おしゃれ美容師の元祖！百冨友香理さんの20代の葛藤、30代の今・bloc ＃１
bloc百冨友香理（ももとみゆかり）さんと言えば、有名ヘアスタイリストであると同時に「ファッショニスタ」の印象が強い方。一流雑誌のファッションスナップの依頼は若手時代から数多く、美しくクールな容姿も相まって、彼女のライフスタイルやメイクテクニックなどもフューチャーされるほど。
34歳になる現在も、インスタグラムやブログ、Webマガジンの連載などを通じて、彼女に憧れる女性たちがサロンを訪れます。モアリジョブの読者も、ファンの方が多いのでは？
おしゃれ美容師のアイコン的存在はどう作られ、現在に至るのでしょうか。百冨さんにじっくりお話を伺いました。
海外で働きたかった私があっという間に13年も所属
「新卒で別のサロンに入社したのですが、その1年後に中途採用としてblocに転職しました。創り上げる作品、サロンスタッフ、店内などを見ていたらインスピレーションで“このサロンかっこいい、ここで働きたい”と思いましたね。blocは当時から一般誌の撮影オファーが多く、ヘアスタイルの作品だけでなくスタッフのスナップ撮影もたくさんいただいていました。オーナーの山本が日々、撮影を振り分ける中、私もスナップに登場する機会をいただき、なんとなく今に至る…というのが本当の所です（笑）。だから、特に自己ブランディングしたわけではないんです。私自身は、ヘアメイクの仕事もしてみたかったですし。
将来は海外に出てコレクションのバックステージで仕事もしたかったのですが、blocに所属して山本の仕事を見ているうちに、そのセンスに脱帽してしまって。“ここで学べることは山ほどある。海外にいかなくてもこの環境こそ最高の刺激になる”そうシフト転換するようになりました」
撮影が増えるほどに、サロンワークがプレッシャーに…
――blocのスタッフとして意識していることはなんですか？
「お客様を裏切らないということです。ありがたいことに雑誌やSNS、webマガジンの連載などを通じていらっしゃるお客様も多くいます。だからこそ、技術でがっかりされては本末転倒。私は美容師ですから、しっかり技術で応えることがなにより大切です。若い頃はその点がプレッシャーになっていましたね。
“このお客様、仕上がりに満足されているかな、なんか違う…と思っていないかな”など頭の中で反芻することが多かったかもしれません。もちろん、今も緊張感を持ち続けて丁寧な仕事を心がけていますし、SNS時代だからこそ、若いスタッフにも本質を忘れないよう指導をしないといけないと意識しています」
結婚しても変わらない。私のスタンスを受け入れてくれる主人に感謝
――3年前にご結婚されましたね。家庭と仕事の両立は大変ですか？
「私は同業者と結婚しましたから、大変さはありませんね。元々、自分のライフスタイルは変えないと決めていましたから（笑）。同業者は本当に理解ありますよね。無理のない範囲で家事をしていますし、仕事も結婚前と同じペースで行っています。ただ、子供ができたらこのリズムはキープできませんね。
実は私、美容師以外でなりたかった職業は保母さんなんです。子供が大好きで。だから、将来的に子供も育ててみたいので、そうなったときにblocという組織が盤石でいるためにも、指導の引き継ぎを考えて動くようになりました。私自身が美容業をずっと続けるためにも、サロンの将来的な環境作りを今から整えることは大事だと考えています」
――保母さんになりたかったなんて、ちょっと意外ですね
「ピアノの練習が嫌で断念しましたけど（笑）。でも、この仕事をしていると小さなお子さんからご年配の方、私の知らない世界で働く方など様々な人たちと触れ合えます。中でもお子さんの来店は多いんです。だから保母さん気分も結構味わえて。ある意味、その夢も叶ったかな？ なんて思いますよ（笑）」
次回は、百冨さんが考える“美容師として数字が伸びる秘訣”を伺います。
取材・文／小澤佐知子
撮影／松橋晶子
Salon Data
bloc(ブロック)
渋谷区神南にサロンを構えるblocは、店内は広々としているものの入口からはあえてわかりにくく、隠れ家サロン風の装い。スタッフも
モード感たっぷりで、NYやLONDONにトリップした錯覚に陥るかも。エッジの効いたデザインが人気で、ミュージシャン、モデル、アーティストなども集う、こだわり感が詰まった極上サロン。
http://www.bloc.co.jp/
Information
http://www.elle.co.jp/fashion/style/profile/yukarimomotomiエル・スタイルインサイダー
http://www.elle.co.jp/
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