1人サロンの強みを生かしお客さんのハートをゲット!『BURLESQUE』
スタッフを雇うことなく、1人で全てのメニューに対応している田中さん。今回は1人でやることの利点、さらに独立を考えている人へのアドバイスなどについて伺いました。
――スタッフは田中さん1人ということですが、大変ではないのですか?
「それがあまり苦ではないんですよ。どちらかというと、任せると気になってしまうタイプなので(笑)。いざ始めてみると、自分1人でのお店も案外楽しかったので、しばらくの間は1人でやっていこうと思って。ある程度、メドが立ったら雇いたいなっていうのはあるんですけど、まだ何も考えてはないです(笑)」
――逆に1人でやることの利点は何でしょう?
「お客さんと密にコミュニケーションを取れるのもいいですね。女性に多いのですが、『大型店だとシャンプーやカラーをやるのは知らない人で、自分のスタイリストはカットだけですぐにどこかに行っちゃう。流れ作業のように回されている感じがして嫌だから、1人でやっているところの方かいい』っていう声をよく聞くんですよ。1人だとあまり時間にとらわれないというか。一応、カットの最終受付は19時までなんですけど、どうしてもその時間に間に合わないという方もいるので、その時は受付時間を過ぎていても『いいですよ』って言って予約を受けられる気楽さもあります。最初は予約状況や時間が被ったりすることがあったので大丈夫かな?と思っていたんですけど、お客さんが融通をきかせて日や時間を変えてくれるので、そこはありがたいですね」
――メニューにはセットなどもありますが、それも1人でされるんですよね?
「全部やります。オープン初年度から近所にある岩田呉服店さんの紹介で成人式のセットの仕事を受けられることになりました。ありがたいことに向こうからお話を頂けたので、それから毎年、成人式当日は当店でセットが終わったら岩田呉服店さんで着付けをするっていう連係を取っています」
独立を考えているのなら積極的な異業種交流を!
――独立を考えている方に何かアドバイスをお願いします。
「アドバイスできるような立場ではないんですけど……技術はもちろん、人との繋がりが大事だと思いますね。美容師は勤務時間が長いですし、遊ぶ時間もなく、どんどん仕事、仕事ってなると、繋がりが同じお店のスタッフだけになって、視野が狭くなるというか、周りが見えへんくなったりする人もいるんですよ。だから、もし独立したり1人でするのであれば、今のうちから美容師だけじゃなくて、飲食店だったり服屋さんだったり、色んなジャンルの人と喋ってコミュニケーションを取っておいたほうがいいと思います。異業種の人と喋ることでちょっと視野が広くなるというか、私がエステの方にヘッドスパの内容について相談に乗ってもらったように、新しい発想だったり、色々なことを教えてもらえるので。私は幸いにも色んなジャンルの人の知り合いがいて、個人でやっている人が多いので、経営のことも教えてもらえたりしています」
――ちなみに美容師にはどんな方が向いていると思いますか?
「基本的にいい意味であまり深く考えない人の方が向いていると思います(笑)。すごく考えてしまうと嫌になってしまう方が多いので、あまり考えない方が向いていると思います」
――なるほど(笑)。では、最後に今後の展望があれば教えてください。
「やっぱりちょっと遠いところからも来て頂きたいなっていうのがあるので、それができたら嬉しいですね。今はSNSもありますし、県外のお客さんへの発信をしていきたいです。『京都だったらバーレスクだよね』って言ってもらえるようなお店にしていきたいっていうのはあります。息の長い商売をしていきたいですし、地域の方を大事にしながら、これからもやっていきたいですね」
大型店のスタッフから1人サロンのオーナーとなった田中さん。その経験に基づいたアドバイスは、独立を考えている人にとっては大きなヒントになったのではないでしょうか。地域にも受け入れられ、幅広い世代に支持されるようになった「BURLESQUE」の今後に注目です。