日本のおもてなしは強みになる。海外で活躍する美容師を目指して「Hatsuko Endo」久米大介さん
美容業界を支える企業の魅力を紹介する本企画。今回は、明治38年(1905年)創業のトータルビューティーカンパニー「Hatsuko Endo」の美容・エステ部門で、統括を務める久米大介さんにお話をお聞きします。前編では「Hatsuko Endo」の成り立ちや企業理念、社員への想いなどについて伺いました。
後編では、入社したきっかけや実際に受けた研修内容など新人時代についてのお話を伺います。幼少期をアメリカで過ごしたこともあり、美容師として海外で活躍することを目指していたという久米さん。さまざまなサロンを検討するなかで、技術レベルの高さからここなら海外でも通用するスキルを身につけられると思い、「Hatsuko Endo」に入社したといいます。
今回、お話を伺ったのは…
「Hatsuko Endo」美容・エステ部門 統括
久米大介さん
熊本県出身。生後9ヶ月から11歳までの幼少期をアメリカで過ごす。美容専門学校を卒業後、2014年にHatsuko Endoに新卒入社。名古屋店で活躍するなか、2017年にハワイでのブライダル事業立ち上げに参加。帰国後から本社勤務となり、2022年からは現在まで美容・エステ部門の統括を務めている。
海外で通用するスキルを身につけたい。高い技術力とマナーに惹かれて入社
――「遠藤波津子美容室」に入社しようと思った理由は何ですか。
私は生後9ヶ月から11歳までをアメリカで過ごしていたんです。その経験もあり、学生時代からアメリカで美容師として働きたいという夢を持っていました。ただ、技術や接客などのスキルを何も持たずにアメリカに行っても活躍はできないだろうと考えたんです。まずは高いレベルで実力を磨ける企業に入社しようと思い、さまざまなサロンをリサーチした結果、遠藤波津子美容室にたどり着きました。
――具体的にどのような点から技術力の高さを感じたのでしょうか?
歴史ですね。私が「遠藤波津子美容室」を見つけた当時は創業110年だったのですが、他のサロンを見てもそこまで長く続いているヘアサロンはありませんでした。企業として長く続いているということは、お客様を離さない高品質な技術サービスがあるのだろうと思ったんです。
――ハワイ店舗の立ち上げに参加したことで夢は実現できたのですね。
そうですね。
あとは、出店場所の多くがデパートやホテルという点にも惹かれました。デパートやホテルというと比較的格式のある場所になりますし、そのような場所にサロンがあるということは、マナーや礼節を徹底していると思ったんです。海外のサロンでは日本の礼儀正しい「おもてなし」に定評があるるので、強みを身につけられるというのも決め手のひとつです。
カリキュラムをカスタムできるから理想の美容師像を叶えやすい
――入社後のお仕事は何からスタートしましたか?
まずは、2日間の新入社員接遇研修からスタートしました。その後、店舗でアシスタントとして働きながら、シャンプーやパーマ、カット、薬剤などについての講習と練習を繰り返し、スタイリストデビューを目指していました。
現在は、Hatsuko Endoのクレド「Heart of Gold」を学ぶ研修を受けてから各店舗に配属となります。
――なるほど。大体どのくらいでスタイリストデビューできるのでしょうか。
スタッフによって異なりますが、早い人だと2年目にデビューできます。弊社では1年目のカリキュラムはある程度決まっているのですが、2年目以降は自分の希望・要望を上司と相談しながら、スキルに合わせた育成スケジュールに取り込み、ステップアップしていきます。
――アシスタント時代の仕事内容と1日のスケジュールを教えてください。
私の店舗は10時オープンだったので、9時30分に出勤していました。出勤後は営業開始に向けて、掃除などさまざまな準備に取り組みます。9時50分ごろになったら、全スタッフで情報共有を兼ねた朝礼を開始。営業時間中は、カラー材の準備や塗布、シャンプーなどスタイリストのサポートを中心としたアシスタント業務に取り組んでいました。退勤時間は18時30分ごろでした。
――新人時代のモチベーションはどのように保っていましたか?
細かなランク設定がモチベーションにつながっていました。弊社は、人事制度を導入しており、等級ごとに定義が決まっている「グレード制度」があります。常に自分のレベルが明確に分かるので目標を立てやすく、モチベーションを持って成長することができるんです。
お客様の要望に応えるだけではNG。プロとして適切な判断が大切
――新人時代に失敗した経験はありますか。
ありますね。弊社では、シャンプーのときにお客様の首にタオルを挟んでからシャンプークロスを着用していただくのですが、お客様のリクエストでタオルを使わなかったことがあったんです。その結果、お客様の服を濡らしてしまって。お客様は寛容な方だったので許していただけたのですが、先輩スタッフからは怒られてしまいました。
いくらお客様のご要望とはいえ、そのような判断をしてしまったことは多いに反省しました。リクエストがあったから無条件に応えるのではなく、プロとして適切に判断をすることが大切だということを学びましたね。
――現場で働いていてどのような点にやりがいを感じますか?
お客様とのコミュニケーションにやりがいを感じますね。美容師という仕事は、毎日異なる人とコミュニケーションをとることができ、さまざまな価値観や経験を知ることができるんです。他の職業にはないおもしろさなので、私にとってはやりがいになっています。
――最後に、Hatsuko Endoを目指す方にメッセージをお願いします。
世の中にはさまざまな特徴を持ったサロンがあります。リサーチをした結果、もし弊社に興味を持っていただけたのであれば、サロン見学にお越しいただいて、働くスタッフの雰囲気やコミュニケーションを観察してご判断いただきたいです。
今回お話ししたもの以外にも、Hatsuko Endoには魅力がたくさんあります。ぜひ就職・転職先の1候補として考えていただけるとうれしいです。
ていねいな言葉遣いと落ち着いたトーンでご自身の経験と企業の魅力をお話ししてくださった久米さん。お客様に上質なサービスを届ける為の社内啓蒙が行き届いていると感じるインタビューでした。また、2年目以降のカリキュラムのお話から、理想の美容師像を実現させやすいのは素敵だと感じました。