美容師の自己PR例文を新卒・転職者別に紹介|自己分析の方法とポイント
美容師の採用面接を受ける際、履歴書には自己PR文を書きます。採用担当者が注目する項目であるため、しっかりとポイントをおさえておかなければなりません。
今回は、主に美容学生向けの内容です。自己PR文の書き方や自己分析の方法とあわせて、例文も紹介しますので、参考にしてください。
履歴書に自己PRを書くときのポイント
履歴書に書く自己PRは、自分自身のアピールポイントを記入するもので、書類選考や面接において採用を左右する重要な項目のひとつです。自己PRを書くとき、具体的にどんなことに気をつけたらよいか、ポイントを紹介します。
自分の長所を伝える|自己分析が重要
自己PRを書くうえで重要なことは、自己分析です。自分の長所と短所をきちんと把握し、自己PRでは長所を伝えます。
自己分析をせず記入すると、文章や面接で話す内容に矛盾が生じたり説得力に欠けたりしやすいため、履歴書を書き始める前にしっかりとおこないましょう。
自己分析の方法についてはのちほど詳しく紹介します。
長所に関連するエピソードと結果を伝える|説得力を持たせる
長所について書く際、下記の順番で文章を作成すると説得力のある内容になります。
「長所+長所に関連するエピソード+長所によって得られた結果」
書き出しで、「私の長所は、〇〇です。」と述べておくと、その後の文章も理解が得られやすいでしょう。エピソードや結果は、長所を裏付ける大切な項目であるため、事実を具体的に書くことが大切です。
美容師としてどう貢献したいか伝える|将来像を明確にする
長所について述べたあと、その長所がどう活かせるのかを含めて、美容師としてどのように貢献したいかを伝えます。将来像を明確にしておくことで評価につながるでしょう。
自己分析の目的と方法|自分史を作ろう
ここからは、自己分析の目的と方法について解説します。自己分析は、過去の自分を振り返りながら、「自分史」を作りましょう。
自己分析の目的|長所・短所を理解する
自己分析とは、簡単にいえば「自分と正しく向き合うこと」です。自己分析に成功すれば、客観的に自分のことが分かります。どんなことを得意として、美容院に貢献できるのかを伝えられるようになるでしょう。また、長所のみならず短所もはっきりするのが自己分析のメリットです。
自分の長所と短所を勘違いしていて、得意でもない要素をアピールしてしまうと面接で矛盾が生じます。面接官からもよく思われないので、自己分析をしっかり踏まえておく必要があるのです。
自己分析のやり方
「自分史」を使った自己分析のやり方を紹介します。次表のようなフォーマットを作り、空欄を埋めていきましょう。記入することは、自分や自分の身の回りの出来事(部活・勉強・家族との出来事・クラスで起きたこと・友人関係など)です。
そこから、成功体験や人から評価された経験などをピックアップします。部活で表彰された経験でも、自分だけの目標達成経験や取り組みの成果でもかまいません。
最後に、その成功体験に至るまでの経緯を書き出しましょう。その経緯から見える自分の一面が、長所につながります。
<例>部活動の大会でいい成績を残せたのは、チーム一丸となって練習に取り組んだから
長所:コミュニケーション能力がある・向上心がある・協調性がある
表にあげたトピック以外にも、好きだったこと・嫌いだったことを書き出し、なぜそうだったのかまで掘り下げると、得意・不得意や長所・短所が見つかりやすくなるでしょう。
「得意で好き」「得意だけど好きじゃない」「不得意だけど好き」「不得意で好きじゃない」といった観点から分析するのもおすすめです。
自己PRのNGポイント!こんな書き方は避けよう
自己分析では、自分でも気づかなかった長所や短所が見つかることもあります。その結果を認めず都合のいい内容を書くと、面接ではボロが出てしまうことがほとんど。長所だけでなく短所もしっかり受け入れ、自己分析の結果を否定しないことが大切です。
このことを踏まえて、自己PRのNGポイントを紹介します。
根拠のない自己PR
自己PRの結果だけを書いて「根拠」を書かない履歴書では、担当者の心を動かせません。
たとえば、「明るい性格」自体は立派に自己PRの材料となります。しかし、単に「明るい」と本人が主張しているだけでは、担当者はいまひとつ信用してくれない傾向があります。自己分析の過程でPRポイントが「明るい性格」だとする根拠が出てきているはずです。
簡潔に、「明るい性格」の根拠も書き記しておきましょう。具体的なエピソードがあればなお、担当者の注意を引きます。
長所を詰め込み過ぎる
