行けない理由がある人も来られる店作り『arbre hair design』
医療美容の充実だけでなく、トップケアリストの資格など様々な技術を有するスタッフが揃うarbre。髪の悩みはもちろん、例えば赤ちゃんがいて美容室に足を運びにくいゲストでも快適に過ごせる工夫など、お店の随所にゲストを想う多彩なアイデアが散りばめられています。
個室風ブースでゆったり施術
――店内奥のスペースにカーテンで仕切られたコーナーがありますが、あそこはどういった空間なのでしょう。
「あのブースは他のお客様の目を気にされる方や、お子さんと一緒のお客様のための空間です。中にはシャンプー代とカットスペース、ベビーチェア、トイレまでがあり、お会計ももちろんその中で済ませられます。あえて完全個室ではなくカーテンで仕切るようにしているのは、ブースを利用されるお客様に疎外感を与えないため。医療美容で来られているお客様には、通常のおしゃれなサロンで施術を受けたいという声をよく聞きます。しかし人目は気になる。だからこそ同じ空間内でも心地よく過ごせることを考慮しカーテンにしました。美容室に来るのをためらう人でも来店しやすく居心地よく過ごせる場所でありたいので、ブースの配置などにもこだわりましたね。また、すべてのシャンプー台に、お客様の首や腰への負担が最も軽いとされる“YUME”という設備を導入しています。これはゲストの快適性はもちろんですが、美容師も座った状態でシャンプーが行えるので腰に負担がかかりにくい仕様になっていて、働く側の負担軽減も考慮して選んだものとなっています。」
高い技術をキープするための秘訣
――設備はもとより、スタイリストの技術向上にも力を入れていると伺いましたが具体的にどのようなレッスンをされていますか？
「当店の特殊技術にフェザータッチというものがあり、これはコームなどの道具を使い分けることで髪へ与えるダメージを最小限に抑える技術です。こういった技術の習得だけでなく、通常はアシスタント期間にのみテストされるシャンプーなども日常的に見直しを実施し、スタイリストになってからも基本の技術を常に向上させる他、スタイリストにはイギリスが発行している国際的な美容師免許の取得やオージュアソムリエと呼ばれるトップケアリスト資格の取得も推奨しています。カットだけでなく髪そのものから美しくする、さらに言えば、予防美容で頭皮や肌から健康にすることが当店の理想。そのためレッスンや勉強に割く時間は増えますが、それがお客様のプラスになってその結果として喜んでいただけるので、スタッフもやりがいを感じてくれています。」
他のサロンとの情報交換や勉強会も
――医療美容に関連した他のサロンとの交流もあるそうですが？
「そうですね。横のつながりを生かして積極的に情報交換をしています。医療美容分野では一般美容とは異なり医学的な知識なども必要になるので、勉強会も欠かせませんね。日本で医療美容の団体が設立されて7年ほどですが、今後医療美容がより浸透し、髪に悩みを持つ方をたくさん笑顔にできればと思っています。当店ではヘアドネーションも実施していますが、こういった取り組みが業界全体に広がることを願っています。」
利益よりもゲストの笑顔を追求するというのは実際に店を運営するとなると難しいもの。しかしながらそれを実行に移して日々努力を続けるarbreは、まさに地域に根ざして大きく成長する「木」のようです。店名の「arbre：木」そのままに伸ばした枝葉の下に様々な人が集って憩う空間として、今後はさらに大きく枝を伸ばし年輪を重ねるのではないでしょうか。
Salon Data
arbre hair design
住所：〒540-0005 大阪府大阪市中央区上町1-25-2 清ビル1F
TEL：06-6768-5622
HP：https://www.arbrehairdesign.com/
twitter：@arbreSTAFF
オーナー SHOZO WATANABEさん
大阪出身。ランブス医療美容認定協会理事。美容師として20年のキャリアをもち、大阪市内の美容専門学校で10年にわたって教鞭を取った経験も。現在はオーナーとして様々なイベント企画やデザインを手掛けるなど、サロン運営を中心に活躍。
