ママ薬剤師の復職はブランクがあっても可能?不安を減らして再スタートする方法

「もう一度、薬剤師として働きたい」という気持ちがあっても、ブランクがあるとその一歩を踏み出すのは勇気がいりますよね。

育児に専念していた期間が長いほど、現場の変化やスピード感についていけるか不安になるのは、ごく自然なことです。しかし、薬剤師は専門職であり、国家資格という強い武器があります。

しっかりとした準備と、自分に合った働き方の選び方を知ることで、ブランクを乗り越えて自信を持って復職することは十分に可能です。

復職前に多い不安とつまずきポイント

復職を検討し始めた際、まず頭をよぎるのは「今の自分に務まるだろうか」という不安ではないでしょうか。

多くのママ薬剤師が共通して抱える悩みを整理してみましょう。

新薬・制度改定・業務変化についていけるか

医療の世界は日進月歩です。

わずか数年のブランクでも、新薬の登場や診療報酬の改定、電子処方箋の導入など、仕組みが大きく変わっていることがあります。

「知らない薬ばかりだったらどうしよう」「操作方法が変わっていたら……」と、知識のアップデートに対する不安を感じる方は少なくありません。

家庭と仕事の両立が現実的にできるか

朝の送り出しから、急な発熱による呼び出し、夕飯の準備まで。育児と家事をこなしながら、責任のある薬剤師業務を両立できるかは切実な問題です。

自分の体力が持つのか、職場に迷惑をかけないかという「心理的ハードル」も再スタートを躊躇させる要因になります。

現場感覚・調剤スピードが戻るか

「ピッキングや監査、投薬のスピードが落ちていないか」「患者さんとのコミュニケーションがスムーズに取れるか」といった、実務スキルへの不安も大きいです。

かつて当たり前にできていたことが、ブランクによって「忘れてしまっている」という感覚が、自信を失わせることがあります。

ブランク明けにまず決めるべき「復職の方針」

不安を解消するためには、いきなり走り出すのではなく、まずは「自分はどう働きたいか」という軸を決めることが大切です。

いきなり正社員か、段階復帰か

まずはパートや派遣で週2〜3日から始め、現場感覚を取り戻してから正社員を目指す「段階復帰」という選択肢があります。最初からフルタイムで働く負担を減らすことで、心身ともに余裕を持って慣れていくことができます。

収入・時間・成長の優先順位を整理する

「今は子供との時間を最優先にする(時間)」「教育費のためにしっかり稼ぐ(収入)」「将来のためにスキルを落とさない(成長)」など、自分の中での優先順位を明確にしましょう。

すべてを完璧にしようとせず、今の自分にとって何が一番大切かを決めることが、後悔しない職場選びのポイントです。

条件を増やしすぎて詰むのを避ける

「高時給」「土日休み」「残業なし」「家から徒歩圏内」……と条件を増やしすぎると、当てはまる求人が見つからなくなってしまいます。

絶対に譲れない条件を2〜3個に絞り、それ以外は柔軟に考えることが、スムーズな復職への近道です。

ブランクを埋めるためのキャッチアップ戦略

現場を離れていた期間を埋めるためには、学習の「量」よりも「効率」が重要です。

効率よく学ぶための手段を選ぶ

・書籍・雑誌・eラーニング・研修会・通信講座

最近は、スマホ一つで学習できるeラーニングや、復職者向けの通信講座が充実しています。

・eラーニング

自分のペースで視聴でき、認定機関が提供するプログラムであれば認定薬剤師の単位取得も可能です。将来「かかりつけ薬剤師」や各種認定薬剤師を目指したいママ薬剤師にとっても、ブランク中から少しずつ単位を積み上げておくことで、復職後のキャリアの選択肢を広げやすくなります。

・専門書籍

治療ガイドラインの最新版や、新薬情報がまとまった雑誌(『日経ドラッグインフォメーション』など)に目を通すのが有効です。

・研修会

地域薬剤師会が開催する研修会に参加すると、最新のトピックを効率よく吸収できます。

忙しい育児中でも続く学習計画の立て方

「1日30分だけ」「子供が寝た後の22時から」など、ルーチンの中に学習を組み込みましょう。

一気に覚えようとせず、まずは直近数年で承認された主要な新薬や、よくある疾患の処方例から復習を始めるのがおすすめです。

研修がある職場・サービスを選ぶメリット

自習も大切ですが、やはり「現場で教えてもらえる環境」に勝るものはありません。

復職者向け研修で押さえるべきポイント

研修制度がある職場では、調剤機器(分包機など)の操作練習や、模擬投薬を通じたロールプレイングを行える場合があります。「ブランクあり歓迎」を掲げている職場は、教育担当者がつくなどサポート体制が整っていることが多いです。