自己PRはたくさんあればあるほど有利だと考える美容師もいます。しかし、さまざまな長所を書きすぎると、かえって個々のインパクトが薄まるだけでなく、全体的に薄く感じてしまいます。
さらに、文字情報が多くなりすぎると履歴書の見栄えが悪くなり「読みづらさ」も生じます。
他人の身だしなみに関わる美容師が、履歴書で「汚い」印象を与えるのは得策といえないでしょう。自己PRは少ない要素でいいので、200字前後ほどの丁寧な文章で書くようにしましょう。
志望先のイメージと合っていない
自己PRは履歴書だけでなく、面接も踏まえておくのが肝心です。特に「志望先への適性」を伝えられると会話が弾みます。たとえば「静かなムード」を売りにしている美容院に志望しているのに「快活さ」をアピールしても、大きな武器にはなりません。「真面目さ」「ひたむきさ」などの長所の方が喜ばれます。
自己分析の結果と志望先を照らし合わせて、マッチする要素を書き込むようにしましょう。そして、「自分は店に貢献できる人間である」と訴えかけるのがコツです。
自己PRの例文|美容師に必要な要素
美容師に必要な要素として、お客様と接する「コミュニケーション能力」や、技術を高めていく「向上心」などがあります。ほかにも、下積みであるアシスタントの時期は、根気強さや忍耐力も必要です。
ここからは、美容師に必要な要素をもとに自己PRの例文を紹介します。あくまでも例文であるため、内容は志望先に合ったものにしましょう。部活・アルバイト・専門学校などで経験したエピソードなどを交えて、嘘は書かないようにしてくださいね。
コミュニケーション能力をアピールする例文
向上心・根気・忍耐力をアピールする例文
それぞれの長所をアピールする例文は以下のとおりです。
1. 向上心
2. 根気
3. 忍耐力
その他|受賞歴や取得した資格などがある場合
受賞歴や資格取得をアピールしたい方は、次の例文を参考にしてください。
1. コンテスト受賞歴あり
2. 美容に関する資格取得
転職者の自己PRの例文|わかりやすい実績の提示
転職者の履歴書では、美容師としての実績や経験などをアピールすることが大切です。実績はできるだけ数値化して伝えることで、より説得力が増します。
実績やスキルに応じた例文を4つ紹介するので、自分のアピールポイントと照らし合わせて自己PR文を作成する際に活用してください。
実績を数字でアピールする例文
美容師として働くなかでアピールできる実績がある方は、できるだけ具体的な数字を盛り込んでアピールしましょう。
1. 指名数1位を獲得
<指名数1位を獲得>
私は今年6月に退職予定の美容サロンでスタイリストデビューをし、先月まで3年間指名数1位を獲得してきました。
得意な施術である「似合わせカット」をSNSでアピールしているため新規顧客獲得数も多く、昨年はトップスタイリストとしてサロンで表彰も受けています。
お客様に寄り添った接客と、満足度の高い施術を目指して努力を重ねてまいりました。今後もたゆまぬ努力を続けてお客様に喜んでいただける施術を提供し、貴社に貢献していきたいと思っています。
2. 個人の売上目標を10カ月連続で達成
<個人の売上目標を10カ月連続で達成>
私が現在勤めているサロンでは、カウンセリングから仕上げまでをひとりで担当することも多いため、深いコミュニケーションを通じてお客様の要望をキャッチし、期待に応えることをモットーとしています。
私自身もお客様とコミュニケーションをとることが好きで、丁寧なカウンセリングを心がけており、長年通ってくださるお客様も多いためリピート率は常に8割以上です。
リピータ―のお客様によるお引き立てもあり、昨年は個人の売上目標を10カ月連続で達成することができました。
貴社に入社した暁には、ひとりひとりのお客様に寄り添った丁寧な接客を心がけ、売上に貢献したいと考えています。
美容師の施術だけじゃない実績をアピールする例文
美容師の技術だけでなく、プラスアルファの経験やスキルをもっている方は、志望するサロンのコンセプトや募集要項に合わせてアピールしましょう。
1. 着付け・スタイリング経験あり
<着付け・スタイリング経験あり>
私が新卒で入社し今年5月まで勤めていたサロンは、近くに式場があったことから着付けやスタイリング、メイクなどを希望されるお客様が多く来店されていました。
月の半分ほどは、着付けやスタイリングを担当しており、さまざまなシーンに合わせたメイクやスタイリングなどを、お客様の要望をお聞きしたうえで提案させていただく機会も多くありました。トータル的なスタイリングプランの提案をさせていただくという経験を通じて、カウンセリング力やコミュニケーション力が身についたと感じています。
