美容業界を変えるフリーランスという働き方『ORO ebisu』
恵比寿駅から徒歩5分のところにある『ORO ebisu』。お話を伺ったのは、OROを経営する株式会社turba代表取締役の大原弘成さんです。長時間労働や低賃金という美容師業界の在り方に疑問を感じた大原さんは、フリーランスという働き方にいち早く注目し、10年前に『ORO ebisu』を立ち上げました。フリーの働き方とはどんなものなのか、また大原さん自身のキャリアについてお話を伺いました。
フリーランスという働き方を世に広めていきたい
――このサロンを立ち上げた経緯をお聞かせください。
「僕は大型店で8年ほど働き、基本的な技術や、サービス、経営についていろいろと学びましたが、もっと稼ぎたい、自分の時間をもっと持ちたいという思いが強く、フリーとして独立しました。その頃はまだ珍しかったのですが、表参道のいわゆる面貸しという業態の店で働きはじめたんです。そしてフリーの働き方を世に浸透させたい、フリーの方をサポートできる体制を作りたいという思いを胸に2年後に独立し、完全自由出勤、完全歩合制のこのお店を立ち上げたんです」
――このサロンの内装はどのようなテーマで作られているのでしょうか?
「フリーランスのサロンということで、お客さまも多種多様な方がいらっしゃるので、どんな方がきても心地よく過ごせるよう、あまり偏ったテーマを作らないようにしています。内装は業者にお願いした部分もありますが、お店に愛着を持ってもらいたいという思いをこめて、壁などはスタッフと一緒に作りました。業者にきれいに作ってもらうのもいいんですが、少し手作り感があったほうが味は出るかなと。僕自身が自分で作り上げていくのが楽しいという思いもあったし、スタッフとの共同作業を楽しみました。2階と6階にフロアがあるのですが、6階はリラックスできる雰囲気にしてゆっくりと過ごしてもらえるよう改装をしていく予定です」
さまざまな生き方を模索するスタッフ
――スタッフの方は全員フリーの方ですか?
「正確には僕を含めた3名の正社員と、24名のフリーの美容師と契約をしています。子育てをしている主婦もいますし、フリーのヘアメイクをしている者や、珍しいところだと飲食店をしながら働いている者もいます。30代から40代くらいのスタッフが多いですね。やはり30歳くらいになって、結婚したい、独立したいという思いが出てきて、その結果フリーになったという人が多いんです。ほかにはこのお店にアシスタントとして入店して、フリーを目指しているスタッフもいますね。本当にさまざまな美容師が集まっているサロンです」
――具体的にフリーの方はどのようなシステムで働いているのでしょうか?
「売上の一部をお店に払うというシステムになっています。予約システムがあるので、予約が入った時点でお店を押さえることができるんです。他にもこのお店に直接くる新規のお客さまもいらっしゃるので、そういったお客さまを担当する契約をしているスタッフもいます。完全歩合制なので、特にノルマ等もなく、スタッフは自分に合った働き方をできていると思います」
――他にも、特徴的な面はありますか?
「スタッフは全員が平等というところでしょうか。一般的なサロンであれば、スタイリストとして長く働いていることや、売上の高さで上下関係に影響を及ぼすと思いますが、そういったものは一切設けないようにしています。経験が浅いから長く働かなくてはいけない、稼げないということはないですし、実力があればいくらでも稼げるのがこのお店の魅力だと思います」
後編では、フリーランスとして安心して働ける『ORO ebisu』の秘密をさらに深く掘り下げていきたいと思います。
salon data
ORO ebisu (オロエビス)
東京都渋谷区恵比寿西1-21-5 OHNO.BLD 2F・6F
03-3770-9409
http://oro.jp.net/ebisu/index.html