訪問美容師になるには資格が必要? おすすめ資格や仕事内容を紹介
美容師として働くなかで、訪問美容師という道に興味を持つ方も少なくありません。
しかし、「これまでのキャリアや自分のスキルを活かして訪問美容師に転身したい」と考えたときに、誰でもすぐに訪問美容師になれるものなのでしょうか。必要な資格やスキルがあれば前もって知っておきたいものです。
そこで、訪問美容師に求められる資格や訪問美容師の仕事内容について理解を深めましょう。
訪問美容師になるには資格が必要?
まず、訪問美容師になるには何らかの資格が必要なのかを解説します。
美容師・理容師免許は必須!
「美容師」と名の付く通り、訪問美容師はヘアカットやパーマなどの施術を行う仕事のため、美容師・理容師免許が必須です。
美容師や理容師の免許は国家資格のため、専門学校などの養成機関で所定のカリキュラムを学び、筆記と実技の国家試験に合格して取得しなければなりません。
なお、訪問美容師が必ず持っていなければならない資格はほかにはなく、最低限美容師や理容師の免許があれば仕事をすることは可能です。しかし、そのほかにも持っていると役立ちやすい民間資格があるので、次章で紹介します。
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訪問美容師の業務に役立つおすすめ資格を紹介
では、訪問美容師の仕事で役に立つ資格にはどんなものがあるのかを見ていきましょう。
訪問美容師の業務に役立つ資格にはどんな種類があるの?
訪問美容師におすすめの資格は、下記のようなものです。
・介護職員初任者研修(旧「ホームヘルパー2級」):介護の基礎資格
・訪問福祉理美容師:訪問理容や訪問美容に関する資格
・福祉理美容士:理美容業での介助に関する資格
訪問美容師は、介護・福祉の現場や利用者の自宅を訪れて施術を行う機会が多いため、上記のような関連資格を持っておくと安心でしょう。
訪問美容師の業務に役立つ資格の取得方法・費用を紹介
ここから、前項で挙げたそれぞれの資格の取得方法や費用について詳しく解説していきます。
介護職員初任者研修
「介護職員初任者研修」とは、かつて「ホームヘルパー2級」とされていた資格です。介護の基本的な知識と技術を持っていることを認定する資格で、スクールへの通学や、通信講座とスクーリング(合計130時間)および修了試験の合格によって取得できます。
費用相場は5~10万円ほどと、スクールによって差があります。助成金などの制度を利用して格安で受講できることもあるので、自治体などに問い合わせてみましょう。
ハローワークで仕事を探している人は、職業訓練の一環として、給付金を受けながら無料で資格を取得できるケースもあります。
訪問福祉理美容師
日本訪問福祉理美容協会は、高齢化社会にふさわしい理美容サービスを発展させ、適切な人材を育てるために、2016年に立ち上げられた団体です。
その日本訪問福祉理美容協会が認定を行っているのが、「訪問福祉理美容師」の資格。高齢化が進むなか、訪問理美容の需要は今後ますます加速していくと考えられており、高齢者や障害をお持ちの方への理解を深めつつ理美容業を提供することを目指します。
1日の講座で、訪問美容の基礎・準備から施術までの内容と注意点を学べます。訪問美容では、お客様の移動が困難・施術場所が狭い・動きづらいなど、現場の様子や勝手もサロン内とは全く異なるため、理解や配慮が欠かせません。
資格講座は東京・大阪・京都などの会場で年に複数回開講されており、受講費用は2万5,000円です。また、希望者は3,000円でIDカードを発行してもらえます。
引用元
訪問福祉美容サービスとは | JVBWA
訪問福祉理美容師講座 | JVBWA
訪問福祉理美容師の受講スケジュール | JVBWA
福祉理美容士
日本理美容福祉協会は、訪問理美容を必要とする対象者へのサービス向上を目指し、施術者の育成や地域の医療・福祉に寄与することを目的として発足したNPO法人です。
日本理美容福祉協会が認定する「福祉理美容士」の資格は、高齢の方や体の不自由な方に対し、安全な理美容サービスを提供するための介助の知識・技能を身につけられるもの。寝たままでのシャンプー方法や、寝たきりの方へのカット方法などを学べます。
資格を取得するには、養成講座に申し込み、自宅で教材を用いた学習を行い、2日間の講義および実技のスクーリングに参加。スクーリング修了後に認定書を受け取れます。申請により、任意で資格認定カード(送料込み3,000円)を発行してもらうことも可能です。
講座は全国各地で開講されており、受講費用は2万7,000円。豊富な資格や経験を持った優秀な講師陣が、有意義な講座を実施しています。
引用元
NPO法人 日本理美容福祉協会
協会概要|日本理美容福祉協会
養成講座ご案内|日本理美容福祉協会
福祉理美容士養成講座 開催情報一覧|日本理美容福祉協会
訪問美容師の仕事内容とは?