この経験とスキルを活かし、貴社ではお客様に喜んでいただけるトータルビューティーを提供していきたいと思っています。
2. 理容室勤務経験でダブルライセンスを取得
<理容室勤務経験でダブルライセンスを取得>
私は下町の理容室で新卒から6年間、理容師として経験を積ませていただきました。
カットやシェービングの技術を磨き、トレンド情報の収集や勉強会への参加も積極的におこない、お客様の期待にこたえられるような施術を心がけています。
現在勤めている理容室では、女性向けのシェービングやヘッドスパも提供しており、私も2年前からレディースシェービングなどを担当するようになりました。
施術後にお客様の嬉しそうな表情を見るたびに、自分が持っているスキルを活かして美容の施術も提供できるようになりたいと思い、昨年美容師免許を取得しました。
ダブルライセンスを活かし、トータルビューティーを提供する貴社でさらに多くのお客様に喜んでいただける施術を提供したいと考えています。
履歴書を書くときのルールとマナー
就職や転職で避けては通れないのが、履歴書の提出です。履歴書には種類があり、書く際のマナーやNGな書き方などがあるため、履歴書作成の前にしっかりと押さえておきましょう。
履歴書は新卒向けや転職者向け、パート・アルバイト向けなどいくつかの種類がありますが、厚生労働省が作成し推奨しているフォーマットが無難です。サイズはA4とB5の2種類ありますが、特に志望するサロンの指定がなければどちらでも構いません。
フリクションボールペンではない黒のボールペンを使用し、読みやすいよう丁寧に書くことを心がけましょう。誤字・脱字や略字はNGです。万が一間違ってしまっても、二重線や修正ペンなどは使わず、必ず新しく書き直さなければなりません。
サロンへの要望など、「本人希望欄」に特に書くことがない場合でも、空欄のままにせず、必ず「貴社規定に準じます」と書きます。
履歴書の書き方は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひチェックしてください。
美容師の履歴書の書き方を詳しく解説|志望動機の例文やアピール方法、注意点や面接のポイントも紹介
理想の美容室が見つかる!求人を探すのにおすすめの方法
美容師の求人を探すには、ハローワークや転職エージェントなどさまざまな方法があります。しかし求人を紹介してもらうために足を運ばなければならなかったり、手続きに時間がかかったりすることがデメリットです。
学業の合間や仕事を続けながらの就職・転職活動では、自分の好きなタイミングで求人情報を探せる求人検索サイトがもっとも使いやすいのではないでしょうか。
求人検索サイトも多くの種類がありますが、美容師の求人を探すなら美容系の職種に特化したリジョブがおすすめです。リジョブは、理想の求人を探すのに適したさまざまな機能が充実しています。
理想の求人を探しやすい検索機能が充実
業界最大級の求人数を誇るリジョブは、詳細な希望条件を指定して絞り込めるため、理想の求人を探しやすいのがメリットです。
たとえば「新卒歓迎」「経験者歓迎」「年齢不問」などの条件だけでなく、福利厚生や勤務体制、店舗の規模など、さらに細かい条件を指定することが可能。サロンごとにひとつずつ条件をチェックする手間が省けるため、効率よく求人を探すことができます。
内定率の高いスカウト機能も使える
リジョブにはスカウト機能があり、プロフィールを登録しておくことでサロンからのスカウトを受け取ることができます。
スカウトの場合、通常の応募に比べて内定率が高いのが特徴です。これは、気になったサロンを「キープ」することでサロン側に通知がいき、その企業からスカウトがくるためマッチング率が高くなるから。
もちろん履歴書を提出するまで、個人情報が知られることはありません。さらに内定が決まると、リジョブからの勤続支援金がもらえることも。
スマホアプリもあるため、隙間時間に求人を探すのにもぴったりで、アプリの通知でスカウトを見逃す心配もないため、積極的に活用しましょう。
自己分析で志望先に合ったPRを作成してしっかりアピールしよう
自己PRは、自分の長所や強みを売り込むためにあります。ポイントは、自己分析で自分の過去を振り返り、当時の出来事や成功体験までの過程を深堀りすること。なぜ・どのようにその体験したのかを探っていくことで、長所や短所が見つかります。
担当者は、長所が活かされた経験など具体的な部分まで評価するため、事実に基づいた内容を簡潔に伝えることが大切です。
自己PR文は、お店の経営理念やお客様への向き合い方などに考慮し、志望先に合った内容を考えましょう。