「施術を受けて自分に自信がついた」そう言ってもらえるのがやりがいです【アートメイクアップアーティスト 小原弓佳さん】#2

看護師として数年間働いたのち、「大好きな美容の職業につきたい」とエステティシャンに転職。上海で日本人向けのエステティシャンとして働いたときに、当時流行していたアートメイクを体験し、「アートメイクは人の人生を変える」と感銘を受けます。メディアへの出演など、アートメイクアップ界の第一線で活躍する小原さんに、仕事観を伺いました。

後編では、仲間と3人で始めた「Artmake by YUEN」についてや、育児と両立させている現在の働き方について伺います。

同期だった3人で「YUEN」というブランドを作り働いています

2歳と0歳の子供を育てる小原さん。時間に追われる毎日だそう。

―― アートメイクアップアーティストの数は、昔より増えているのでしょうか?

私が始めた8年前と比べたら、すごく増えていると思います。私もそうだったのですが、当時は、もともと看護師をしていた人が「こんな職業もあるんだ」ということを知って、転職するパターンが多かったんです。

でも今は、最初からアートメイクアップアーティストになりたくて、そのために看護師の資格を取るという人もいるそうです。

―― 業界が発展するのはいいことですが、アーティストが増えると集客は大変になりそうですね。

そうですね。アーティストは個人で仕事をしている人もいれば、クリニックに所属する人もいます。個人の場合は、自由な働き方ができる反面、集客はすべて自分でしなくてはいけません。値段もピンキリですし、お客様も選ぶ基準が多様化していると思います。

――小原さんの所属する「Artmake by YUEN」は、同世代の女性3人で立ち上げたブランドだと伺いました。

はい。「Artmake by YUEN」は、渋谷にある「sleep medical clinic」内に併設されています。

もともと私は別のクリニックに所属していたのですが、そこを退社後、約3年前に、同期だった3人で「Artmake by YUEN」を始めました。名前には「ご縁を大事にする」という意味が込められています。

独立したのは、女性として自立した人間になりたい、もっとお客様と密に関わったお仕事をしたいと思ったから。クリニックを目指してくるお客様ももちろんありがたいですが、より私を必要としてくれるお客様との関わりを深めていきたいな、と思ったんです。

3人でやっていますが、基本は個人の集まりで、現在は個人のSNSを中心に集客をしています。公式LINEもあり、現在はHPも制作中です。

――小原さんのところへ来られるお客様は、紹介が多いのですか?

ダントツで紹介が多いですね。おかげさまでご家族で担当させていただいたり、お客様がご友人を紹介してくださったりして、お客様が少しずつ増えていっている状況です。

――個人の集まりというと、働き方も三者三様という感じですか?

そうですね。私は、プライベートが充実していないと仕事は充実しないし、逆もまた然りだという考えでいます。3人それぞれ働き方は違うし、自分のペースで仕事ができています。そこは独立してよかった点ですね。思ったことも言い合える関係で、本当の家族のように思っています。今の私は、YUENのメンバーがいなかったら存在しないくらい、感謝しています。

症例写真だけではなく、素の自分を載せたインスタが人気に

――小原さんのインスタには、今年生まれたお子さんのことなど、家族のこともたくさん載せられています。

独立したとき、集客のためのインスタの方向性をどうしていこうか考えました。当初は症例なども載せていたのですが、次第にそれだけではなく私自身のことを載せるようになって。それが意外と人気だったんですよね。

等身大の自分を見せることで、私のようないつも時間に追われてメイクをする暇もないというようなママさんから共感を得たり、「なんとなくセンスが一緒だな」と思って親近感を持ってもらえたのだと思います。

プライベートを載せることは施術でもいい効果があります。初めて施術に来ていただいたお客様でも、私のインスタをネタにして話をすることで、すぐに距離が縮まるんです。お客様の顔を直接触る仕事なので、距離感が近いことはすごく大切。お互いに安心した状態でカウンセリングや施術ができることは、すごくいいことですね。

――今年2人目のお子さんを出産され、より働き方のコントロールが大変だと推察されます。

先日第二子を出産しました、取材を受けている今は産後2ヶ月で、来月から仕事に本格復帰することになっています。長期で休むことは考えなかったですね。やっぱりお客様が離れいくのが怖いし、現場から離れることで浦島太郎状態になるのも避けたかったので……(笑)。何よりもアートメイクの仕事が大好きですし。

育児との両立に関しては、夫や同僚を含め、いろいろな人のサポートを得ながらやっています。ただこの仕事は、私がいないと始まらないので、それはやっぱり大変です。シッターさんも常に複数人確保していますし、自分の健康管理も大事。それでもどうにもならないときは、同僚に子供の面倒を見てもらうこともあります。

それでもこの仕事が好きなので、耐えて耐えて働いていきたいですね(笑)

病気でお悩みの方に喜んでいただけると、この仕事でよかったなと心底思う

――小原さんが多くの方から信頼されている理由はなんだと思いますか?

人との関わりが好きであることです。

その人に合った最高の施術を提供することが、一番大事だと思っています。なので私はトレンドも重視しませんし、自分の好みも押し付けたりしません。その人に合ったデザインをオーダーメイドで提供するようにしています。

ほかには、金額設定も大事だと思っています。安ければいいというものでもないし、高ければいいというものでもない。そもそもアートメイク自体が安価なものではないので、最初は金額設定もとても考えました。

でも結局は人間同士のフィーリングですよね。そのためには、接しやすい人柄だったり、コミュニケーションの取り方だったり……。私自身のバランスが取れていることが大切だと思います。

――お客様は美容目的以外に、お悩みを抱えて来られる方もいらっしゃると伺いました。

施術を受けられるお客様の目的はさまざまです。メイク時間を短縮したい人や、忙しいママさん、眉の形がコンプレックスの方など。最近は家族三世代で来てくれる人や、男性のお客様も増えています。

ほかに、心の悩みを抱えていて眉毛を抜いてしまう癖がある方や、抜毛症で眉毛が生えない方、抗がん剤の後遺症で生えなくなったという方、口唇裂に傷跡に悩んでいる方などもいらっしゃいます。眉毛がないため学校に行くことができなかったお子様が、アートメイクをきっかけに学校に行けるようになったり、コンプレックスだった傷跡が目立たなくなって日々の生活が楽しくなったり……。人のためになると感じられることが、私自身の活力にもなっています。

美容目的以外でも人の心を救うアートメイクに魅力を感じて、日々技術向上のために切磋琢磨しています。

小原さんの成功の秘訣

1.ご縁(人のご縁に)

2.感謝(感謝を忘れず)

3.恩返し(恩返ししていく)

取材・文/皆川知子(tokiwa)
撮影/ワタナベミカ


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Artmake by YUEN
住所:東京都渋谷区神南1-12-18 メゾン渋谷4F(スリープメディカルクリニック渋谷院内)

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