共通点はデザインをすること『RUCCA』
トップスタイリストとして、またビジネスマンとしてもいかんなくその手腕を発揮する経営者として知られる「RUCCA」代表の筒井さん。その活躍は多岐にわたり、今後はヘア、ネイル、ボディに加え、ライフスタイルをも含めた提案を行えるショップ展開を構想中だとか。将来的にさらにヘアサロンの新たな道を形作ろうとするその意図はどこにあるのでしょう。
進学校から美容の道を選んだ転機
――筒井さんは元々大阪でも有数の工業高校で学ばれ、大学進学の推薦もほぼ決まっていた中で美容師の道に舵を切ったのはなぜですか？
「建築デザイナーに憧れて専門的な学びができる高校へ進学し、高校3年の進路を決めるギリギリまでは普通に大学進学を予定していました。僕の母校は国公立大学の工学部に推薦枠があるのですが、そこに決まりかけていた時に、進学先のカリキュラムでは僕がイメージするデザイナーにはなれないと感じたんです。一旦そこで思い描いていた進路を白紙にし、では自分は他に何が好きなんだろうと考えた時に、美容師の叔父の影響で高校生の頃から見よう見まねでしていた友人のカットを、楽しんでいたことに気づきました。そこから思い切って進路を変更し、美容専門学校へ進んだのです。ただ、やるからには将来的なことも見据えて学びたい方なので、在学中からヘアショーなどのイベントに携わるなど、経営の勉強も含めてその頃からやっていましたね。実は今もまだ店舗デザインに興味があるので、自身の店でそういったアイデアを形にしていければと思っています」
これからはアウトプットの時期
――すでに大阪の北浜エリアに新店舗を展開する構想がおありと伺いましたが？
「北浜の店は一応来年の夏を目処にオープンを予定しています。新店舗では“ジャパニーズビューティー”をテーマに、日本茶を出すカフェも併設できればと構想中で、今後はそこから美と健康、さらにはライフスタイルも発信できるような空間にできればなと。RUCCAも来年の4月で9年を迎えることもあり、そろそろ今までインプットし蓄積してきたものをアウトプットしていく時期に差し掛かっているように感じています。というのも、最近になってようやく人材に関する部分が完成されつつあるので、経営という面だけでなく、スタッフに対しても新たにチャレンジングなプロジェクトを提供できるのではないかと思うのです。僕自身マンネリが苦手なので、準備をした上で変化を続けていきたいタイプ。軸はブラさずに変わり続けることで、お客様にとっても生涯飽きずに通える店でありたいです」
ホリスティックビューティーも視野に
――北浜に開店予定のお店以外にも、何か構想中のプロジェクトはありますか？
「健康と美容に関するプロダクトを集めたECサイトノセレクトショップや、エステサロンのコンサルティング、それらに携わる専門家の育成など、いろいろなことを考えています。現在はRUCCAの食に対する取り組みがお客様にも浸透しつつあるので、滋賀県で畑をする構想もありますし、ライフスタイルという観点から寝具や生活の悩みをサポートできるような、いわばホリスティックビューティーと呼ばれる医療の一歩手前のサービスも提供できるようにしていきたいですね。僕のモットーが創意工夫をして新しい形を作り続けていくことなので、一気に全部は難しくても着実に実現していければと思っています」
具体的な将来の構想に向けてすでに動き出している筒井さんですが、その根底にあるのは“健康で美しく日々を暮らしてほしい“という想い。今までのトータルビューティーサロンを超え、さらに一歩前進した新しいサロンを仕掛けるという将来のヴィジョンは、着々と形になっていくことでしょう。
Profile
筒井雅裕さん
代表取締役
大阪出身。店舗などを手掛ける建築デザイナーに憧れつつも、叔父の影響もあり高校3年の時に美容師の道に進むことを決意。ヘアサロンを軸にしつつも、美と健康をサポートする活動に積極的に取り組むほか、ボランティアとして施設でのカットなどにも参加。
