髪のスペシャリストになるために!美容師なら知っておきたい髪の知識

美容師としてお客様の希望に沿ったスタイリングを行うためには、髪のスペシャリストとして広く深く知識を持っておくことが大切です。お客様の数だけ髪の質もスタイルも異なります。髪の毛の性質などに関する基本的な知識はもちろんのこと、髪のトラブルや頭皮についても知っておくことで、どのようなお客様への対応もスムーズに最善の方法で取り組むことができるようになるのです。そこで、美容師として知っておきたい髪の知識について詳しく解説します。

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成分は?構造は?おさえておきたい髪の基本知識

髪を扱うためには、まず基本となる髪の毛の造りと構造を知っておくことが大切です。髪の毛は主にタンパク質からできていて、全体の80パーセントから85パーセントを占めているといわれています。タンパク質には、およそ10万もの種類がありますが、髪の毛を構成するタンパク質のほとんどを占める主成分がケラチンタンパクという物質です。皮膚の角質層や爪を形成している物質であるケラチンタンパクは、髪の毛を構成するタンパク質全体の80パーセントから90パーセントを占めています。

ほとんどがタンパク質でできている髪の毛は頭皮にある毛穴から生えてきます。1つの毛穴からは2本から3本の毛が生えていることが通常です。1本1本の毛の太さは人によって異なりますが、日本人の髪の毛は欧米人と比べると太い傾向があり、約50マイクロメートルから100マイクロメートルが平均的な太さです。1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1を表します。1本の毛は巻き寿司のように3つの層で構成されていて、海苔のように一番外側にあるのが「キューティクル」と呼ばれる毛小皮です。外からの刺激から髪の毛を守る保護膜の役割を持っています。毛小皮の内側にあり、ごはんのような配置で存在するのが「コルテックス」と呼ばれる毛皮質です。髪の毛の約90パーセントを占めている部分であり、フィルターのような造りとなっています。コルテックスの量により毛の太さや硬さが決まるため、髪質を決めるカギとなる部分です。コルテックスにはメラニンも含まれていて、髪の色にも影響を与えています。そして一番中央で巻き寿司の具のように位置しているのが「メデュラ」という毛髄質です。細かい空気の泡が集まったような構造をしていて、柔らかい性質を持っています。太い毛にはありますが、産毛のような細い毛や軟毛には部分的にしか存在していなかったり、全くなかったりする場合もあります。

髪の毛ってどうやって作られるの?髪の毛と頭皮の関係とは

髪の毛が生えている頭皮の構造は大きく3つに分けることができます。皮膚の一番外側に存在し、外の刺激から皮膚を守る役割を持っているのが「表皮」です。表皮は4つの層によって構成されていて、表皮の奥にある基底層の基底細胞が分裂を進めることで、その上に重なる3つの層が順に押し出されていきます。そして、最後は目に見えないアカとなって取り除かれるのです。これを「ターンオーバー」といいますが、健康な状態であればおよそ4週間の28日周期で1サイクルが周ります。頭皮の一番表面にある表皮に対して、頭皮の一番奥にあるのが「皮下組織」です。皮下脂肪を持つ皮下組織は、外からの力を和らげるクッションのような役割をしたり、断熱材のように体温を維持したり、調整したりする働きをしています。

そして、表皮と皮下組織の間にあるのが皮膚の大部分を占めるのが「真皮」です。真皮は、真皮内にある線維芽(せんいが)細胞により産出されたコラーゲンやヒアルロン酸からできています。コラーゲンなどによって皮膚の弾力やハリが作られているのです。真皮には血管やリンパ管といったものも網目状になって伸びています。真皮を通る毛細血管は血液とともに栄養を運ぶことが仕事です。髪の毛の根元にある毛乳頭が毛細血管とつながっているため、髪の毛にも栄養を取り込むことができます。毛乳頭は血管から栄養を取り込むと、毛乳頭の周囲にある毛母細胞に栄養を補給します。毛母細胞とは細胞分裂をすることにより毛髪を作る細胞です。細胞分裂により作られた新しい細胞が押し上げられて角化すると髪の毛となります。

