トレンドを創る人 Vol.2 Tierra「三笠塾」に学ぶ!セミナー講師に求められるもの #2

恋を呼び込むと噂されるTierra(ティエラ)の三笠さん。実は誰よりも“似合わせ”について追及されている職人気質タイプの美容師です。そんな三笠さんですが、現在は日本各地はもちろん、アジア諸国からもセミナー依頼が絶えない、人気講師としての顔も。
これからセミナー講師を目指したい人、また、セミナー講師初心者で、なにをどう伝えようか迷っている人こそ必読! #2のインタビューでは、「三笠塾」とささやかれる彼流のティーチング法についてお伺いしました。

僕が教わっていた頃とは求められるものが変わった気がします

――三笠さんはセミナー講師のお仕事が多い印象ですが、ご自身は、巨匠と呼ばれる美容師さんから学ぶことはありましたか?
「もちろんありました。僕がスタイリストになりたての頃というのは、感覚で教えて下さる先輩方が多かったですね。モデルの髪をカットしたり巻いたりしながら、“ここはこんな感じでフワッとさせようか”とか、“ここは、ちょっと毛束を揺らしてみましょうか”というような、その瞬間の作り手の気分を反映させたデザイン作りが主流だったような気がします。物凄く、アーティステックなわけです」

――確かに!手のひらでつくるマジックみたいな感じですよね。神の手と呼ばれる方も多くいらっしゃいますし。
「ですから、学ぶ僕らはとても感性を養われる。答えがないわけですから自分で考えるんですよ。想像力が豊かでないとついていけませんからね。物凄く鍛えられましたし、いい技術を学べた時代ですね」

――というと、三笠さんも巨匠の方たちに倣って… ということですか?
「ところが僕よりずっと若い世代は、この方法だとチンプンカンプンになってしまう人が多くいますね。アンケートなどを分析すると、現在は

“明日から集客につながる技術を知りたい”
“今すぐカット法の答えが知りたい”

という時代です。やはり、これは社会的背景もあるんですね。黙っていても新規のお客様がバンバン入る時代と、美容室が飽和状態でなかなか新規がつきにくい今とでは美容師の考え方に違いがでるのは致し方ないと思います。僕らが20代のときは“努力させすれば豊かになれる”と思えた時代ですから。ある意味、幸せでしたよね」

三笠竜哉さん

言葉でロジックを、見た目で感性を取り入れる

以上のことから、三笠さんは“リアリティを軸”にセミナーを行う姿勢を貫いています。結果的にこれが多くの生徒たちの満足度につながり、主催者側から絶大なる信頼を得るようになります。

「美容師ですから、アヴァンギャルドだったりモードだったりという刺激のある作品に触れることはとても大切です。僕自身もサロンに入社して最初の目標はJHA(ジャパン・ヘアドレッシングアワーズ)で受賞することでしたし。

でも、今のセミナーで求められているものはリアリティ。街を歩いていて“素敵だな”と思わせる技術を伝えることがとても大事ですね。ですから、モデルの仕上がりは、時代にマッチした万人に受けるデザインを心がけています。この中に僕なりのトレンド感を加えているわけですが、技術の伝え方は、とにかく理論的に行うようにしています。答えがすぐわかるように… というわけです」

つまり「三笠塾」とは、コーチングではなくティーチング。この手法が話題となり、現在はアジア各国でもセミナー講師を務めるまでになります。

――アジア諸国の方は、セミナー中に携帯でその様子を撮影していますよね。なんだか芸能記者みたいに講師を取り囲んで撮影している。あの光景は凄いですね。
「はい(笑)。動画で撮影して後々勉強したりするのでしょうが、“自分のお客様に見せてあげるんです”なんて方もいらっしゃいます。でも、技術力はとても上がっていますよ。みなさんクレバーですし」

――では、なにを知りたがっていますか?
「技術の一歩先、つまり髪質や顔立ち、骨格に合わせてアレンジを加えるなど、いわゆる“似合わせ”ですね。日本の美容師はそこが上手いという印象があるようです」

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エアリーがブームでも個々に似合うエアリーをみつける

――確かに。三笠さんの作品はエアリー感が特徴だと思うのですが、どれひとつとして、同じような作品ではないですよね。
「本当ですか?うれしい」

↑直線的なボブの中にも崩しと揺れ感、ウエット感を融合
↑直線的なボブの中にも崩しと揺れ感、ウエット感を融合。
インサイドのハイライトが生きる、憂いのあるエアリーロング
↑インサイドのハイライトが生きる、憂いのあるエアリーロング。
↑業界紙、一般誌の撮影も多い三笠さん。ファッションとのトータルバランス が美しい
↑業界紙、一般誌の撮影も多い三笠さん。ファッションとのトータルバランスが美しい。

――はい。エアリーの出し方がモデルひとりひとり、全く違う印象です。女性って、そこをわかってもらえるとうれしいんですよね。自分を理解してくれてるな~って思ってしまい“一生、この美容師さんについていく♡”って気持ちになっちゃうんですよ。
「エアリーを軸にしていても、みなさん同じじゃないんです。それぞれに似合うエアリーがあるということです。これこそが似合わせの部分です。その意図が伝わっていること、とてもうれしく思います」

数学的に技術を教えることができる三笠さんですが、実の所、ご本人はとてもアーティステック力の優れた方。その部分をあえてサブ要素に回し、数学的手法の「三笠塾」で評判を呼んだ三笠さん。まさに現代の理想の講師像なのかもしれません。

サロンワークはもちろん、撮影、セミナー、商品開発など、美容師として幅広く活躍する今後にも目が離せません。

取材・文/小澤佐知子
撮影/石田健一

Salon Data

店内
店内

Tierra

三笠竜哉氏、中村康弘氏の2名が代表を務めるTierra(ティエラ)。
現在、原宿と自由が丘に2店舗を運営。モデルやタレントの顧客も多く、「可愛らしさの中に潜む自分らしさ」を求め、全国から女性が集まるカリスマサロン。サロンワーク以外にも雑誌撮影、セミナー講習、ヘアショーなど、美容業界で幅広く活躍中。
http://www.tierra-net.co.jp

トレンドを創る人Vol.2 Tierra 恋が叶うと言われる、三笠流デザイン作りの流儀 #1”>>

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