掃除さえも楽しかった。憧れ続けた美容師の仕事に就いて【美容師 なかざわまりさん】♯1

今回取材するのは美容師歴26年目となる、なかざわまりさん。長野県で10年、結婚と出産を機に移った神奈川県川崎市で10年、現在はフリーランス美容師として5年目を迎えます。週3日ほどの勤務ながら、フルタイム勤務時と同水準の売上をキープ。技術力はもちろん、お客様の将来まで見据えた髪の提案で、確かな信頼を得ています。

前編では、なかざわさんが美容師として新人時代を過ごした長野での経験を中心に伺いました。憧れ続けた美容師の世界へ踏み出した当時、掃除さえも楽しく感じていたというなかざわさん。夢への第一歩はどのようなものだったのでしょうか。

お話を伺ったのは…

なかざわまりさん

フリーランス美容師

神奈川県横浜市出身。父親の仕事の都合で長野に移り、子ども時代を過ごす。その後、美容師を志し、長野市内の美容室で働きながら通信制の美容専門学校に通い免許を取得。結婚、出産を機に神奈川へ拠点を移し、現在はフリーランス美容師として5年目に。週3日勤務でフルタイム時と同水準の売上をキープし、心に余裕を持ちながら子育てと仕事の両立を実現している。

Nakazawa’S PROFILE

お名前

なかざわまり

出身地

神奈川県横浜市

出身校

長野理容美容専門学校

趣味や休みの日の過ごし方

家族と過ごすこと、会いたい人に会いに行くこと、ヨガ、お散歩、おいしいお酒を飲むこと、推し活。

憧れの人

川畑タケルさん、薫森正義さん、小川奈緒さん、手越祐也さん

インスタグラム

note

美容師に憧れ続けた子ども時代

これまでの美容師生活を振り返る、なかざわさん

――美容師になろうと思ったきっかけは?

ふたつのきっかけがありました。まずひとつ目は、美容室という場所への強い興味です。というのも、私は中学生まで親に髪を切られていて。周りの目や異性を意識し始める年ごろで、もっとおしゃれな髪型にしたかったのに、親にはいつも短く切られてしまい悲しい思いをしました。

「もう二度とこんな思いをしたくない」と、お金を貯めて美容室で切ってもらおうと決意。高校生になりアルバイトの給料で初めて訪れた美容室では、シャンプーがとても気持ちよく、さらにくせ毛の私の髪をカットで整えてもらったことで見違えるほどの変化を感じました。その体験が強く印象に残り、「美容師になろう」と心に決めたのです。

もうひとつのきっかけは、大ファンだったX JAPANのhideさんの存在です。hideさんが1年ほど美容師として働いたのちにデビューしたことを知り、美容師という仕事への興味はいっそう深まりました。

――その後、美容専門学校に?

はい。hideさんが通っていたハリウッド美容専門学校にどうしても行きたくて、何度か説明会にも足を運びました。理事長には熱意を認めてもらい、「君はよい美容師になるから、絶対に美容師を目指したほうがいい。うちの学校においで」と言っていただいたんです。

ただ、家庭の事情で進学は叶わず、長野の美容室で働きながら通信制の美容専門学校に通う道を選びました。残念でしたが、理事長からのその言葉は、夢を追い始めた当初、いつも私の心の支えになっていました。

踏み出した夢への一歩。美容に携われることが幸せだった新人時代

働きだした当初、すべてを楽しく感じたというなかざわさん

――最初のサロンで働き始めたとき、どんなことを感じましたか?

まるで別世界に足を踏み入れたような感覚でした。それまで美容室にほとんど通ったことがなかったうえ、当時はカリスマ美容師ブーム。華やかさに圧倒されたのを覚えています。

――華やかな世界の裏には、努力が欠かせないと聞きます。ギャップを感じたことは?

ギャップはありましたが、ネガティブに感じたことはありません。むしろ掃除や洗濯、練習など、どんな作業も楽しかったですね。美容師になりたいという思いが強かったので、美容師として働けること自体が大きな喜びでした。

――技術を習得するうえで苦労をしたことは、ありましたか。

ええ、苦労の連続でした(笑)。そのサロンは代表がカット技術の世界大会に出場するほどの実力者で、技術習得に非常に厳しいお店でした。常に高い基準を求められ、不器用な私は泣きながら練習する日も多かったんです。

しかも周囲は手先が器用な人ばかり。差をつけられる一方だったので、「数をこなして体で覚えるしかない」と決意。誰よりも早くサロンに行き、誰よりも遅く帰る日々を続けたんです。

その努力が報われたと感じたのが、マッシュルームショートの技術テストのとき。同期は全員不合格だったなか、私だけ一発で合格することができました。みんなが女性モデルを呼ぶなか、私だけ男性モデルを連れてきて少し場を驚かせましたが(笑)、練習は裏切らないと実感した瞬間でした。

一流に触れることで磨かれた感性

長野の美容室勤務時代のなかざわさん。仲間に囲まれ、充実した日々を過ごしていた

――1社目のサロンで働いていたとき、とくに印象に残っていることは?

美容師としての基礎をしっかり築かせてもらいました。とくに印象的だったのは、ヘアショーへの参加です。在籍後半には毎年リーダーとして関わるようになり、大きな経験となりました。

――ヘアショーでリーダーを務めるとなるとセンスも必要になると思いますが、磨くために心掛けていたことは?

オーナーから「どんな分野でもいいから一流のものに触れなさい」と教わり、それを意識していました。たとえば評判のよいレストランや接客が素晴らしいお店には積極的に足を運んだり、2ヶ月に1度は長野から東京へ行ってヘアショーやセミナーに参加したり。服についても「いいものを3着持てばいい」と言われ、それを着回していました。

貯金はほとんどありませんでしたが、自分のセンスや感性を磨くには必要な投資だと感じていました。入店当初の私は本当にダサくて(笑)、おしゃれな先輩に服選びを手伝ってもらったのもよい思い出です。

――神奈川に拠点を移した理由は?

長野で結婚し、子育ては当時自分の両親が暮らしていた横浜でできればと考えていたからです。その後、長男と次男を妊娠。育休をとらせてもらいながら、忙しく働く日々が続きました。


後編では、なかざわさんの転機となった出来事について伺います。ふたりのお子さんを育てながら全力で働くなか、体調不良をきっかけに「この働き方に無理があるのでは」と考え始めたなかざわさん。

その後フリーランス美容師へと転身し、SNSを活用した集客と確かな技術で、週3日勤務でもフルタイム時と変わらない収入を実現するまでになったそうです。子育ても仕事も諦めず、全方位の幸せを手にするまでのストーリーは後編へ続きます。


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titi
神奈川県川崎市川崎区宮本町5-5 杉浦ビル2F
044-742-9973 

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