人気ヘアサロン、マネジメントの秘訣とは?『麻布十番・One WORLD』
在日外国人に人気のインターナショナルヘアサロンOne WORLD(ワンワールド、麻布十番)に、今年から新たなスタッフさん2名が加わりました。おふたりとも新卒です。
これまでのOne WORLDは、オーナースタイリストの川崎大輔さん、チーフスタイリストの佐藤佳さん、アシスタントの加藤なつ美さんの3名で営まれていました。
川崎さんは最初 理容室、美容室、海外のサロン、日本のインターナショナルサロンという独自なキャリアを重ねています。
One WORLDは口コミと紹介で、今や客層の7割が外国人という特徴をもったお店。ではその裏側=マネジメントはどのように行われているのでしょうか?
英語力はツールとして必須
「One WORLDでは英語力が必須です。お客様が外国人の場合は予約時から英語、しかも要望をしっかりと把握する必要があります。
川崎さんは、「施術前のコンサルテーションがOne WORLDを支えている」とまで言っています。スタッフにも「明確に返答するように」と必ず伝えるそうです。またその方がむしろお店とお客様の信頼感になっていくのだとか。
「入店時に英語ができないことは構いません。入ってから、こちらも一所懸命に教えますので。ただ、これは私自身の経験でもあるのですが、語学は結局自分次第。人から教わるだけで身につくものではないですよね」。
川崎さんはドイツのサロンで働きはじめた当初、知っているドイツ語は「こんにちは」と「ありがとう」のふたつだけでした。もちろんそれでは仕事にならないので、「暇さえあればドイツ語を勉強」した結果、半年後にはお客様とも話せるようになったそうです。
ちなみに、スタッフは毎週外国人のコミュニティへ出かけて、英語力を高めているのだとか。ただし、語学はあくまでもコミュニケーションツール。様々な髪質、要望に応えられる知識とホスピタリティー、技術の習得が重要なのはいうまでもありません。
時間よりも内容を
「技術を磨くには練習ですが、One WORLDは長時間練習することはやめてもらっています。1時間だけキッチリと集中して、そのかわり毎日やる。そうしたら夜9時には店を出られアフターも充実します。また、休みの前日も練習しないでくれと言っています。早く遊びに行ってくれと(笑)」。
「One WORLDの定休日は毎週月曜日と第3日曜日です。第3日曜日が定休日なのは、美容師は土日が休みの職業の人と段々接点がなくなっていきがちな職種ですから、少しでもいろいろな人と会って、話して、視野も拡げて欲しいと思ったからです。充実した人間関係やプライベートがあってこそ前向きにしっかり仕事に向き合えるのではないかと思っています。」
「長時間ダラダラとやるよりも、短い時間内に集中して内容の濃いことをしていこうと言っています。これは最初に入った理容店で経験したことが基になっています」。
「また美容業界はどんどん変わって進んでいますので、メーカーさんに来てもらって1か月に一度か2か月に一度、新製品や新しい技術の講習会や勉強会をスタッフ全員で行うようにしています。ニーズに合ったいいものがあれば店にどんどん導入したいと考えています」。
オンリーワンを追求して
スタッフ同士のコミュニケーションは臨機応変にとっているそうです。周年などの公的なイベントはもちろん大切にしていますが、皆の都合がよさそうなら閉店後に食事へ行くこともあるのだとか。
「ただ、休日にスタッフと一緒なのは社員旅行くらいです。付かず離れずと言いますか(笑)。社員旅行?今年はベトナムのダナンです。海外なら英語を使う機会も増えるので」。
最後に、これから美容師になる、あるいはなりたての人にメッセージを欲しいとお願いしたところ、「ナンバーワンになることも素晴らしいのですが、オンリーワンになることもおもしろいと思っています」という言葉をもらいました。
「何か独自の強みがあれば勝負になるのかな、そしてその独自性を追求していけば『形』になるのかなって。私はスタイリストになって17年ですが、自分にしかできないことを、本当に小さく一歩ずつ重ねてきたような思いがあります。そして、嫌なことがあっても、逃げずに目の前のことに向き合うことも大切だと考えています。経験上、逃げても違う形でまた同じことが起きるのですから」。
Salon Data
インターナショナルヘアサロンOne WORLD(ワンワールド)
〒106-0045 東京都港区麻布十番2-8-3 DKNS麻布4F
営業時間
平日:10:00-20:00
土・日・祝日:09:00-19:00
休日:毎週月曜日・第3日曜日
TEL:03-6459-4354
http://www.one-world.info/