腕の見せ所!キューティクルケアでキレイな爪に!
ポリッシュ、ジェル、アクリルなどを塗る前に欠かせない工程がキューティクルケアです。ネイル作業の下準備にあたる段階ですが、リフトなどのトラブルを押さえるだけでなく、爪の健康や衛生状態を保つという面でも重要な作業になります。
ネイリストにとってはキューティクルやルースキューティクルをケアしてキレイなポケットを作っていく一連の流れは、プロとしての腕の見せ所です。ネイル検定などでも非常に重視される工程ですので、うまくできるようになるまで繰り返し訓練しておくことになります。
ルースキューティクルの手入れ方法とは?
ルースキューティクルはいわゆる角化されなかった爪のことで、爪の根元部分から甘皮部分に張り付いて一緒に伸びてきます。一見すると見えにくい部分ですが、プッシャーなどで爪の表面をプッシュアップしていくと、かなりの量のルースキューティクルが爪の表面に張り付いていることがわかります。これをしっかり除去しておかないとカラーやジェルなどが乗りにくくなり、リフトの原因となります。したがってネイルケアの作業工程として欠かせない工程です。
ルースキューティクルを取り除く場合はプレパレーションの段階で作業を行っていくことになります。まずサンディングが終わったらキューティクルクリーム(キューティクル・リムーバー)などを爪の表面に伸ばし、手をお湯につけて適度にふやけさせたのちにしっかり水分を取ります。
そしてプッシャーでルースキューティクルをプッシュアップしていき、サイドラインから甘皮部分にかけて「ポケット」をきれいに作っていきます。ポケットがうまくできたら、そこにたまったルースキューティクルや余分な角質、ささくれなどをニッパーで取り除いていきます。この一連の流れがこのあとのカラーリングやジェルネイルを乗せていくための下準備となります。
プッシャーやニッパーなどの器具を使って作業しますし、うまくできないと手を傷つけてしまう作業なので、十分な訓練を積んでおかなくてはならない工程です。ネイル検定では新米ネイリストにとっての最初にして最大の関門の1つとなっていて、検定やネイリスト協会などでもプロのネイリストに必要とされる技能として特に重視されるところです。
メタルプッシャーの当て方の基本
ルースキューティクルをはがしてポケットを作る作業で使用するのがプッシャーです。プッシャーはメタルプッシャーとセラミックプッシャーの2つがあります。主に使用していくのはメタルプッシャーになりますが、細かい作業や軽いサンディングもできるセラミックプッシャーと併用して使っていくとよいでしょう。
メタルプッシャーは鉛筆を持つように持ちますが、人差し指を使用しないようにしましょう。人差し指が加わると余計な力がかかってしまい、肌や爪を傷つけてしまう恐れがあります。くれぐれも力を入れないように軽く持って作業していかなければなりません。
メタルプッシャーは最初に先端に水をつけてからキューティクルラインに沿ってゆっくり前後に動かしていきます。作業前にエタノールなどを吹きかけておいても構いません。除菌効果もあり、キューティクルが上がりやすくなります。ジェルネイル前の段階なので水分をつけたくないという場合はキューティクル・リムーバーを使用してもよいでしょう。
いずれにせよキューティクルを取り除きやすいように柔らかくしておく必要があります。 角度はネイルプレートに対して45度の角度で、キューティクルのギリギリ部分は75度をイメージしてやわらかく当てていきましょう。角度はとても重要で、立てすぎるとネイルプレートを削ってしまいますし、寝かせすぎるとプッシャーが奥まで入り過ぎてしまって出血などの原因となります。動かし方も必ず前後に動かすことを心がけましょう。左右に動かすと爪や皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。
ここがポイント!ニッパーのハンドリング
ルースキューティクルがポケットにたまってきたら、いよいよニッパーを使って掻き出していきます。ニッパーワークは苦手としている方が多く、ネイリストを目指す方にとっては大きな関門となっています。プロを目指す方だけでなくプロのネイリストの方であっても、時には初心に帰って基本的なところをしっかり押さえておきましょう。
