ズバリ聞きました。美容師の転職活動中の悩みそして壁とは?
離職率の高さが顕著になり、美容師を目指す学生たちや、アシスタントとしてがんばる若者たちから不安・不満の声が上がっている美容業界。どこが問題で、どこを改善するべきなのか、サロンで働いた経験があり、店舗移籍や独立を決めたという“転職経験者”に、「ぶっちゃけ話」をお聞きしました。今、まさにお店を移ろうかと悩んでいるみなさんも、お店に人がいつかなくて困っている、というオーナーのみなさんも……必見です!!
美容師として働き続けたい。その意志を大切にできる職場を探すべき――
<PROFILE>
右:Tatsuさん 29歳/福島県出身 美容業界歴13年。
左:長谷川さん 22歳/神奈川県出身 美容業界歴3年。
就職活動中に悩んだこと、壁にぶつかったことはありますか?
Tatsu「自分が何を求めているのか、将来どんなスタイリストになりたいのか、理想を見つけるまでが苦労しました。辞めて大丈夫なのか、という部分は心配しなかったんですけどね。ひとりのほうがやりやすい、くらいに思っていたので」
長谷川「僕も、美容師という仕事はとても楽しいし好きなので、働き続けていくことに疑問はないんです。ただ、雇う側と雇われる側が対等な店じゃないとダメだって、3年働いてようやく気付けました。たとえ年下であろうと、1年目の新人であろうと、一緒に働くスタッフの意見を聞かないオーナーはダメです!!」
Tatsu「美容業界って、今、まさに過渡期に入っていると思うんですよ。美容室そのものが飽和状態になってしまって、施術の価格もイッキに下がってしまった。集客するために値段を下げるのは仕方のないことだけど、技術を安売りすることになるし、アシスタントたちに十分な賃金を支払うことができなくなる。しかも、まるでサービス業のように、お客の言うなりにならなければいけなかったりして、サロン側、美容師側の負担が増えてしまった。その中で、技術を磨き、将来への夢を見るのって、すごく難しいですよね。そう考えて、僕はひとりでやっていこうと思い、個人サロンを開くことにしたんですが……スタッフを抱えるお店を開くのであれば、時代の流れに沿った働き方を考えないと」
長谷川「美容師は、“人”がいないと成り立たない仕事ですからね。『アシスタントは下っ端なんだから、文句言うな!』って切り捨てるんじゃなく、ちゃんと歩み寄ってほしいんですよね。でも、そうしたサロンの内側って、なかなか見抜けないじゃないですか。なので僕は、希望するお店に何度も見学に行きました。面接を受けに行くのではなく、見学に行って、ふだんのお店の様子を見ることも、転職先を考える上では必要かもしれないですね」
これから転職・就職を考える人たちに、経験上からアドバイスをお願いします!
長谷川「新卒で店を探しているなら……友達に流されないことをおすすめします。実は僕、元の店に入るとき、つい友達と同じ店だから……って入ってしまったんですよ。その友達は先に辞めちゃうしで、ほんと苦労しました(笑)! あと、求人票はしっかり読みこんで、図々しいくらい質問をするべきですね」
Tatsu「僕はフリーになったのであまり大きいことは言えないのですが、転職する際、理想をしっかり持ったほうがいいでしょう。それと『あ、この店いいかも?』と思ったときには、一度家に帰って、冷静になって、しっかり考えてみるべきです。一生のことなので、友達ではなく、頼れる肉親(親や兄弟)に相談をもちかけるのもアリだと思います」
――おふたりとも、言いにくいお話をぶっちゃけていただき、ありがとうございました!!