお客さまの顔型やスタイルに似合うトレンドヘアを提案するのが通常なんです。ロンドンやパリ、ニューヨークのスナップなんかを見ると、前衛的だったり、個性的だったりと、おしゃれな髪型をしている人が多いのはそのため。スタイリストが自信を持って、自分の思い描くヘアを提供しているんです。海外からのお客さまはそうした意識を持っていらっしゃるので、日本と同じ接客は絶対にしません」

菊池「MINXでは英語対応ができない方は、カット以外の技術の提供は禁止されているんですよ。それでもどうしても……という場合のみ、承諾書を書いていただき、カラーなどを行うようにしています」

菅野「これも海外的な対応を行う一環なんですよ。海外……たとえばニューヨークでは、美容師さんがパーマをかけることはほぼありません。するとしてもパーマ代だけで約10万円と、施術料が非常に高価です。理由は、訴訟リスクを回避するため。パーマはとても髪が傷む施術なのですが、髪が切れた、肌がかぶれた……そうした、日本では『え? たったそれだけで?』と思うようなことでも訴訟に発展します。そのため、ニューヨークのスタイリストさんたちはみな、保険に加入しています。技術だけではまかなえない不測の事態を避けるために必要な措置はすべてとっておかなければならないんです」

菅野久幸さん、菊池ステファニーさん
笑顔の絶えないおふたり。こうしたやわらかな雰囲気づくりも、MINX銀座店の特徴

ではほかに、苦労されていることはあるのでしょうか?

菅野「これはとくにアジアから観光でいらっしゃったおさま客に言えることなのですが……集団で来店されることが多いため、待ち合いスペースを占拠してしまったり、店内をふらふらと歩きまわって写真を撮ったり、大きな声でおしゃべりしながらお弁当を食べたり……こうした、日本の美容室ではマナー違反とされることを行ってしまう場合が多いので、他のお客さまを不快にさせないために、電話での応対などを見て、お断りさせていただくことも多いんですよ。まだまだ対応の課題はありますが、銀座という場所柄、外国人のお客さまは切り離せません。これからも誠心誠意をもって対応していきたいと思っています!」

外国人のお客さまに対しては、確固たる意思と最大限のテクニック、そして揺らぎのない誠心誠意で臨む。それがMINX銀座店のアプローチ方法。国際化が進む日本では、ヘアサロンといえども過去に甘んじていてはならないことを知ることができました。

MINX銀座店の皆さま、取材ご協力、ありがとうございました!

エントランス
MINX銀座店エントランス。海外のレストランのような雰囲気を漂わせ、店に入る瞬間から特別感を感じさせてくれる。

Shop Data

MINX銀座店

住所:東京都中央区銀座2-5-4 ファサード銀座2階
平日11:00~21:00、土10:00~20:00、日10:00~19:00、火曜休(祝日の場合は営業)

http://minx-net.co.jp/shop/ginza/

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