さまざまな可能性を柔軟に模索しながら前へ前へと進みたい『asterisk』
長らく在籍していたスタッフが少し前に退職し、現在は1人でお店に立っている神谷さん。新たなスタッフを募集している最中であり、将来的にはもう1店舗増やして2店舗体制にするビジョンを描いているとのこと。「スタッフの採用に関しては意欲と人物重視ですが、やはり私とは違う感性を持っている方と一緒に働きたいですよね。いち美容師として、お互いに刺激を受け合える関係が理想です」と瞳を輝かせる神谷さん。後半では、これから美容師を目指す若手へのアドバイスや、抱いている夢についてざっくばらんに語っていただきました。
人は「出会い」によって生かされていると思う――
――神谷さんは美容師として活躍されて今年で20年目になるそうですが、これまでの歩みを振り返ってみて改めて今思うことはありますか?
「長かったような、あっという間だったような…(笑)。でも私、一つだけ自慢できることがあるとすれば、人にだけは本当に恵まれているんです。これまでにスタッフとしてお世話になった各店舗のオーナーの方々、色々なことを教えてくださった先輩、共に技術を競い合った同期や後輩、憧れの地・英国ロンドンで出会った多くの方々、そして私に信頼を寄せてくださるお客様――。そのどれか一つが欠けていても今の私はありませんし、一つひとつの出会いが、まさにかけがえのない財産です。これから先も多くの方々との出会いがあるでしょうし、ひょっとすると方向性を大きく変えるような節目となる出会いがあるかも知れません。いずれにせよ、人はさまざまな出会いによって生かされているのだと、これまでの自分の歩みを通じて改めて実感しています」
「計画しすぎない」方がかえって良い場合もある――
――美容師を目指している若手の皆さんに対して、メッセージやアドバイスがありましたら是非お願いします!
「華やかなイメージが先行しがちな業界ですが、“甘くはない”ってことは確かですね。って、ちょっと意地悪な言い方かな(笑)。でも自分の腕だけで食べていける、そして多くの人に感謝されるという意味では、こんなに魅力のある仕事もなかなかないと思いますね。ですから少々つらいことがあっても挫けずに、とにかく継続することが一番大切!ひたむきに頑張っている姿って、心配しなくても誰かがちゃんと見てくれていて、困った時は力になってくれますから。それから夢や目標を持つことは素晴らしいことですが、私の経験からすると“あまり細かく計画を立てすぎない”方が良いと思います。筋書き通りにいかないことの方が圧倒的に多いですし、一歩つまずいただけで身動きが取れなくなる…なんて事態に陥ってしまう危険性もありますから。『ゴールだけしっかり決めておいて、プロセスは柔軟に!」というのが理想的ですよね。今だから笑って話せますけど、私が渡英した時なんて、実はその晩のホテルしか決めてなかったんですよ(笑)。それでもね、けっこう何とかなるものなんです。
――具体的に描いている今後のビジョンなどがあれば、最後にぜひ聞かせてください
「実現できるかどうかは分かりませんが、企業がやるM&Aの美容室バージョンみたいなことができれば良いな、と仲間と話すことはありますね。スタイルや考え方の似ている小さな美容院が何店舗が集まって、中規模クラスのサロンをオープンさせる、みたいな!そうすればサービス内容もおのずと濃くなりますし、“1+1+1=3”じゃなく、5にも10にもできるんじゃないかって思ったりしています。いずれにせよ、これからも色々な可能性を柔軟に模索しながら、前へ前へ進んでいきたいと決意を新たにしています」