美容が好きだからこそ。がんばりたい人が続けられるサロンに『Henri』
竹下通りからも近い原宿のサロン『Henri』。2フロアを使った広々としたスペースにはアンティークの家具が配置され、落ち着いた空間を作り出しています。今回は、代表の森戸淳二さんに、働き方や今後の目標などについてお話を伺いました。
美容の仕事が好き。そんな人たちにチャンスを与えたい
――前編の最後で、全員の売上を一定レベルまで上げることができているとおっしゃっていましたが、それはなぜでしょうか。
「何より本人のがんばりたいという気持ちがあるからこそです。“なりたい自分”や“やりたい働き方”があるなら、チャンスを与えることができます」
――前編で話されていた“若い人の働き方を充実させるという理念”とも関係ありそうですね。
「専門学校に入った瞬間、そこは美容師になろうとしている人だけが集まっています。この仕事はやればやるほど、続ければ続けるほどに自分のモノになる仕事。また、続けるも辞めるも自由な環境なのです。私はこの仕事を好きと思っている人たちが、ずっと食べていける状態になれば、そんな幸せなことはないと思っています。才能がある人が残るのではなく、美容の仕事が大好きと言う人が残っていく環境にしたいのです」
女性ならではのキャリアも考え、若いころからいろいろな経験を
――2Fと3Fという2フロアがありますが、これは使い分けされているのでしょうか。
「立場が違うフリーランスと正社員の間での衝突を避けるためにもフロアを分けて使っています。フリーランスという働き方は、型にはめられるとパフォーマンスが発揮できないタイプの人にとって、より自分の力を出すことができる雇用形態です。たとえば結婚出産などを経て、フリーランスになる人もいます。ただし、最初からフリーのスタイリストを入れているのではなく、一度はこのサロンのスタイリストとして雇用した後、フリーランスも選べるようにしています。フロアを分けたのは、立場の違う、そして目指すものが違う人間が一緒のフロアで働くよりも、それぞれ場所を変えることで目線が変わるためです。フロアを分けたことで、仕事全体についても成果を発揮していると感じています」
――もし、スタッフの方が独立したいといったら、どのようなアドバイスをされていますか。
「もしこのお店のエリアで自立していくなら、まずは売上200万を目指そうと言っています。たとえば、カット7,000円くらいと設定しても、ひとりで200万円はあげ続けることができません。分業が必要になってきます。若いうちに、まずフリーランスとなって、人を使ったり、教わったり、教えたりすることは、美容スキルと同じくらい大切な経験となります。なぜならフリーということは、プチ独立と同じ。雇用されているときとはステージが変わるのです。それに女性にとっての若いときの5年は男性の5年とは違います」
――男性と女性で違うのですか？
「職業柄、子育てをしながら、出産前と同じように1日10人のお客さまを相手にすることはできません。3日に1人、1日に1人でも仕事し続けられるところに価値や可能性を求めるようになります。だからこそ、女の子は、早いうちにいろいろな経験をさせようと意識していますね。個人差はありますが、20代のうちにひと通りの経験はさせたいと思っています」
がんばりたい人ががんばり続けられるお店を目指して
――美容の仕事が好きな人に対する思いが伝わってきました。今後、どのようなことを大切にしながら、サロンづくりをしていきたいと考えていますか。
「お客さまにとって、我々美容師は“特別な第三者”です。髪をカットしたりカラーをしたりすることで、気分が変わる場所。お客さまの“特別な第三者”になることを目指すことができれば、きっとみんながハッピーになるんじゃないかと最近考えています。というのも、この20数年、私がカワイイやカッコイイを目指してきたなかで、置き去りにしてきてしまったので、今こそ大切にしたい部分です」
――今後については、どのような展開を考えていますか。
「責任者になれるような人を、私が育てれば、新しいステージをいくつも考えています。できればスタイリスト全員の売上をアップしつつ、彼らが自信をもって仕事に取り組め、それぞれの目標を目指し続ける。そんなお店を作り続けたいですね。がんばりたい人に対して結果を残させたいと、いつも思っています」
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Salon Data
Henri
住所：〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3-24-6 荒井ビル 3F & 2F
TEL：03-6459-2677
http://www.henri-77.com/
