美容師の退職理由とは? お客様へのDMではどう知らせればいいの?
念願の美容師になっても、さまざまな事情から退職してしまう人は後を絶ちません。しかし、退職するとなると気になるのが、自分を気に入ってくれていたお客様たちの存在。辞める場合は、直接またはDMなどで連絡するのが礼儀です。
そこで、お客様に退職を伝えるタイミングや、退職のお知らせをDMで送るときのポイントを押さえましょう。
美容師の退職理由とは?
美容師の退職理由にはどんなものがあるのでしょうか。よく見られる理由を5つ紹介します。
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1. 給与や待遇が仕事に見合わない
美容師は立ち仕事かつ労働時間も長い傾向があり、激務なため、給与や待遇が仕事に見合わないと思われることが多いようです。
給料の目安として、令和5年賃金構造基本統計調査によると、10人以上規模企業での理容師・美容師の「きまって支給する現金給与額」は27万7,600円でした。
また、求人サイト「リジョブ」の募集データ(2024年1月時点)で月給を見てみると、正社員スタッフは23万1,753~41万359円、正社員店長(候補)は28万2,990~61万3,346円と幅がある結果が見られました。
勤める美容室によって、給料や待遇は大きく変わります。なるべく希望に合った職場を見つけるのが理想でしょう。
引用元
e-Stat:賃金構造基本統計調査3 一般_職種(小分類)(役職者を除く)DB
2. 人間関係によるストレス
他のスタッフやお客様との人間関係に問題を抱える人もいます。特に新人の頃は、お客様にご迷惑をかけてクレームを受けたり、上司・先輩スタイリスト・同僚との関係がうまくいかなかったりすることもあるかもしれません。
事情によっては本音をなかなか言えないまま、表向きは別の理由にして辞めることもあるようです。
3. 独立・開業する
勤めているサロンである程度腕を磨いたのち、独立するために辞めるというケースも。昨今では、キャリアアップを目指して、フリーランスになったり自分のサロンを開業したりする美容師も多いです。
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4. ライフスタイルの変化|出産や介護
出産や育児、介護などのライフスタイルの変化による退職も見られます。出産の場合は産休や育休を取る権利がありますが、ブランクが心配・復帰後の両立が難しいなど、さまざまな事情により退職を選択する人も少なくありません。
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5. サロンの将来性に不安を感じる
サロンの方向性や客数など、このまま勤め続けて将来大丈夫なのか、不安を感じて退職する人もいます。新規顧客が少なく仕事が単調だったり、オーナーが変わって方針に変更があったりした際に、耐えがたくなって退職を検討するようです。
円満に退職するには?トラブルを避けるためのポイント
では、トラブルを避けて円満に退職するためにはどうすればいいのか、美容師が辞める際のポイントをチェックしましょう。
1. 就業規則や雇用契約書を確認する
まず、職場の就業規則や雇用契約書を確認し、どれくらい前に退職の意志を伝えればいいのかを確かめることが大切です。法的には2週間前でよいですが、1カ月前が目安とされています。
また、年俸制のように6カ月以上の単位で給料を定められている場合、3カ月前までに退職を申し出なければなりません。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
(中略)
3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。
引用元
e-Gov 法令検索:民法
2. 退職理由はネガティブなものにしない
退職の意思はまず直属の上司に伝えましょう。その際、実際の理由がネガティブなものであっても、もめたりトラブルになったりしないようにポジティブな理由に言い換えることが重要です。
引き止められたらどうすればいい?
もし引き止められた場合、辞める意思が固いのであれば、丁寧な伝え方を選びつつもはっきりと断りましょう。下記の例を参考にしてみてください。
「大変ありがたいのですが、別の分野で挑戦したいので、こちらでの仕事は続けられません」
「このまま働き続けてもお店にご迷惑をおかけするので、退職いたします」
「業界を飛び出し、新しいことにチャレンジしたいという意思は変わりません」
転職先を聞かれたらどうする?
転職先を聞かれた際、もし決まっていても正直に伝える必要はありません。下記の例のようにやんわりと濁しましょう。
「未経験の分野で、勉強期間が必要なので、まだ決まっていません」
「少し休んでその後に仕事を探すつもりのため、未定です」
「いろいろな考えがあるため、まだお伝えできる状態ではありません」
3. 顧客のリストは持ち出さない
他の美容室に移る場合や独立する場合など、今の顧客リストが欲しいと考える人も多いことでしょう。
しかし、顧客と個人的に連絡先を交換した場合を除き、勝手にリストを持ち出すことは、あとあとトラブルに発展する可能性があります。仮に就業規則にリストに関する記載がなくても、持ち出さないのが無難でしょう。
お客様に退職を伝えるタイミングとは?