働きながら学べる仕組みの見極め方

面接時に「ブランクがある方への教育フローはありますか?」と具体的に質問してみましょう。

マニュアルの有無や、最初の数週間はダブルチェック体制で入れるかどうかを確認しておくと安心です。

ママ薬剤師に合う働き方の選び方(雇用形態別)

ライフスタイルに合わせて、柔軟に雇用形態を選べるのが薬剤師の強みです。

パート・バイトで復帰する

・時間を優先した働き方の設計

「10時〜16時」のように、保育園のお迎えや学校の帰宅時間に合わせた勤務が可能です。残業がほとんどない職場も多く、精神的なゆとりを持ちやすいのが最大の特徴です。

・社保・昇給・長期継続の観点

勤務時間によっては社会保険への加入も可能です。同じ職場で長く続けることで、子供の成長に合わせて徐々に時間を延ばしていくなど、長期的なキャリア設計がしやすいメリットがあります。

派遣で復帰する

・高時給・柔軟性のメリット

パートよりも時給が高く設定されていることが多く、短期間で効率よく稼ぐことができます。

「3ヶ月だけ」といった期間の縛りがあるため、自分に合う職場かどうかを試しながら働くことも可能です。

・即戦力期待・3年ルールの注意点

派遣は「即戦力」を求められるケースが多いため、教育体制が不十分な場合があります。

また、同一の組織で働けるのは原則3年というルールがあるため、(※無期雇用派遣など一部の例外を除く)長期的な安定を求める場合は注意が必要です。

正社員で復帰する

・フルタイムの壁と乗り越え方

福利厚生が充実し、安定した収入が得られますが、やはり「時間の拘束」が課題です。実家のサポートや家事代行、夫との協力体制など、周囲のバックアップを整える必要があります。

・時短制度・支援制度の確認ポイント

育児短時間勤務制度が「子供が何歳になるまで利用できるか」を確認しましょう。法定では3歳までですが、企業によっては「小学校卒業まで」と手厚い場合もあります。

参照:厚生労働省 | 短時間勤務等の措置

職場タイプ別|ブランク明けにおすすめの選び方

職場の種類によって、求められるスキルや働きやすさが異なります。中でも、処方内容の「重さ」や「複雑さ」は、復職後の心理的負担に直結する重要なポイントです。

調剤薬局

最も復職先として選ばれやすいのが調剤薬局です。まずは「自分がどの程度のスピード感で知識を取り戻したいか」を基準に、処方箋の傾向を確認してみましょう。

・働きやすい薬局の特徴(配置人数・ヘルプ体制)

複数の薬剤師が配置されている店舗であれば、急な休みや、判断に迷う処方が来た際でもフォローし合える体制があります。一人薬剤師の時間帯がない職場を選ぶのが、ブランク明けの鉄則です。

・ブランク明けに向きやすい処方の傾向

「いきなり重い処方を扱うのは不安」と感じる方も多いかもしれません。その場合は、扱う診療科目に注目してみましょう。

【処方内容の選び方の例】

 ・眼科・皮膚科・整形外科 処方パターンの変化が比較的少なく、点眼薬、外用薬、鎮痛剤などがメインとなるため、ブランクが長い方でもリズムを掴みやすい傾向にあります。
 ・内科・広域(面)受付 扱う薬の種類は多いですが、一つひとつの疾患について幅広く知識を復習するのに適しています。特定の深い専門知識よりも、汎用的なスキルをゆっくり取り戻したい場合におすすめです。

特定のクリニックの門前で、かつ高度な専門性を求められる職場よりも、上記のような「パターンが掴みやすい科目」や「幅広い知識を網羅できる店舗」から始めるのが、無理のない再スタートと言えるでしょう。

忙しさの見極め(処方箋枚数・科目・内容)

