未経験から学べる!タイ古式マッサージの技術習得方法
肩こりや喘息、アレルギーなど多くの症状改善が期待できるとされる「タイ古式マッサージ」。理にかなった施術方法と効果により、日本でも広く知られるようになりました。セラピストやマッサージ師として働く人のなかには、ステップアップのひとつとして、タイ古式マッサージの技術を習得したいと考える人も多いでしょう。
ここでは、タイ古式マッサージの習得方法や資格についてまとめています。スクールに通ったり通信で勉強したりすることによって、どんな人でも習得できる技術なので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
タイ伝統医学に基づくタイ古式マッサージとは
タイ古式マッサージとは、2500年ほど前から続く、タイ伝統医学のマッサージです。もともとは、ワットと呼ばれる寺院で病気の人に無償で施されているマッサージでした。創始者は、仏陀の主治医だったシワカ・コマラパ師とされています。タイ伝統医学は、仏教医学と中国医学が融合して確立したとされており、頭のてっぺんからつま先までを施術対象とします。その効果は、腰痛、肩こり改善にとどまらず、喘息、高血圧、冷え症など、数十種類の症状改善につながることが現代医学的に証明されているといいます。タイでは、病気になるとまずマッサージに行くという人が多いのも、この施術効果の高さによるものといえるでしょう。また、身体の不調を感じる前に、定期的にタイ古式マッサージを受けることで大病につながらない、予防医学的な効果も期待できるとされています。タイ古式マッサージの施術方法は、「指圧・マッサージ」「ストレッチ」「矯正」の3つです。「指圧・マッサージ」で固まった筋肉をほぐし、「ストレッチ」で緩めた筋肉を伸ばす。そして、「矯正」で身体のゆがみを整えるという、現代医学の観点からみても理にかなった施術方法とされています。筋肉をほぐすことは血流促進になり、自律神経が整います。それにより、免疫力や自然治癒力を高めることにつながっていくのです。さらに、マッサージを受けている間のリラックスした時間は、半覚半眠状態になりゆったりとした時間を過ごすことができます。その状態は、精神を安定させるという鎮静作用があり、症状改善効果を高めてくれるでしょう。
目的別に違う!タイ古式マッサージのおすすめ資格
タイ古式マッサージの資格には国家資格はなく、すべて民間の資格です。メジャーな資格では、「IBMA認定 タイ古式マッサージセラピスト」「TTMA公認・プロタイマッサージセラピスト資格」「JTTMA認定プロフェッショナルセラピスト資格」などがあります。「IBMA認定 タイ古式マッサージセラピスト」は、国際ボディメンテナンス協会が認定する資格で、主にセンと呼ばれるエネルギーラインに沿ったマッサージを習得するものです。「TTMA公認・プロタイマッサージセラピスト資格」は、日本トラディショナルタイマッサージ協会が主催する資格で、セラピストの資格からセラピストの指導員として活動できる資格まで7つの資格を取ることができます。段階を踏んで、タイ古式マッサージへのより深い理解や技術を身につけたい人にはおすすめです。「JTTMA認定プロフェッショナルセラピスト資格」は、日本タイ古式マッサージ協会が認定する「タイ伝統医療協会」との提携により生まれた資格です。タイ古式マッサージに対する正しい認識と技術をもち、セラピストとして活躍したい人や独立を考える人のために作られました。そのため、知識や技術の習得にとどまらず、マーケティングやビジネスの力を身につけるためのカリキュラムが整えられています。タイ式マッサージを仕事にしたいと考える人に、おすすめといえるでしょう。
日本とタイどちらで学ぶべき?タイ古式マッサージのスクール選び
タイ古式マッサージの技術習得のためのスクールは、日本とタイの両方で充実しているといえます。もちろん、タイで生まれたマッサージだからこそ留学して学ぶということは、資格取得後に箔が付くということはあるでしょう。しかし、それはイコール、タイ古式マッサージの技術が高い、理解が深いということにはなりません。留学してもタイのどのスクールに通うかによって、技術の習得具合には違いがでてくるでしょう。日本にいながらでも、きちんとしたスクールで学べばタイ古式マッサージの高い技術を身につけることは可能なのです。国内のスクールのなかには、マンツーマン試験を行い、徹底した技術習得を理念に掲げているところもあります。まずは、タイ古式マッサージに関してどの資格を取得したいのか、取得後の目的を踏まえて決めると良いでしょう。その後、その資格が取得可能なスクールを探すという方法が自然といえます。よりカリキュラムに興味の持てるスクールや、金銭面や時間面、通学距離など総合的に判断しましょう。働きながら資格を取りたいという人のなかには、通信制のスクールを選ぶ人もいます。日本とタイどちらで学ぶにしろ、資料を取り寄せ内容を理解したうえで慎重に検討したいものですね。
理論とテクニック両方学べるおすすめの書籍
タイ古式マッサージを概念、技術の両面から理解を深めたい人には「タイ式マッサージ―タイ伝統医療の理論とテクニック、著リチャード ゴールド 」がおすすめです。東洋医学やタイ古式マッサージについて研究を重ねてきた著者が、医学療法としてのタイ古式マッサージを紹介しています。細かいテクニックの提示は、セルフケアだけでなくタイ古式マッサージを仕事とする人にも役立つ充実した内容です。また、「タイマッサージ・バイブルワットポースタイル 、著大槻一博」は、テクニックの細かく解説と、その背景となる理論を学べる一冊です。タイ式マッサージのスクールのなかでも、短期コースに通っていたり、サロンなどで簡単に学んだりという人にとっては、より理解を深めるうえでおすすめの内容です。タイ古式マッサージのワットポースタイルに関するテクニックをまとめたものになっています。スクールで学ぶスタイルがワットポーという人なら、一冊丸ごと役に立つといえます。同じく、大槻一博さんの著書には「タイマッサージ微笑みの国からの贈り物」「極上の癒しタイマッサージ」など、わかりやすい写真付きの本があるので、一度手に取ってみると良いでしょう。日本タイマッサージ協会を設立した著者によって、本格的なタイ古式マッサージがわかりやすく、細かくまとめられています。
タイ古式マッサージのサロンで働きたい!未経験でも大丈夫?
多くのサロンやマッサージ店の求人のなかには、未経験OKというものもあります。入社後の研修を通して、タイ古式マッサージの技術を習得、チェックや試験を受けて合格したら、お客様の施術を行うというものが多いようです。なかには、定期的に全社員が座学講習会や技術講習会を受けることができ、スキルアップへとつなげるというサロンも少なくありません。また、ワークショップ型でスキルアップをはかったり、タイ厚生省認定の資格が取れる社内スクールで学んだりと、入社する企業によってもさまざまです。そういう意味では、求人を選ぶことで未経験から働くことは可能といえるでしょう。また、サロンでの勤務経験はなくてもタイ古式マッサージスクールの修了者であれば、採用のときに優遇されるケースもあります。採用側にとっては、座学研修を省略できるというメリットがあるからです。さらに、ボディケアやアロマ、リフレなどの経験がある人がキャリアアップのためにタイ古式マッサージのサロンで働きたいという人もいます。そういう場合でも積極採用されるケースがあるので、チャレンジしやすいでしょう。
タイ古式マッサージのスキルが向上し、お客様から多くの指名を受けるようになると、正社員登用されたり手当てがついたりということもあります。働きながらキャリアアップできるという点で、やりがいのある仕事といえます。