サロンのオーナーへの相談や退職までのスケジュールが決まった場合に、頭を悩ませるのが「お客様に退職を伝えるタイミング」ではないでしょうか。今まで自分を指名してくれたお客さんにはきちんと誠意を持って、サロンを辞めるという決断を伝えましょう。
お客様への報告は、基本的に直接顔を合わせて伝えることがベストです。直接顔を見て、今までの感謝と今後対応ができなくなるという謝罪を伝えることで、誠意が伝わりやすくなります。
タイミングとしては、お客様がサロンに来店する周期を計算して、最後に来店する日を狙うのがおすすめです。お客様によってサロンに来店する頻度はそれぞれ異なるため、担当しているお客様の来店周期を計算し、退職する前に伝えられるようタイミングを見計らいましょう。
このタイミングが合わないと、退職後に担当のお客様が来店した際に「突然連絡もなく指名スタッフがいなくなった」という悪い印象を与えてしまいます。
また、退職前はスケジュール配分を徹底し、これまで担当してきたお客様に最後の接客ができるよう調整しましょう。
お客様への退職挨拶DMを作成するポイントとは?
タイミングが合わず会えなかったお客様などに退職を知らせるDMを出す場合、いくつかのポイントがあります。
まず重要なのは、「退職の報告と謝罪」を欠かさずに盛り込むという点です。退職の報告はネガティブな内容は避け、「一身上の都合により」や「スキルアップのため」というような理由を選びましょう。
実際の退職理由が職場環境などへの不満でも、お世話になったサロンに対してマイナスのイメージを与えてしまうような言葉は、くれぐれも使わないようにしてください。
退職理由の次は、お客様に不便や迷惑をかけてしまうことへの謝罪を伝えましょう。誠意を込めることで、お客様の理解を得られるでしょう。また、担当の引き継ぎについても触れ、お客様の不安を払拭することが大切です。
退職挨拶DMの例文を紹介
「〇〇〇〇様
いつもお世話になっております。
〇〇サロンで担当をさせていただいている、△△です。
この度、一身上の都合により、〇月〇日をもって退職させていただくことになりました。
このような形でのご報告になりましたこと、謹んでお詫び申し上げます。
今後、退職日までは、店休日と〇曜日以外は出勤の予定です。
以後は大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどお願いいたします。
なお、私の退職後も安心してご来店いただけるよう、当店スタッフの□□にきちんと引き継ぎを行っておりますので、どうか引き続き〇〇サロンをご愛顧くださいませ。
最後になりましたが、〇〇様には長い間ご贔屓いただきまして、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
〇〇サロン
担当 △△」
自分に合ったサロンはどうやって探す?
ここまで美容師の退職について見てきましたが、今のサロンを辞めても美容師の仕事を続ける場合、次の職場を探すにはどうすればいいのでしょうか。2つの方法を紹介します。
1. 就職・転職エージェントを利用する
求職者の相談に乗り、スキルや適性などをもとに就職先を紹介してくれる、就職・転職エージェントを利用する方法です。美容業界を得意とするエージェントであれば、対応してくれるアドバイザーの専門知識も高く、より心強いでしょう。
2. 求人サイトで探す
求人情報を多数掲載しているポータルサイトを利用する方法です。自分で希望条件を入れて検索をかけられるので、手軽で使いやすいでしょう。「リジョブ」のような美容系の求人に強いサイトが特におすすめです。
退職を決めたらお客様へのDMを忘れずに出そう!
前半では、美容師の退職理由としてよく聞かれる内容や円満退職するためのポイントをお伝えしました。
給料や人間関係などのネガティブな事情もあれば、キャリアアップやライフスタイルの変化といったポジティブな事情も。辞める際は職場に前向きな理由を伝えるとともに、これまで担当してきたお客様にも挨拶をしなければなりません。
お客様に伝えるタイミングやDMを出す際のポイント、例文も紹介したので、参考にしていただければ幸いです。
また、在職中に次の職場を見つけておくと安心でしょう。美容業界に特化した「リジョブ」は、会員登録によって電話相談ができるようになり、転職支援のプロからのアドバイスを受けられます。
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