美容師の目標の1つは店長!よい店長になるために知っておきたいポイント
美容師として働いている人の中には、店長になることを目指している人もいるでしょう。また、店長に昇格したことを告げられて「店長って何をすればよいのだろう」と不安と焦りを感じている人もいるかもしれません。店長は店舗運営の責任者です。やるべき仕事も責任もそのほかのスタッフとは違ってきます。そこで、店長になる年齢や店長の仕事内容についてご紹介します。また、よい店長になるためにはどうすればよいかといったことについてもお伝えします。
どんな店長を目指すべき?
ヘアサロンの店長は店舗のリーダーであり、店舗マネジメントの責任者です。店舗のマネジメントには、顧客満足度向上だけでなく、美容師スタッフの管理や育成も含まれます。店長がやるべきことは多岐にわたりますので大変な仕事ではありますが、店長の考え方や価値観によって店舗運営が大きく変わる余地がありますのでやりがいがある仕事だといえます。
店長として仕事をしていく場合、どんな店長になるべきか迷う人もいるでしょう。迷ったときは、店長の役割を再認識することから始めましょう。店長の役割は大きく分けると3つあります。日々の店舗運営と顧客満足度向上、そして人材育成です。このうち日々の店舗運営は、運営する人が変わっても店舗のオペレーションそのものはそれほど大きな差が出る部分とはいえないでしょう。人が違うことによって大きな差となる部分は顧客満足度向上と人材育成だといわれています。よい店長になるためにはこの2つの役割に注目することが大切になります。
長く経営を続けているヘアサロンや成功している店長から学ぶことも大切です。ヘアサロン経営に成功している店長に共通しているのは顧客に対する姿勢だといわれています。顧客満足度向上においては店長自らがどれだけ顧客のことを真剣に考えているかが問われるということでしょう。また、店長自らは、働いているスタッフの美容師の仕事がやりやすいように環境を整える黒子に徹し、顧客第一やスキル向上の大切さを浸透させることに注力するといったタイプの店長も成功事例が多いといわれています。
「どんな店長を目指すべき」という問いに対する答えは自分で見つけるしかないでしょう。「こんな店長を目指すべき」というのは他人の意見ですし、すべての店長に適したものというわけにはいきません。なるべき店長像を学ぶことも大切ですが、自分の特徴や人間性を活かしたそれぞれのリーダー像を見つけることが大切だといえます。
店長になるのは何歳ぐらい?
美容師として努めている店舗で店長になることを目標にしている人もいれば、独立開業してオーナー店長になることを目指している人もいるでしょう。ほかのヘアサロンなどで自分より若い店長をみかけたら「自分も早く店長になりたい」と感じるかもしれません。しかし、店長としての役割を果たすためには自分にその役割を果たせる実力がついていなければいけません。入店して見習い期間のアシスタントを務め、スタイリストになって経験を積みその後にやっとなれるのが店長です。ヘアカットなどのスキルだけでなく、店舗運営や人材育成の能力も問われることになります。そういった意味では店長には年齢は関係ないともいえるでしょう。
それでも店長に昇進できるのはだいたいどのぐらいの年齢なのかについて参考までに知っておくことは目標設定などの役に立ちます。ヘアサロンの規模によっても違いがあり、大手のヘアサロンやチェーン店などでは30代で店長になっている人も多く、20代で店長になっている人も珍しくありません。一方、30代後半から50代になって店長になるという人もいます。このタイプは独立してヘアサロンを開業した人に多いです。経営ノウハウの蓄積や開業資金の確保など開業準備が整うまでスタイリストとして修業し、その後に独立して店長となるパターンの場合は20代で開業いうわけにはいかず30代後半以降になるというケースが多いです。この場合でも、開業前に努めているヘアサロンで店長を経験できれば開業後に役に立つでしょう。
店長の仕事内容は多岐にわたる
店長になるためには、店長がどんな仕事をするのかを理解しておく必要があります。店長は店舗の責任者です。呼び名は店長ではなくマネージャーと呼ばれることもあります。店長の仕事を一言で表すとすると店舗の運営ということになります。
サロンとして提供しているヘアカットやヘアトリートメントなどのサービスメニューと料金を設定します。高品質のサービスになるように質の向上も図ります。サービスを提供するのはスタッフである美容師なので、スタッフの人材育成も重要な仕事となります。人材育成にあたってはサロンの経営方針の徹底をしたうえで技術力向上などの指導を行います。店長自らスタイリストとして顧客対応をすることもあるでしょう。さらに、集客や顧客管理も大切な店長の仕事になります。ポイントカードやクーポン券、ニュースレター、フリーペーパーなどの紙媒体を活用したり、ホームページやブログ、インスタグラムなどのネットツールを活用したりして効果的に集客します。新規顧客の獲得とリピートの確保の両方を実現していくことも店長の重要な役割です。もちろん、予約を受けて美容師を確保するスケジュール管理も行います。
店長のやるべきことを挙げていくと膨大な量の仕事をこなさなくてはいけないことがわかります。ただし、これらの仕事はすべて店長自ら行わなければいけないというものではありません。スケジュール管理は美容師が分担してそれぞれが行ってもよいでしょう。人材育成も先輩美容師が後輩美容師を育成するという体制で進めても問題ありません。店長としてやるべき重要なことは、サロン経営の大きな方針を立ててそれに向けて進めていくこととサロンの雰囲気を作り上げていくことでしょう。店長の人間性がサロンに反映されるといっても過言ではありません。こんなサロンにしたいという強い思いを持って実現させるのが店長の重要な仕事です。
よい店長になるために気を付けるべきこと
店長になった人は「よい店長になりたい」と思うものです。しかし、よい店長とはどんな店長かがよくわからないという人は多いのではないでしょうか。例えば、スタッフから「よい店長だ」と思われることを優先して行動をしていると、店長としての軸がぶれてスタッフにこびてしまう可能性があります。また、顧客第一を実行できるのがよい店長だという考えが行き過ぎるとスタッフへの待遇が悪くなることもありえます。どんな店長が良い店長かを定義するのはなかなか難しいといえるでしょう。そこでおすすめなのが、よい店長になるために「悪い店長・嫌な店長」を反面教師にするという方法です。
悪い店長・嫌な店長の主な特徴を6つご紹介します。1つ目は機嫌の悪さが顔に出ることです。イライラしていて不機嫌な店長と仕事をしたいと思う人はいないでしょう。2つ目は自分勝手にルールを作ることです。店長自身がやりたくないために作ったルールなど大義のないルールについてはスタッフから簡単に見抜かれてしまいます。
3つ目は来客がない時間中ずっとパソコンをいじっていることです。一見すると、問題なさそうに見える行動ですが、余裕がある時間帯にスタッフとのコミュニケーションを積極的にとらないことがスタッフの不満につながる可能性があります。また、パソコンで何をしているのだろうと不信感を持たれる原因にもなります。4つ目はやたら外出することです。さぼっているように見えるということでしょう。外出時にはスタッフに行先や目的を告げることが信頼につながります。5つ目は休みを与えないなどスタッフに過酷な労働を強いることです。スタッフを消耗品のように扱う姿勢では信頼は得られません。
6つ目は公平さに欠ける評価や行動をすることです。特定のスタッフや顧客をえこひいきすると信頼を失うことになるでしょう。これらのポイントに気を付けることでよい店長に近づけるはずです。