1日の処方箋枚数だけでなく、薬剤師1人あたりの枚数を確認しましょう。

また、一包化や粉薬の調剤が多い店舗は、1枚あたりの作業時間が長くなるため、数字以上の忙しさを感じることがあります。

ドラッグストア

調剤併設の増加と求人の特徴

最近は調剤併設型が増えており、求人や店舗によっては調剤のみの勤務も可能です。大手チェーンが多く、マニュアルや研修制度が非常に充実しています。

土日祝・夜間勤務の現実と回避策

店舗の営業時間が長いため、シフト制になることが多いです。契約時に「平日のみ」「18時まで」といった条件をしっかりと結んでおくことが大切です。

病院

回復期・慢性期が選ばれやすい理由

急性期病院に比べると容態が安定している患者さんが多く、業務のペースも比較的穏やかです。育児中の薬剤師が在籍している割合も高い傾向にあります。

病院復帰を狙うなら押さえたい条件

「当直・日直の有無」「残業時間の実績」を必ず確認しましょう。

「子育てに理解がある職場」を見極めるチェックリスト

「子育て理解あり」という言葉だけで判断せず、具体的に以下のポイントをチェックしましょう。

・欠勤・早退が起きても回る体制があるか ヘルプ体制や、余裕を持った人員配置がされているか。

・ママ薬剤師が多いか 実際に子育て中のスタッフがいれば、お互い様の精神で助け合える文化がある可能性が高いです。

・時短勤務の実態 「制度はあるけれど誰も使っていない」という形骸化が起きていないか確認しましょう。

・求人票以外の情報 職場の雰囲気や人間関係などは、転職エージェントなどを通じて内情をヒアリングするのが確実です。

転職支援・派遣会社を使うときの賢い相談術

自分一人で探すよりも、プロの力を借りる方が効率的です。特に「ブランクありのママ薬剤師の支援実績」がどれくらいあるかは重要なポイントです。

実績が豊富な会社ほど、子育てとの両立に理解のある職場情報や、具体的な成功パターンを蓄積しています。

相談前に準備しておくこと

・希望条件の優先順位 「絶対に土日休み」など、譲れないポイントを明確にする。

・将来の働き方 「1年後は正社員になりたい」など、今後の展望を伝えておくと、それに沿った提案を受けやすくなります。

会社選びで見るべきポイント

・復職者向け研修の有無 スキルに不安がある場合、研修制度を自社で持っている会社を選びましょう。

・マッチング実績 「ブランクありのママ薬剤師」を過去にどれだけサポートしたかという実績が重要です。

正社員希望者が受けたいサポート

・書類・面接対策 ブランク期間をどう前向きに伝えるか(例:育児を通じて得た忍耐力やコミュニケーション能力など)のアドバイスをもらいましょう。

在宅ワークという別ルート|ママ薬剤師の選択肢

薬剤師が在宅でできる仕事はある?

直接的な調剤業務はできませんが、知識を活かした「デスクワーク」としての薬剤師業務は増えています。

ママ薬剤師におすすめの在宅ワーク4選

1.メディカルライター 医療系メディアの記事執筆や監修。

2.医薬関連の翻訳 海外の論文や文献の翻訳。

3.医薬品の問い合わせ対応 製薬会社のコールセンター業務(在宅可の案件)。

4.オンライン服薬指導 制度が整いつつあり、今後の拡大が見込まれる分野です。ただし、現時点では薬局に所属して行うケースが一般的で、完全在宅のみの求人はまだ限られています。

参照: 日本薬剤師会 | オンライン服薬指導について

在宅ワークのメリット・デメリット

・メリット 通勤時間がゼロ。子供の傍にいながら、スキマ時間で働けます。

・デメリット 調剤時給に比べると単価が低い傾向にあります。また、自分で仕事を受注し、スケジュールを徹底管理する自己管理能力が求められます。

復職を成功させるための最終チェック

最後に、復職を成功させるための3つのポイントをお伝えします。

1.無理のないスタート設計 最初から100%を目指さず、時間や業務量を「少し余裕がある」程度に設定しましょう。

2.サポート体制の構築 家族の協力、病児保育の登録、家事代行の検討など、困ったときの逃げ道を複数用意しておきましょう。

3.キャリアの軸を保つ 「今は育児優先だが、数年後は管理薬剤師を目指す」など、長期的な視点を持つことで、日々の業務に目的意識が生まれます。

ブランクは決してマイナスではありません。育児で培った経験や視野の広さは、患者さんへの寄り添い方に必ず活きてきます。

まずは小さな一歩から、あなたの再スタートを応援しています。

薬剤師の仕事探しなら「ファーマキャリア」

ブランクからの復職には、教育体制や勤務時間の柔軟性など、一人ひとりに合わせた細かな調整が欠かせません。

自分にぴったりの職場を効率よく見つけるためには、プロの力を借りるのが一番の近道です。

そんなファーマキャリアの一番の特徴は「オーダーメイド求人」

その主なポイントは下記の通りです。
・薬剤師専門のコンサルタントが、希望条件を丁寧にヒアリング
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・希望条件に合うよう交渉を重ねてから登録者に提案

より希望内容に近い求人を提案することで、満足のいく転職ができるようサポートします。


監修者

原瑞希
薬剤師専任キャリアアドバイザー
薬剤師免許保有

【経歴・実績】
・ドラッグストアチェーンにて薬剤師として3年間従事
・2024年度 新人賞(銀賞)受賞

【プロフィール】
元薬剤師として現場の空気感やストレスを肌感覚で理解しているため、悩みへの深い共感が可能です。
求人紹介だけでなく、入社後の教育体制まで徹底確認して提案。生活の変化を具体的にシミュレーションし、不安のない転職を支えます。

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