ここで、訪問美容師が行う仕事内容や対象者を押さえましょう。
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美容室に来られないお客様の元に訪問して施術を行う
訪問美容師とは、直接美容室へ足を運べないお客様の自宅や施設などに出向いて、カット・カラー・パーマ・ヘアメイクといった美容施術を提供する仕事です。訪問先で施術を行うため、サロンでサービスを提供する以上に細やかな気配りが求められます。
対象となる方とは?
訪問美容は、美容室に来られない人なら誰でも利用できるわけではなく、条件があります。東京都を例にとると、訪問の対象になるのは下記のような方です。
・病気やその他の理由(ケガ・高齢・障害など)で美容室に行くのが困難
・結婚式などの儀式の直前
・山間部などの不便な場所で理美容室がない
・社会福祉施設の入所者
・演劇などの出演の直前
なお、自治体によって対象者が異なる可能性があるので、訪問美容を行う場合は必ず自身の自治体の規定を確認してください。
引用元
美容師法 | e-Gov法令検索
美容師法施行令 | e-Gov法令検索
出張理容・出張美容について|東京都保健医療局
訪問美容師の給料はどれくらい?
訪問美容師をするにあたって気になる点のひとつが収入でしょう。しかし、残念ながら訪問美容師のみの給料の公的データはありません。そこで、目安として一般的な美容師の給料データをお伝えします。
【月給】※2024年1月現在のリジョブ求人データより
・正社員アシスタント:約20~27万円
・正社員スタッフ:約23~41万円
・正社員店長(候補):約28~61万円
・業務委託アシスタント:約26~55万円
・業務委託スタッフ:約26~44万円
・業務委託店長(候補):約29~91万円
【年収】
・男性:約336万円
・女性:約302万円
・~20代:約200~300万円
・30代:約350~400万円
・40代:400万円前後
引用元
令和4年賃金構造基本統計調査|e-Stat
令和4年賃金構造基本統計調査 年齢階級・経験年数階級別|e-Stat
美容師に限った話ではありませんが、年代や経験年数が上がるごとに収入も増加する傾向が見られます。月給と年収で参考元データが異なるため、分類方法が違いますが、目安として知っておくとよいでしょう。
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訪問美容師として働くには?
訪問美容師として働くためには、いくつかの方法があります。3つのパターンを見てみましょう。
1. 訪問美容を行うサロンで働く
まず、一般的な来店顧客の施術もしつつ訪問美容も行っている、美容室やヘアサロンで働く方法です。訪問美容はメインではありませんが、サロンワークの経験を積みながら訪問美容師としても働けるため、活躍の幅が広がります。
2. 訪問美容専門の事業所で働く
次に、訪問美容を専門で行っている事業所で働く方法。専門の事業所としてサービスを展開しているため、しっかり顧客を持っていることと、訪問美容に関するノウハウや研修が充実しており、訪問美容師専業で安定して働けることがメリットです。
3. 開業する
最後に、訪問美容を行うサロンや専門の事業所を自ら開業して働く方法。仕事の量や時間などを、自分でコントロールしながら働ける点がメリットです。ただし、顧客を増やしたい場合の開拓や、万が一のクレーム発生時などの対応もすべて自分で行わなければなりません。
訪問美容師の将来性は?
訪問美容師の将来性はどうなのか、気になる人もいることでしょう。高齢化が叫ばれるようになって久しいですが、65歳以上の高齢者の人口割合は2007年に21%に到達しており、2025年には30.3%、2055年には39.4%になると予想されています。
今後ますます高齢化が進むことは間違いなく、それに伴って訪問美容の対象者も増加していくでしょう。
また、美容に関する情報がメディアや動画などで多数発信されている現代において、美意識の高い高齢者も増えており、訪問美容のニーズの高まりを後押しすると考えられます。
訪問美容師になるには美容師免許が必須!
訪問美容師になるために必要な資格は、美容師や理容師の国家資格です。福祉サービスの利用者のもとを訪れて施術する機会が多いため、信頼される訪問美容師としての地位を築きたい人は、介護や福祉に関する民間資格もぜひ取得しましょう。
これからの社会において需要が高く将来性のある仕事なので、ぜひ訪問美容師を目指してみてください。
また、訪問美容師の仕事探しには、転職満足度が98%※と非常に高い美容系求人サイト「リジョブ」のご利用もおすすめです。給与や福利厚生など、自分の希望する条件を絞って検索でき、自分にぴったりの仕事を見つけやすいでしょう。
※ リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月8日)