【美容師の眉カット #1】眉カット王子・木梨純平さんに聞く、美容師が眉カットをするメリットとは

メイクアップアーティスト/アイブロウィストとして活躍する、眉カット王子こと木梨純平さん。「人生を変える眉カット」を提供し、全国の美容師に向けて眉のデザインカット習得を啓蒙しています。

木梨さんによると「眉カットとヘアカットは、頭の使い方が似ている」のだとか! さらに眉カットを取り入れると、集客面でのメリットや、顧客満足度アップなど、うれしいことがいっぱいあるそう。

そこで今回は、眉カットを美容師さんに勧めている理由を、木梨さんにインタビュー。美容師がヘア以外の技術を取り入れるメリットや、デザイン眉カットのポイント、今年トレンドの眉デザインまで、詳しくお伺いします。

眉カット王子
木梨純平さんにインタビュー

beauty garden [e:s] 代表/メイクアップアーティスト/アイブロウィスト

立体造形からの眉カットを確立したアイブロウのスペシャリスト。日本アイブロウ協会認定講師として、サロンワークだけでなく、講習やイベントなど様々なメディアでも活動。大阪ではbeauty garden [e:s](ビューティーガーデンイース)、東京ではマサトパリ六本木にて多くのお客さまの眉カットを担当している。
Instagram:@junpei_kinashi_eyebrow

「眉カット」を取り入れれば、顧客満足度と客単価が上げられる

―木梨さんは「眉カット」を広めていらっしゃいますが、そもそも眉に注目したきっかけは?

そもそもは眉毛に特化していたわけではないんです。いつの間にかやめられなくなったというか(笑)。

僕はメイクアップアーティストを志して美容業界に入りました。なので若いころは、師匠のアシスタントとして全国を回ったりしていたんですが、一方ふだんは心斎橋にある美容室で眉カットやメイクをするのが仕事だったんです。もともと師匠が、眉を大切にしていたんですよね。

すると、だんだんお客様が増え、テレビや雑誌からも取材されるようになりました。それで、いつの間にか、このポジションまで来てしまった感じで(笑)。これはもう宿命だなと。10年くらい前からは、「眉カットをちゃんと文化にして、世の中の当たり前にしていこう」という目標に変わりました。

―眉カットを文化に。

眉毛をサロンで切るということが、美容室で髪を切るのと同じくらい、当たり前のことにしたい。そのためには、美容師に眉カットの大切さをしっかり伝えて、知識と技術をひろめなくちゃいけない。それに人生を使い切ろうと。

―それで現在の活動をされているんですね。美容師が眉カットを取り入れるメリットとは?

眉カットって、骨格を見たり、毛を立体的に作り上げるものなので、作業的にも構造的にも、ヘアカットとよく似ているんです。だから、美容師さんには取り入れやすい技術だと思います。お客様も、店じゃなくて美容師さんにつく時代になってきていますから、提案できる武器は多いほうがいいですよね。

あとは、単純に儲かります。技術的なプラスアルファで、新規の取り合いではなく、抱えている顧客の満足度が高められる。それはリピートにつながります。さらに、眉カットは通常のヘアカットよりも、来店のサイクルが早いんです。2カ月に1回の来店が、3週間に1回になる。来店の機会が増えれば、店販が増えたり、ビジネスチャンスが広がります。

最近は、マスクが必須になったことで、若い層のお客様がグンと増えました。眉カットの認知は高まってきているけど、仕事にできるレベルの技術を持っている人は少ないので、始めるなら今しかないと思います。

―きちんとビジネスとして成立させるためにどのような取り組みをしていますか?

