トレンドを創る人vol.10  air・木村直人さんの“時代(とき)を読むチカラ”#1

トレンドを創る人 Vol.10 air・木村直人さん “時代(とき)を読むチカラ”#1

シリーズでお届けしてきた『トレンドを創る人』もいよいよ終盤に入りました。満を持して登場するのは、今もっとも有名な美容師といえるair (エアー)執行役員ディレクター、木村直人さんです。
個人で運営する「naotokimura.tokyo」をはじめ、ネット上の会員制コミュニケーションサロン「マルチバース」を主宰。インターネットというツールを駆使して、日々さまざまな発信をしてきた木村さんが、どう時代を読んできたのか、そのほんの一部をお届けします。

ネット時代のカリスマ美容師、誕生

――木村さんがネットを始めたきっかけは何だったんですか?
「きっかけも何も、そこにあったからです(笑)今みたいにデバイス化している時代は、そういう感覚じゃないですか? 10年ぐらい前は美容師さんでまだブログとかSNSとかをやってる人が少なかったですし、僕自身はこうしたツールを使って何か発信できればいいな、という軽い気持ちで始めました」

もともと承認欲求もないし、自分自身を売り込む目的でもなかったと木村さん。

「サロンワークに反映されるためのインターネットやSNSですからね。いろんな話をほぼ毎日書いてアップしていたら、美容業界以外の方とも自然に交流が生まれて、いろんな媒体で書く機会をいただいて。もちろん美容師としての仕事もやりながら、です。

自分自身で高い売り上げ目標を掲げてそれも達成させながら、雑誌の撮影の仕事やヘアショー、セミナーとかもこなしていって、その中で日々思ったことを発信していたら、だんだんにお客さんだけでなく、美容業界以外の人たちに自然と知ってもらったという流れです」

時代の波に“ごく自然に”乗り発信し続けた結果、ブログは月間200万PVを達成、年間1000万人が閲覧するというモンスターメディアに発展しました(プロフィールより引用)。

木村さん

取材を受けながら、スマホを片手に返信を返す姿をキャッチ。Web業界でコンサルティングをしている石川さんによると「1ヶ月で月間200万PVを達成するというのは、企業なら大金をかけるのが普通。個人では10万PV取るのも大変です。それを達成した木村さんは、その過程や考え方、結果を積極的にアウトプット。個人でも、また体力のない企業でもある程度はできそう、そのためにはどうすればいいかという仮説とワクワク感を僕らに与えてくれています」

ネットのプロも脱帽、のスピード感

ここでちょっと、木村さんのネットでの取り組みがどれだけスゴイのか、客観的な意見を知るためにweb業界で活動する方に聞きました。

「木村直人さんの活躍は主にtwitterを通して見ています。考え方がとても参考になるのと、とにかく発想してからの行動力が素早い。“素早く決めて、何かを切り捨てて、大量に行動する力”がスゴイと思っています。

今のwebサイトはパソコンのような大画面とスマホのような小さい画面では、サイトのデザインを変えて制作します。記事の並べ方もメニュー構成も画面の大きさに合わせて変えるのですが、両方をデザインするのは時間や手間がかかる。それでも両方を“なる早で”つくりたいときはどうするか?

どちらかを切り捨てるのです。木村さんは当初“自身のサイトの顧客のほとんどはスマホで見ている”という経験を信じ切って、まずスマホを優先してから後でPCを修正していたように見受けました。普通こんな大胆なことはなかなか恐ろしくてできません(笑)優先順位をつけながら、いらないものは切り捨てて最速で形にしていく。その見極める力が本当にすごいと感じています」(株式会社ブンミャク代表 石川純平さん @sshift_jumpei https://twitter.com/sshift_jumpei

古い考え方が、若い世代のパワーを削ぐ

――(木村さんへのインタビューに戻って)上の世代の美容師さんの中には、SNSが苦手だという人もいますよね。
「苦手なら無理してやる必要はないと思いますよ。やりたいんだったら素直に使えばいいだけのことだし。よくネットを活用している美容師に対して、いつサロンワークするの? と言う人がいますが、僕自身、ちゃんと美容師もやっていますし(笑)サロンワークや雑誌の撮影とかの仕事とSNSを分けて考えたことはないです。

アラフォー世代でも美容をガチガチにやってきたタイプの人たちって、新しいものに対して抵抗感があるのか、SNSとかネットを“別物”として無理に切り分けているような雰囲気を感じるんですよね。そんなギャップに、今の20代後半から30代くらいの美容師さんは違和感を持っているんだと思います。

SNSとかに抵抗感がある世代が逆にそうした若い子たちのパワーを削いでいる部分もあるだろうし、そういう部分は一切シカトして、気にせず自由にやってる若い美容師さんたちは、じつに伸びやかな集客ができていますからね。今って美容業界に限らず、世の中全体が転換期に来ているわけだし、そこで変われないサロンはついえていくだけだと思います」

全部伝えるには、圧倒的に字数が足りない木村さんの金言。次回第二弾は、サロンワーク以外の活動も含めてリポートします。お楽しみに。

木村さん

今年39歳になる木村さん。世代的には「カリスマ美容師Jr.世代」ですが、むしろカリスマ時代を知らない若い美容師さんとのネット上での交流を通して「若い世代の考え方を吸収したり、自分の身にもなる」と語ります。

取材・文/山岸敦子
撮影/内田龍
取材協力/株式会社ブンミャク
https://bun-myaku.jp/

Salon Data

店内
店内

air(エアー)

都内11店舗を展開するトータルビューティサロン。
タレントやモデルからの支持も多く様々な雑誌やコレクションをも手がけている。
木村さんは現在、銀座と青山の店舗を行き来し、サロンワークを行う傍ら、スタッフ教育や多角的な事業展開も視野に入れて活動中。

http://www.air.st/

『オンラインサロン マルチバース』
https://synapse.am/contents/monthly/multiverse

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