仕事がうまくいかない、そんな時にぴったりの石とは?【こころを高める天然石 #2 ブルー】
日常的なファッションアイテムとしてすっかり定着した感のある天然石。
もしかしたらサロンのお客さまが身につけていらっしゃるアクセサリー、ストラップやバッグチャームなどにも、天然石が使われているかもしれません。
このシリーズでは、天然石をカラートーン別に分けて、その石自体がもつ本来の意味や魅力を解説していきます。お客さまとの会話のきっかけとして生かしてくださいね。
誕生石ってどうやって決められたの?
宝石や天然石のアクセサリーを買うときに、自分の誕生石をチェックする…という方も多いのではないでしょうか。
それでは、そもそも誕生石とはいったい何でしょう。
現在、日本で一般に使われている誕生石は、今から100年ほど前にアメリカの宝石小売商組合が決めた誕生石を元にしているそうです。
それぞれの色が持つ意味や宝石が持つイメージなど、さまざまな要素を考慮して決められています。
その後、日本国内で日本人や市場に合わせて若干の訂正が加わりつつも、欧米各国の誕生石とあまり違いのない誕生石が、今でも日本で使われています。
誕生石
- 1月 ガーネット
- 2月 アメシスト
- 3月 アクアマリン
- 4月 ダイアモンド
- 5月 エメラルド ムーンストーン
- 6月 真珠
- 7月 ルビー
- 8月 ペリドット サードオニキス
- 9月 サファイア
- 10月 オパール ピンクトルマリン
- 11月 トパーズ シトリン
- 12月 ターコイズ ラピスラズリ
誕生石という習慣の由来ははっきりしていませんが、17~18世紀ごろに東ヨーロッパのポーランドへ移住したユダヤの人が始めたいわれています。
最初の頃は、毎月、その月の誕生石を身につけるような場合もあったといいます。
自分の誕生石をずっと身につけるのもいいですが、このように、毎月身につける石を変えるというのも面白いかもしれませんね。
それでは今回は、日々、なんだかうまくいかないときのお守りになるブルーの天然石をご紹介しましょう。
ブルーレースアゲート: かわいらしい涼やかなブルーのレース
レースのように見えるブルーの濃淡の柄が魅力のブルーレースは、アゲートと呼ばれる天然石の種類の一つです。
アゲートとは、日本語では「瑪瑙(めのう)」。この言葉の由来は、なんと柄が馬の脳に似ていたからだともいいます。
瑪瑙にはさまざまな色があり、それぞれ名前が付いていて、このパステルブルーの縞模様のものを、「ブルーレースアゲート」と呼びます。
独特なこの柄は、石が作られていく過程で、結晶の種類や密度によって自然と生み出されました。ですから、どんなに同じような模様に見えても、一つとして同じものはありません。細かな配色を見るだけでも、自然の力がいかに不思議なのかを気付かされます。
涼しげな青い色とレース模様のかわいらしさから、ファッションアイテムとしてとても人気が高い石ですが、同時に高ぶった気持ちをいやしてくれる存在でもあります。
例えば仕事でミスをして頭の中が混乱してしまっているとき、このやさしいレースを見ていると、ほっとひと息つくことができるでしょう。
うまくいかなかった同僚とのコミュニケーションもスムーズになるかもしれませんね。
ターコイズ:美しい空色が勇気を与える
「ターコイズ」というのは前回のガーネット同様に、さまざまな色の石のグループの名前ですが、ターコイズと聞いて皆さんが思い浮かべるのは空色の石でしょう。そこで、ここでは空色のターコイズに絞ってご紹介します。
「夏といえばターコイズブルー」と言われるほど真夏の印象が強い石ですが、実は先ほどのリストにあるように12月の誕生石でもあります。
また、和名である「土耳古(トルコ)石」という呼び方もよく使われるため、トルコ原産の石だと思っている人がいるかもしれませんが、実は違います。
もともとは古代にペルシャ(現在のトルコの隣国であるイラン周辺)で産出され、トルコを経由してヨーロッパに流通したことから、そのように呼ばれるようになりました。
何千年も前の昔から装飾やお守りとして使われてきた、人間の歴史と縁が深く、ネイティブ・アメリカンは「神々の力が宿った神聖な石」として魔よけや儀式に使うなど、大切にしていました。
今でも邪悪なものをはねのけるお守りとして、また時には勇気を与えてくれる石とされているターコイズ。仕事やプライベートで新しいチャレンジに踏み出せないようなときに、そっと背中を押してくれることでしょう。
ラピス・ラズリ:神聖な深い瑠璃色でこころに気合いを
天然石のアクセサリーの中でも、濃い青色のものは多くがラピス・ラズリです。
ラテン語の「石」を示す「ラピス」と、「青い色」を意味する「ラズリ」から付けられました。和名は見た目にそのままの瑠璃(るり)色。深く美しい群青色です。
ターコイズ同様に古代からお守りとして使われてきた石で、その貴重さから、王だけが身につけることを許されたという話もあります。
砕いて、青の絵の具として使われていた頃もありますが、非常に手に入りにくかったため、高貴な色ともされてきました。今で言う「ウルトラマリン」がその色です。
青い色の石は、全体としてお守りや新たな一歩への後押しというの意味を持つものが多い中で、ラピス・ラズリはその強さで突出しています。
無条件で守ってくれるのではなく、あなたを鍛えて守る、そんな厳しい守り方です。新たな一歩を踏み出すときも、あなたを成長をさせて前へ押し出します。
そのため、人によっては強すぎると感じる人もいるようです。常に身につけるというよりも、ここぞというときに身につけて気合いを入れて臨む方が合っているでしょう。
多くのラピス・ラズリが青一色ではなく、金色の結晶(黄鉄鉱)が点々のように含まれています。
この金色が、石自体の貴重さとも合わせって、高貴なイメージを生み出す一端となったかもしれませんね。
仕事中は、アクセサリとして天然石を身につけることはできない方も多いと思います。プライベートのときや通勤中に身につけたり、バッグに忍ばせておくというのも一つの手です。天然石の個性をよく知って、上手に利用してみてくださいね。
撮影協力/ニルヴァーナストーン
http://www.nirvanastone.jp/
撮影/AJHAJAH
文/SAKURA
参考資料
『天然石(ジェムストーン)がわかる本・上下巻』(飯田孝一著/京都マリア書房)
『プロが教える鉱物・宝石のすべてがわかる本』(下林典正・石橋隆監修/ナツメ社)
『パワーストーン百科全書』(八川シズヱ著/中央アート出版社)
『パワーストーン魔法の石カタログ』(森村あこ/実業之日本社)
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