苦手だったカット技術の習得を後押し。転職の機会がくれた思いがけない学びと成長「COA PLUS 立川」大古田あさみさん

最先端の技術と一流のスタイリストが揃い、業界内で確かな存在感を放つサロン「COA」とのコラボレーションにより、2025年7月、東京・立川に新たなサロン「COA PLUS 立川」が誕生しました。

その「COA PLUS 立川」でスタイリストとして活躍しているのが、美容師歴9年目の大古田あさみさんです。前編では美容師になったきっかけや、1社目のサロンへの就職体験について伺いました。

後編では2社目のサロンでの経験や、「COA PLUS 立川」への転職体験について伺います。カットに苦手意識があり、カラーリストとして活躍したいと考えていた大古田さん。2社目のサロンではカラーリストデビューを果たします。

そんな大古田さんの転機となったのが、3社目として「COA PLUS 立川（入社時の所属店舗は「HACCH」）」に入社した際の、代表・橋本さんの「絶対にカットができるようになったほうがいい。練習をすれば必ずできる」というひと言。その言葉に背中を押され、少しずつカット技術を習得していきます。

この転職が、自身のキャリアを大きく変えるきっかけになったそうです。

今回、お話を伺ったのは…

「COA PLUS 立川」スタイリスト

大古田あさみさん

美容専門学校卒業後、2社を経て2024年に「HACCH」に転職。2025年7月には「HACCH」が「COA」とコラボレーションし、オープンさせた「COA PLUS 立川」に異動する。韓国風レイヤー×透明感カラーを得意とし、一瞬で垢抜けるスタイルを提供している。

インスタグラム

念願のカラーリストデビューを果たすも、突然の店舗閉鎖に戸惑い

――2社目に入社後はどんなことを感じられましたか？

大手サロンのセカンドブランドということもあり、技術面ではかなり厳しいと感じました。2社目ではカラーリストとしてのデビューを目指していたのですが、アシスタントとして5年目の経験があるものの、カラーの塗布技術について厳しい指摘を受けることもありました。さらに、そのサロンではブローに高い水準の技術が求められ、基礎から徹底的に指導を受けることになりました。

――カラーリストとしてデビューすることはできましたか。

はい、入社から約2年後にデビューを果たすことができました。しかしその半年後、突然の店舗閉鎖を告げられて。都内の別店舗への異動も可能でしたが、立川で築いたお客様との関係性を大切にしたかったため、異動にはメリットを感じられず…。望まぬ形で、次の転職を考えることになりました。

背中を押されて、カット技術の習得を決意。キャリアの転換点に

――その後、「COA PLUS 立川」に転職することになったのですね。

当時はまだ「COA PLUS 立川」ができておらず、同じ会社が経営する「HACCH」に転職したんです。ただ面接に伺った際にも「COA PLUS 立川」の計画については聞いており、実際入社から1年ほどで「COA PLUS 立川」に異動する形になりました。

――なぜこのサロンを選ばれたのですか？

まず魅力に感じたのは、スタッフに対してさまざまな還元制度がある点です。たとえば、美容師向けの動画学習サイト「HAIRCAMP」を法人契約しており、見放題になる制度がありました。学び続けたいという気持ちが常にあったので、有料の動画を無料で活用できる点はとても魅力的だと感じました。

また、面接時に「来年には、『COA』とのコラボサロン『COA PLUS』を立川に出店予定」と聞いたことも大きな決め手になりました。2社目が大手サロンのセカンドブランドだったこともあり、ヘアショーの観覧やセミナー参加の際に優待を受けられるなど、大手サロンで働くことのメリットを多く感じました。しかし中途採用で大手サロンに入るのは相当大変だと認識していたので、「COA」のコラボサロンに入れるというこんな大きなチャンスはなかなかないと感じたんです。

――「COA PLUS 立川」でも、カラーリストを目指していたのですか？

最初はそのつもりでしたが、代表の橋本から「絶対にカットができるようになった方がいい。練習すれば、必ずできる。君には向いていると思うよ」と声をかけられたんです。その言葉に背中を押されて、挑戦してみることを決めました。

入社当初は、長年苦手意識があったカットを任され、不安やプレッシャーで押しつぶされそうになることもありました。ただいつも心のどこかで感じていた「このままでいいのだろうか」、「周りはどんどんキャリアアップしているのに、自分だけが立ち止まっていていいのか」という迷いを捨てて、ようやく一歩を踏み出せたことには満足を覚えていました。

そして「COA PLUS 立川」ではVRを使った研修なども取り入れているため、現在はカット技術が着実に向上し、自分の自信につながっています。この転職は、間違いなく自分のキャリアにとって大きな転機になったと感じています。

転職に無駄な経験はひとつもない

――転職体験は、大古田さんにとってどんな学びになりましたか？

もし1社だけの経験で終わっていたら、自分の目指す美容師像や、今のように多様な考え方を確立することはできなかったと思います。

「転職＝職歴だけが増える」というマイナスイメージを持つ方もいるかもしれませんが、美容室は全国に約25万件あるといわれています。転職は決して悪い経験ではなく、自分に合った場所を見つける貴重な機会なんだと感じるようになりました。

私はこれまで丁寧なカリキュラムが用意された1社目、大手ならではのセミナーや教育を受けられた2社目、VR教育など最新の学びを取り入れた3社目と、それぞれ違う学びや経験を得てきました。その積み重ねで、自分の引き出しが確実に増えたと実感しています。

――最後にこれから美容師を目指す人へのアドバイスをお願いします。

私はきれいごとは言えないタイプなので正直にお話しすると、美容師の仕事は楽しいことばかりではありません。でも、それ以上にやりがいのある仕事だと思っています。

私のモットーは「お客様の人生に寄り添える美容師になること」なのですが、成人式や七五三、結婚式など、大切な場面に関わらせてもらえるのは、この仕事ならではの魅力です。また、1対1で2〜3時間じっくりお客様と向き合える職業というのは、ほかにはなかなかないと思います。

寄り道や遠回りもたくさんしましたが、私はこの仕事が「天職」だと感じていますし、できることが増えるほどに、さらにやりがいも深まっていると感じます。もし少しでも美容師の仕事に携わってみたいと思う気持ちがあるようでしたら、ぜひ挑戦してみてください！

転職を通して大古田さんが得た３つの学び

1.一見、遠回りに思える経験もすべて糧になる

2.大手サロンへの就職など、思わぬチャンスをつかめる

3．転職はマイナスの体験ではなく、自分に合う場所を見つけるプロセス

これまでに何度か転職を経験してきた大古田さん。なかでも「COA PLUS 立川」への転職は大きな転機となり、その経験を前向きにとらえられるようになったと話します。勇気を出して踏み出した「転職」という一歩が学びや気づきをもたらし、自分自身を成長させてくれる。そんな可能性を改めて感じた取材となりました。