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トレンドを創る人 Vol.5 Garland 榊原章哲さん くじけないアシスタントの育て方 #2

ご存じの通り、美容業界の一線で活躍することは一朝一夕にはいきません。また、努力したから誰しもが有名になれるかというと、今の時代、疑問が残ります。
美容業がハードで辛い仕事であることは承知の通りですが、その分、若手美容師は夢もたくさん抱えて入社します。そして、現実は離職率も非常に多い職業…
「夢や希望」そして「現実と挫折」。そんな表裏一体の関係性がつきまとうこの業界ですが、特に厳しい世界と言われるトップサロンの中でも、離職率の少ないサロンが存在します。
「Garland」(ガーランド)代表・榊原章哲さん第二回目のインタビューは、くじけないアシスタントの育て方についてご意見をいただきました。

新人はフワッとした気持ちで入社するもの

――美容業界は“きつい”“拘束時間が長い”“給料が安い”と言われています。そんな中でも有名店に就職をして、将来は稼ぐ美容師を目指す若手もいますね。
「学生の場合、美容師はかっこいいとかおしゃれなど、フワッとした気持ちがあると思うんです。だから、入社してしばらくは皆さんそんな感じです。逆に言えば、そのミーハーさやフワッと感がないと入り込めない職業だと思います」

――そうかもしれませんね。
「でも、実際は相当きつい仕事です。特に原宿や表参道界隈のサロンは想像を絶するほどハード。同世代のサラリーマンやOLさんと比べると、遊べる時間は皆無に等しいですし、プライベートなんてありません。あと、レッスンについてこれなくなると焦りも出て心も弱くなってしまいますね。
だから、“こんなはずじゃなかった…”とか、“俺、なにやってるんだろう?” なんてくじけてしまう子がたくさんいるのだと思います。でも、僕のサロンは比較的、辞める子は少ないですよ」

女の子たちが日常を楽しむ様が伝わる、おしゃれでハッピーな一枚
↑Garlandのホームページより女の子たちが日常を楽しむ様が伝わる、おしゃれでハッピーな一枚。

ご両親を呼び、サロン見学をしていただく

――なにか秘策でもあるのですか?
「新卒で採用が決まった子たちは、入社前に親御さんをサロンにお呼びしています」

――え~っ!? 手厚い… 最近の学生は会社説明会や面接に親を同伴させる人もいると聞きますが、その後押し??
「それとは少し違いますね。若い子がくじけた場合、ほとんどの子が先ず親御さんに相談します。そうすると、特に最近の親御さんは“辛いなら辞めていいよ”とすぐに受け入れてしまう。地方から上京して働く子も多いですから、電話などでそんな相談をされると、やはり心配になってしまうのだと思うのですが…」

――私も人の親なので、その気持ちは少し理解できますが…
「東京の美容室の仕事なんて、地方の親御さんには実態が見えなくて、よくわからないじゃないですか。だから、最初にサロンにお呼びして僕のことと職場をよく見てもらっています。そうすると、営業の前や後に黙々とレッスンするアシスタントなどがいて、サロンワーク以外の部分でも仕事をしなければいけないとか、なんとなく親御さんも業界の空気が見えてきますね」

――安心感を与えつつ、理解を求めるわけですね。でも、これはとてもいいアイデアだと思います。
「親御さんには“この業界、3年間は誰もがしんどいです。お子様が辞めたいと相談してきても、もう一度頑張るように応援してあげてください”とお願いしています。これだけで、アシスタントの持久力はグッと伸びます」

――素晴らしい。みんなで応援しながら育てるという感じですね。
「それと、いざスタイリストデビューをしてもなかなかお客様はつきません。1年やって100万の個人売上をつけるのが大変な時代ですからね。だから、僕の店では月に50人の新規を個人で集めるように伝えています」

2017 SSコレクションより。ヘア/榊原章哲
↑2017 SSコレクションより。ヘア/榊原章哲

自己ブランディング力がないと美容師として大成しない時代

「会社に頼ればフリーがどんどん割り当てられる時代はもう終わっています。もちろん、会社もできることはしていますが、今どきは自己ブランディング能力がないと生き残ってはいけません。とにかく自分が動くこと。

インスタやフェイスブック、ブログを行いつつ、ハントや紹介を積極的に行い、技術の向上を目指すレッスンを積む。確かに大変なことですが、やれる子はやれちゃうんですよ」

――若手のうちから自己ブランディングをさせているのですね?

「スタイリストを何年かやってみて、将来が見えないのは不安です。独立が全ての時代ではないですし、むしろ独立しなくても不安にならない状態をスタッフには作ってあげたいと思います。だから、早くから自己ブランディングをさせたり新天地にサロンを出店したりと、いろいろ挑戦しているわけです」

経営者の顔を持ちながらも、どこか皆の“お父さん”のような優しさが漂う榊原さん。
スタッフを思い日々挑戦し続ける姿があるからこそ、スタッフたちもまた“長く働きたい”“会社の力になりたい”と思うのかもしれません。

取材・文/小澤佐知子
撮影/石田健一

Salon Data

店内
店内
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Garland(ガーランド)

可愛くてハッピーオーラ漂うヘアスタイルが得意と言われるサロン。
そのため、ファッション誌やヘアカタログの常連で、おしゃれ女子たちの注目を集めている。現在、一軒家をリノベーションして作られた原宿店と吉祥寺、池袋に各1店舗を経営する他、別ブランドのCIECA.も原宿にある。

http://garland-tokyo.jp/

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