ヘアアレンジ以外の投稿が大バズり!再生回数397万回を突破【フリーランス美容師 ERIKOさん】#2
現在、SNS総フォロワー数30万人を抱えるフリーランス美容師のERIKOさん。美容師の仕事以外にも、洋服のプロデュースや講師なども務めています。活動の幅が広がったのは、やはりInstagramによるものなのでしょうか。
前編では、サロン時代に集客のために活用していたInstagramについて詳しくお聞きしました。後編となる今回は、フリーランスになってから始めたYouTubeでヘアアレンジではない投稿でバズったYouTubeの投稿やどのような経緯で仕事の幅を広げていったのかについて伺います。
お話を伺ったのは…
フリーランス美容師 ERIKOさん
高校生の頃より、「好きなことを仕事にしたい」という思いから美容師を志す。専門学校卒業後は、恵比寿にあるサロンに就職。アシスタントとして勤務しながらInstagramに注力し、デビュー時にはなんと5万人ものフォロワーが。その後、フリーランスへ転身し、現在は美容師としての活動以外にファッションブランドを立ち上げ、自身でプロデュースを行う他、講師、ヘアアレンジの監修など幅広く活動の場を広げている。
Instagram:@___er_5m
再生回数397万回!ヘアアレンジ以外の動画でまさかの大バズり
――YouTubeはどんな経緯で始めたのですか?
サロン勤務時にYouTuberに憧れてチャンネルを作っていましたが、Instagramの集客やサロン勤務で忙しく、長い間手をつけられていないまま放置していました。
本格的に始めたのは、3年前にコロナ禍になった時。その頃はすでにフリーランスになっていて、自粛期間ということで1ヶ月半お休みしていたんですね。手持ち無沙汰な状態が続き、何かしたいなと考えていたら、「そういえば!」と思い出して。
――どんな投稿をしていましたか?
内容はInstagram同様、ヘアアレンジを中心にしています。YouTubeはInstagramと違って、動画の尺が長めにとれますから、Instagramでは伝えられない細かいテクニックを紹介していました。
Instagramは毎日投稿することにこだわっていましたが、毎日投稿するのは時間の確保が難しかったので、YouTubeはだいたい週に3本のヘアアレンジ動画を投稿していましたね。
――やはり、ヘアアレンジ動画がバズってチャンネル登録者数が増えたのですか?
いえ、それがヘアアレンジではなく、「小顔マッサージ」がきっかけで増えました(笑)。
――ヘアアレンジではなく「小顔マッサージ」…投稿した経緯は?
Instagramのストーリーズでフォロワーに「どんな投稿をみたいですか?」とアンケートしたところ、私が普段行っているマッサージを見たいというお声が多数あって…。アレンジも繰り返しみることがあると思いますが、マッサージとかストレッチ・筋トレ動画って覚えるまで見続けるし、プロセスの一部を忘れて見直すこともあるじゃないですか。それで、再生回数もずっと高いままでキープできているようなんです(笑)。
狙っていたわけではなかったんですが…美容師の投稿が9割ヘアケアの中、それに縛られず、美容に関してオールマイティに発信することで他の方と差別化を図れたことは結果的によかったなと思ってますね。
――いずれにせよ、ニーズに合わせた投稿で好評を得ているとお見受けしました。今後はどんな投稿を目指していますか?
現在考えているのは、ヘアアレンジだけに縛られずに美容面をさらに強化していきたいと考えています。最近、Instagram同様にプライベートのことや、美容師以外に洋服のプロデュースを行っている影響でファッションに関する投稿が多くなってしまっているので…。もっとトータル的に美容について発信していけるようにと思っています。初心にかえり、ヘアアレンジはもちろん、ヘアケア以外の美容ケアなども展開できたらいいなと。さまざまな情報をたくさん発信することも大切だと思いますが、内容が多岐にわたってしまうとアカウントの目的がわかりにくく、ブレてしまうと思ったんです。なので、美容という軸は固めようと考えました。
SNSで注目を集め、新しい事業の実現
――洋服のプロデュースはInstagramやYouTubeなどのSNSによって実現したものですか?
洋服は以前から挑戦してみたいことでした。友人に相談したところ、インフルエンサーを中心に、洋服のプロデュースを手がける会社を紹介してもらえたんです。こちらがデザインしたものを反映し、洋服を作成いただいて…という流れ。洋服が好きなのでとても楽しくやらせてもらっていますね。
――他にも講師やヘアアレンジの監修など行っていると伺いました。
講師は、母校である東京ベルエポック美容専門学校で何度か頼まれてやっていました。私、人に教えるのが好きで、専門学生の頃から講師に憧れていたんです。お声がけいただいた時は、嬉しかったですね。講義内容は、SNSの運営についてやヘアアレンジのテクニックなどが中心になっています。
監修は、ヘアアレンジそのものを…というよりは、企業様が販売しているヘアケア製品のアイテム監修を依頼されることが多いですね。例えば、ドライヤーは「こんな風にして使うと髪にいいです」という例を挙げて商品の魅力を伝えるようなイメージです。
やはりDMからご連絡いただいて…という流れが多いので、SNSの影響力は大きいと感じました。
自由に働きながら、フォロワーとの関係も深めていきたい
――美容師にとどまらず、ご自身が好きなことも実現できているようですね。フリーランスとしての活動を始めたのは、美容師以外の仕事も視野に入れていたからですか?
いえ、当時はそこまで考えていませんでした。サロン勤めだと、ひとりに長い時間をかけることがどうしても難しい。ましてや以前勤めていたサロンは後輩がいなく、自分のお客様+先輩のお客様の助手も務めていて手が回らない状態だったんです。そこで、もっとお客様に一対一で丁寧に施術する環境にしたいと考え、フリーランスになりました。
結果的にInstagramによって、活動の幅が広がったのでどちらにせよ良かったと感じますし、今の方が拘束されない分、自由に時間がとれて効率的に活動できているので自分に合った働き方だと実感しています。
――自分らしい働き方が実現しているようですね。今後の目標を教えてください。
本業である美容師を軸にしながら、コロナ禍が落ち着いたらヘアアレンジのイベントなどを開催して、フォロワーさんと実際に交流できる場を設けたいですね。そして、SNSにももう少し力を入れて、自分にしかできないようなコンテンツを増やしていきたいです。
仕事の幅が広がるSNS運営をする3つのコツ
1.ニーズに合わせた投稿を心がける
2.美容軸はそのまま、自分が興味のあるヘアアレンジ以外の投稿にも力を入れる
3.横のつながりを大事にし、意志の発信などアプローチを忘れない
自分らしく働くことを大事にしているERIKOさん。自由に思い描く理想に近づくために努力することを教えてくれました。今後の活躍も見逃せませんね。
取材・文/東菜々(レ・キャトル)
撮影/喜多 二三雄