まずガーゼを親指に巻き、2回折り込んだら余った部分を小指などに巻き付けて握るように持ちます。余った生地部分がテーブルにつかないように注意しましょう。そしてニッパーを軽く握り、親指がスプリングの上あたりに来るように持ちます。人差し指と中指は添えるだけで刃先の開閉は薬指と小指でコントロールするようにしましょう。
ガーゼでクリーンナップして余分なルースキューティクルを除き、サイドウォールからニッパーを当てていきます。この時、ニッパーを持っていない方の手で指を支えるのがポイントです。親指で指の左側、中指で指の右側を挟み込み、支えとなる指でスキンダウンをしつつ同時にニッパーの刃先を支えます。こうすることで安定してニッパーを開閉させることができます。
サイドからはじめてコーナー部分に差し掛かったら、刃先の向きをくるっとキューティクルの方向へ向けます。爪の内側にニッパーを倒すような感じです。親指で支えている左側も同様に行っていきます。
キューティクルケアでの注意点
ニッパーやプッシャーを使うときは、正しい持ち方を心がけるようにしましょう。プッシャーは角度と力加減に注意して使っていくことが大切です。ニッパーワークを苦手としているネイリストさんも多いのですが、プッシュアップを丁寧に行っていくことでニッパーワークが非常にスムーズになります。
プッシャーは意外と手入れが行き届かず、何年も同じものを使用している方も見受けられます。プッシャーも使用頻度が高くなってくると摩耗していきますので、定期的に研いだりしてメンテナンスしておくことが大事です。
ニッパーも正しい持ち方で使用することが大切です。器具としてのメンテナンスを怠らないことが非常に重要なポイント。施術中にウェットステリライザーに入れておくときはコットンをしっかり敷いて刃先がエタノールにつかるようにしましょう。コットンが薄いとニッパーを戻すときに刃先を傷めてしまいます。長時間エタノールに浸して置いたままにするとサビの原因になりますので保管管理をしっかりしておかなければなりません。
作業では一度で無理やり全部のルースキューティクルを取ろうとし、プッシャーを当てすぎて爪を傷めないように注意しましょう。指の乾燥状態によっては2回に分けて作業をするなどの工夫が必要になります。ニッパーワークではあくまでも余分なルースキューティクルを取り除くことを心がけ、スキンアップを欠かさず甘皮や皮膚を傷つけないように作業を行うことが重要です。
たくさん訓練することが上達への近道!
ニッパーワークはネイリストにとって非常に繊細な作業工程で、安全で正確に、きれいに仕上げられるようになるには練習を積むしかありません。練習量を積めば誰でも正確にキューティクルケアをできるようになりますので、技術に不安があるという場合はしっかり訓練を積んでおきましょう。
検定やネイルスクールの課題となることも多いですが、課題をこなすために適当に練習していては将来的に現場で困ることになります。プロのネイリストにしかうまくできない技術の1つですので、苦手意識がなくなるまでひたすら練習あるのみです。 練習では実際の人の爪を使った方がよいので、友達や家族などにお願いしてモデルになってもらいましょう。ネイリストを目指す方は彼氏にモデルをしてもらう方が多いようです。親しい人ならば痛いかどうかなどを遠慮なく聞けますし、多少失敗しても大目に見てもらえます。ただモデルの指を傷つけたりしないように、くれぐれも雑な施術にならないように注意しましょう。
施術の最中や施術後にいろいろ質問や感想を聞いておくと、技術的な改善点を見出すことができます。また同じ人だけでなく複数の人にモデルとなってもらうことができれば、それぞれの爪のコンディションや形による違いなどを体感できるので、ネイルケアの訓練としてはうってつけです。爪の乾燥状態や肌質などを見て、臨機応変に最適な方法を判断していくことはネイルケアにとって最も大切なことなので、普段からいろいろな爪に触れておくことが重要です。