森武志 interview#2:入社2年で120万稼げるスタッフを作る教育システム

森武志interview:入社2年で120万稼げるスタッフを作る教育システム
キャプション:年に一回の社員旅行。今年はプーケットへ(2017年2月)

大阪 梅田のヘアサロン「Bonheur」のオーナー森武志さんは、ひと月の指名売上300万を超えるトップスタイリスト。スタッフ育成も熱心で、デビュー2年で指名売上げ120万円稼げるスタッフに育てるための仕組みを作っています。さらに会員制の美容師専門勉強会「ブレンド」大阪支部の運営役員でもあり、教育には力を入れています。人材を輩出し続ける森武志さんのスタッフ育成の方法について伺いました。

――スタッフみなさんがデビュー2年で120万円稼げるようになるんですか。

「だいたい目標は達成しています。数あるサロンのなかからウチを選んで働いてくれている子達なので、ひとりでも稼げるように育ててあげたいですよね。“本人の努力次第だ”と放っておくと、お店も成長しません。スタッフの個性を大事に、得意なことも不得意なことも組織的に支えていくシステムを作ることが売上という結果につながっていると思います」。

――若者たちをヤル気にさせるにはどうしたらいいのでしょうか。

「37歳の僕の感覚と、20代の子達の感覚が同じわけないですよね。だから頭ごなしに自分の時代と今の時代を比べないよう心がけています。僕らの頃はただひたすらまっすぐ進むだけが能のような努力の仕方だったけど、今の若い子たちは色々考えて判断している。頭がいいと思います。
時代によって環境は変わっても、時間だけは平等です。時間を有効に使えるかどうかが成長の鍵ですよね。
単純でもいいので目標を心に持ち、今何をするべきか逆算して考える癖をつけさせてあげれば時間の価値観は鍛えられます。そしてその子たちが目標達成するためにどうバックアップできるか一緒に考えるのが教育で、リーダーの役割ですよね。組織で、そういうピラミッドをたくさん作っています。
もし、目標を持てずに“そこそこ”を求める子がいたとしても、どの業界でも2:6:2の法則があるじゃないですか。組織は、全体を引っ張る2割、普通に頑張る6割、足を引っ張る2割で構成されている、というもの。これは仕方ないことなので、改善するには組織が変わるしかありません。
放っておくと何にもやらない人もいます。同じ指導をしても成長できる人もできない人もいます。みんながみんな“一緒に歩こう”とは思っていません。時代に合わせてお店も変わらなくては立派なスタイリストは育ちませんからね。“スタッフを生かす仕組みをつくる”ことが必須ですよね」。

森武志interview:入社2年で120万稼げるスタッフを作る教育システム
キャプション:TM会フォトコンテストの審査員(左から:森武志、井関雅也、田所 誠)

――具体的にスタッフにはどのような教育をしていますか。

「毎朝のロープレで、自分の癖を見直す機会をたくさん持つことを一番大切にしています。接客って一発勝負なんです。初回で印象が悪ければお客さまは二度と来店しません。何が悪かったのか教えくれるわけではないので、スタッフは気がつかないまま次のお客さまの前に出ることになります。それを防ぐためにロープレは重要な気づきの機会となるんです。
そして、先ほど挙げたピラミッドシステムでリーダーが後輩のことをよく見ることです。先輩になったら“後輩は自分の子供”のように大切にして欲しい。後輩が求めるなら何時でも応えてあげられるようフットワークを軽くするためにはピラミッドを小さくすることです」。

森武志interview:入社2年で120万稼げるスタッフを作る教育システム
キャプション:森さんの所属する大阪ブレンドと東京ブレンドの皆さん

――リーダー力を高めるにはどうしたらいいでしょう。

「リーダーとして大事なのは、“相手のせいにしない”こと。一度したミスを繰り返す子がいたとしても、“前に言ったじゃないか”と相手を責めるのではなく、“伝わらない言い方をしていたんだな”と自分の改善ポイントとして考えた方がお互いに成長しますよね。“目の前で起こったことは、常に自分に原因がある”という思考に立つことが大事だと思っています」。

――森さんはOSAKA BLENDでの講演などもされていますが、美容業界をどのようにしていきたいですか

「業界の未来を考える前に、僕はまず自分の店のスタッフを潤わせる方が大事だと思っています。もっと稼がせてあげたいし、生活の質を上げてあげたい。どのサロンもスタッフを大切にすることから始めたら、業界もいい方向に行くのは間違いないですよね」。

離職率の多さに悩むサロンが多いなか、「Bonheur」はほとんどのスタッフが定着しているそう。日本トップクラスの売上を上げる秘密は、スタッフ一人一人が“やりたい事”を叶えるためにここにいるという自覚と、組織だからこそできるバックアップにあるのですね。それに加え、美容師は“キツイ、帰れない、稼げない”という負のイメージを森さんが自らの身を通して変革している後ろ姿を見ている事も大きな理由だと思います。
スタッフの育成に困っている方は、ぜひ“目標を共有する小さなピラミッド作り”を実行してみてはいかがでしょうか。

Salon Data

Bonheur

梅田店(2017年3月リニューアルオープン!)、西梅田店
http://bonheur-hair.com

森武志さんのビューティー記事
https://beauty.authors.jp/author/takeshimori

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