ひとりから始まった株式会社KOKOMO代表取締役 多田哲也さん

JR恵比寿駅からガーデンプレイス入口前の信号を左へ2分ほど歩いたデザイナーズマンションの一室で、月に2週間だけ開かれるプライベートサロンKOKOMO TOKYO(ココモ トウキョウ)、多田哲也さんがひとりで営むお店です。

なぜ月に2週間だけなのか?多田さんは、香川県高松市に本拠を置くKOKOMOグループの創業者兼オーナー。高松と東京で、美容室、ライフスタイルショップ、バーなどを次々にオープンし、すべて成功している経営者でもあります。

16歳から美容室で働き、わずか20歳で店長に。その後23歳で独立して13年。多角経営から自社ビルを構えるまでに、どのような経緯があったのか。KOKOMO TOKYOへと伺い、お話を聞いてみました。

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きっかけは停学

多田哲也さん

「高校は1年生でやめたんです。あることで停学になってしまったのですが、おとなしくジッとしているのは嫌でした。なら、ぼんやりとした夢だった美容師になろうと。高校をやめる理由にしたかったというのもありますけど(笑)」

多田さんは退学するとすぐに高松市内の美容室に就職しました。40名ほどもスタッフがいる大手美容室だったといいます。「大勢の先輩がいて、掃除くらいしかやることがなかった」お店を1年で辞めます。

「別のお店が誘ってくれました。元々客として通っていたお店です。実は、そのお店が好きで美容師になろうと思ったんです。でも1年前は人を募集していなくて。それで大手のお店へ入っていたのですが」

そのお店は5、6人ほどの小さなお店だがとても流行っていたそうです。なりたい美容師像、お店のスタイル、学びたい技術、自分の求めているすべてがそろった憧れのお店。張り切って働く少年の姿が浮かぶようです。

2年後、とうとう席が足りないほど忙しくなってきたお店は2号店を出すことにしました。スタイリストの中の誰かが新店へ行かなければなりません。指名されたのは、まだ20歳になるかならないかの多田さんでした。

20歳で経験した店長

多田哲也さん

「『お前が一番生意気だから、向こう(新店)へ行け!』みたいな感じでした(笑)。とても小さな店舗(10坪)で、セット面3面シャンプー台2面しかなくて、スタッフは僕とアシスタントの二人だけでした」

20歳で店長になった多田さんは、家賃、アシスタントの人件費、仕入れ代などすべてを自分の売上で賄うよう命じられます。自分の給料は経費を全部払った後に残っていればという状況です。「大変でしたが、その分、自由にやらせてもらいました」という日々が3年続きます。

23歳になったとき、独立することにしました。お客さんの獲得から収支まで責任を負ってきたということは、逆に考えると独立の練習をしてきたようなものでもありました。しかも独立するにあたって、23歳の青年は大胆な申し出を勤め先にします。

「独立して外へ出るってことになると、そのお店がつぶれてしまうというので、店ごと一式買い取ることにしました。場所とお客さんは今までどおりですが、コンセプト、内装、店名は一新しました。新しく付けた店名がKOKOMO、13年前のことです」

コンセプトは「すべてひとりですること」。施術は元より、シャンプーから会計まですべて。最近では珍しくないプライベートスタイルですが、当時はほとんどなかったタイプです。コンセプトどおりに、内装も誰の力も借りずにひとりでやりきったそうです。

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独立から自社ビルまで

KOKOMOビル
KOKOMOビル(高松美容室r.e.(エールウー)のブログより)

新装開店して1年半、KOKOMOは予約がさばききれないほどの人気店となります。多田さんは、移転することにしました。その際に2つの変化があります。ひとつは初めてスタッフを入れること。もうひとつはコンセプトの変更です。

「KOKOMOという店名は、ザ・ビーチ・ボーイズの『KOKOMO(映画『カクテル』の主題歌)』から採りました。『KOKOMOという誰も知らない南の島へ行こうよ』という曲です。なので今度こそ曲名どおりの店にしようと、「地図に載ってない隠れた楽園」をコンセプトにしました」

間もなくイメージにピッタリの物件が見つかります。5階建てビルの最上階、決め手は大きなテラスがついていたこと。早速、テラスに芝生とヤシの木を植え、ハンモックまで吊ります。「髪を切りながら、リゾート風景が見られるように」にしました。

路面ではなく、しかも「廊下が真っ暗だった」という普通ならハンディキャップとされる場所でしたが、「隠れたリゾート」に変わったKOKOMOはまたしても大当たり。スタッフ数、座席数を増やすため何度も改装を繰り返していきます。

やがて30歳でバー(defi(デフィー))、その2~3年後に2軒めの美容室(r.e.(エール・ウー))を出し、さらに2~3年を経て、本社ビル(KOKOMOビル)ができます。回を改めて、独立からグループ展開へと移っていた様子を伺います。

profile

多田哲也さん

多田哲也

株式会社KOKOMO代表取締役CEO & Hair Designer & イベンター
KOKOMO TOKYO(東京・恵比寿)、un beau cil(東京・錦糸町及び新小岩)、KOKOMO・r.e.・defi・BOCOCA(以上香川県・高松市)、まつ毛専門サロンmayc(千葉・市川)の8店舗を経営している。

・KOKOMO TOKYO
東京都渋谷区恵比寿3-28-2-401
03-3280-7121
(不定休(月に2週間のみ営業))

・kokomo本店
香川県高松市鍛冶屋町7-3 KOKOMO BUILDING
087-826-2007
http://webkokomo.com/

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