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何がいけない?髪にダメージを与える原因とは

髪の毛はさまざまな場面でダメージを受けています。日常生活の中で受ける紫外線も髪にダメージを与える原因の1つです。太陽の光が皮膚に当たると生じる日焼けは皮膚が軽度のやけどをした症状です。この火傷の症状は皮膚だけではなく髪にも発症します。髪が紫外線によりやけどをすると表面が粗くなってしまうといった影響がでます。紫外線によって髪を保護するキューティクルがダメージを受けてしまうからです。また紫外線を受けるとメラニンが壊れてしまうため、髪の色も変わってしまいます。

同じく、やけどのような状態によって髪を傷ませる原因となるものがヘアアイロンやドライヤーです。髪の毛に長時間、熱を与え続けることによって髪の毛を構成するタンパク質の性質を変え、キューティクルやコルテックスを固めてしまいます。カラーリングやパーマの施術を行う際に使用する薬剤も髪が傷む原因です。ブリーチ剤やパーマ剤のアルカリ成分がキューティクルをはがし、髪の毛の栄養分を外に逃してしまいます。

さらに、カットやブラッシングだけでも髪にはダメージとなります。カットをすれば、通常では露わにならない毛の内部がむき出しになってしまうからです。断面がむき出しになると、毛の大部分を占めるコルテックスの中の間充物質が流出してしまいます。間充物質は髪に潤いを作る大切な成分です。そのため、間充物質が流出すると髪がパサパサとした状態になってしまいます。髪や頭皮の汚れを取り除き、頭皮の血行を良くするために大切なブラッシングですが、過剰に行うことには注意が必要です。何度も櫛を通すことで発生する摩擦によりキューティクルがはがれてしまうことがあるからです。”

人によってなぜ違うの?髪の色の決められ方

髪の毛の色は人によって真っ黒なこともあれば、栗色や赤毛、金髪の場合もあります。このように個人差がある髪の色を決めているのはメラニン色素です。メラニン色素は毛根にある毛母細胞に混じってあり、毛皮質の中にたくさんあります。メラニン色素には、黒から褐色をし「真メラニン」とも呼ばれる「ユーメラニン」と、黄色から赤色に近い色をした「亜メラニン」とも呼ばれる「フェオメラニン」の2つの種類があります。そしてこの2つのメラニン色素の量は人によって異なり、量の多さによって髪の色が変わってくるのです。

メラニン色素は、メラノサイトという細胞の働きが活性化しチロシナーゼという酵素が発生して、メラノサイトにあるチロシンと結合することによって生み出されています。しかし、年齢を重ねるにつれてチロシナーゼの生成が減少したり、作られなくなってしまったりするとメラニン色素が十分に作られなくなってしまい、色素のない白髪が生じてしまうのです。

人によってなぜ違う?髪の毛のクセができる原因とは

髪の毛の色と同じように、髪の毛の形状も人によって異なります。美容師として多くのお客様を担当する中で、さまざまな形状をした髪の毛の施術を行う機会を持つことは多くあるものです。真っ直ぐな髪をしたストレートヘアの人もいれば、波状にウェーブする「波状毛」の人もいます。また、もともと毛髪が縮れている「縮毛」や1本の毛に太さの異なる部分がある「連珠毛」といったものもクセ毛の種類の1つです。

クセは生まれながらに持っている先天的なものが原因であるケースが多いといわれています。クセの生成はコルテックスの構造だけではなく、毛根や頭皮の毛穴の形も関係しているため、遺伝により受け継いだ毛根や毛穴によってクセができやすくなってしまうことがあるからです。ただし、中には後天的にクセができてしまっている場合もあります。頭皮がたるんでいたり、毛穴に皮脂が詰まってしまっていたりすることで毛の生え方にクセができてしまうこともあるのです。このため、先天的ではないクセ毛の場合には頭皮ケアを行うことで悩みが解消されることもあります。

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