まずは、眉カットの技術も、ヘアカットやカラー、トリートメントなどの施術と同じ、ひとつの技術だということを、きちんと認識することが大切です。500円で行うサービスやヘアカットのおまけではなく、3000円のメニューなんだと認識する。

その上で、お客様への伝え方も、すごく大事です。「ちょっと眉も切りましょうか」では500円だけど、なぜ必要なのか、眉カットってどういうことなのかっていうのを、きちんとお客様に伝えることで、価値が何倍にもなります。

あとは、3つの感動の連鎖を作り、リピートにつなげること。1つめの感動は、最初のカウンセリングの時。「あなたの骨格や筋肉はこうなっています」という、プロにしか気づけないポイントを提示すること。2つめに、圧倒的な技術による美しい仕上がり。「めっちゃ可愛くなった!」という感動です。そして3つめが翌朝の感動。「今までと違って、すごく眉が描きやすい」という感動が生まれれば、「また行きたい!」になる。

髪でも同じですよね。美容院に来た日だけじゃなく、リピートにつながるような確かな技術を感じるのは翌日以降だと思います。だから、そこまでしっかりフォローすることも、とても大切です。

その人の普遍的に美しい眉を見極めて提供する

―木梨さんが眉のデザインを考えるうえで大切にしていることは?

眉のデザインって、その人が一番キレイに見えるかたちっていうのが、ピンポイントであると僕は思っています。その眉にすることで、顔がバランスよく、美しく見えるというものですね。その普遍的に美しいかたちを見極めることが重要です。

カウンセリングで、「どうしますか?」とは聞きますが、たどり着くところはひとつで、あとは好みや流行を少しプラスする感じ。なので、その普遍的な美しい眉に仕上げられるように、自然と会話で誘導してあげることも必要だったりします。

あと、僕の理論では、眉が左右対称かって、さほど重要ではないんです。正面から眉を見比べることって、自分で眉を描く時と写真の時くらいしかないんですよ。それよりも、どの角度からでも美しく見えるように、眉を立体的にとらえてデザインすることが大切。骨格、筋肉の動きのクセ、毛の生え方などを元に、全体的なバランスを見てデザインしていきます。

―今年のトレンド要素を教えてください。

太め・平行・短めで、毛並みを感じるような「ボサ太」眉が流行でしたけど、少し減ってきているかなという印象です。女優さんやモデルさんの眉は、けっこうシャープなアーチ型になってきていますよね。でも一般の方だと、まだ少しハードルが高いかな。とくに若い方は、まだ太くてストレートな眉が主流になると思います。それでも、完全フラットな眉は、そろそろおしまいですね。

今するなら、太ストレートの要素を残しつつ、コントラストを作っていくのがオススメ。薄く太く始まって、だんだん濃く細くしていく。すると、眉毛に立体感が生まれて、小顔効果も期待できます。

木梨純平さんが考える、2021年のトレンドアイブロウ

太く濃い眉の流行から、2021年はややスマートな印象にシフト。太さはあるものの、色味は明るめで、眉尻にむかって細くなっていくデザインへ。ナチュラルさを演出する、立体感、毛の立ち具合もポイント。マスクが必須になったことで、主張しすぎず美しい眉を求める人が急増中。

木梨さん流「デザイン眉カット」のメリット

1. ハサミの技術なので美容師が取り入れやすい

2. 来店サイクルが上がり、ビジネスチャンスが増える

3. 顧客満足度を高めてリピート率もアップ

「眉カット」の大切さ、美容師が技術として取り入れるメリットを教えてくださった木梨さん。「技術でお金をいただく」という点で、ヘアカットも眉カットも同じなんだと感じました。そして、そのためには、確かな技術力も重要。後編では、木梨さんにデザイン眉カットの技術を詳しく教えていただきます。

▽後編はこちら▽
【美容師の眉カット #2】眉カット王子・木梨純平さんに聞く、2021年トレンドのデザインアイブロウの作り方>>

取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代
モデル:晴山絵理香
撮影協力:MASSATO PARIS 六本木ヒルズ店

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Salon Data

beauty garden [e:s]
(ビューティーガーデンイース)

住所:大阪府大阪市北区梅田2-5-13桜橋第一ビル403
TEL:06-6341-2228

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