美容師が困るお客様いろいろ!特徴をつかんで対策を練ろう
美容院にはさまざまなタイプのお客様が来店します。そして、全員が良いお客様とは限りません。美容師が困るようなお客様もいるでしょう。しかし、それでもお客様を選べないのが美容師の仕事です。内心では「苦手な人だな」と思っていても上手にやり過ごすのがプロフェッショナルのあり方でしょう。困ったお客様のタイプを知っておくと心構えもできますし、対策も立てやすくなります。ここでは、美容師が困るお客様の傾向をまとめてみました。
コミュニケーション面で困るお客様とは?
美容師とお客様の間ではコミュニケーションが不可欠です。会話がスムーズにできるとカウンセリングの精度が上がるので、お客様の要望に応えやすくなります。また、お客様の趣味や好みが分かると会話が盛り上がって気まずい時間を過ごさなくて済みます。逆に、コミュニケーションが上手く取れないお客様に困る美容師は少なくないのです。
やりとりが難しいお客様の特徴として「常識が欠けている点」が挙げられます。ごくまれに、お酒を飲んで美容院にやって来たり、周囲を気にせず大声で話したりするお客様がいます。もちろん、他のお客様の迷惑になっている以上は美容師が注意するべきなのですが、酔っ払っているお客様だと素直に注意を聞き入れてくれないこともあるので、美容師が無駄に労力を削られてしまいます。
無愛想すぎるお客様も美容師が苦手とするタイプです。全てのお客様が話好きではなく、「施術中はそっとしておいてほしい」人も来店するでしょう。空気を読んでお客様が過ごしやすいように気づかうのも美容師の務めです。しかし、あまりにもお客様が話をしてくれないようならカウンセリングに支障をきたします。お客様の要望がつかめずに施術の方向性が定まりません。美容師から細かく要望を引き出したくても「短めで」「適当で」などの返事しかされないなら、ますます困ってしまうでしょう。お客様には「細かくリクエストしない方が美容師は楽だろう」という思い込みがあったとしても、美容師側はしっかり要望を伝えてくれる人がありがたいものです。
一方で、おしゃべりすぎるお客様も考えものです。とにかく施術中も話し続けるので、美容師から質問があっても話に割り込む余地がありません。その結果、作業が遅くなってしまい、余計な時間がかかります。また、他人の悪口などを聞かされながら施術を行うのも美容師にとってはストレスがたまる時間です。
同伴者がいるお客様も以外に美容師を困らせる可能性があります。たとえば同伴者が恋人だった場合、施術中さえ離れたくないと考えてわざわざお客様の隣の席を選んでくるなどして、美容師の集中力を妨げます。ひどい人になると「そこはもっとこうした方が」と横から口出ししてくることもあり、美容師にとっては邪魔でしかありません。
施術中に美容師が困るお客様とは?
施術中、美容師ができるだけ当たりたくないお客様の定番が「とにかく動く人」です。ヘアカットは繊細な技術であり、美容師はミリ単位にこだわりながら施術を進めています。そんな中、お客様が頭を急に動かすと手元が狂いかねません。しかし、お客様によっては「じっとしているのが苦手」な人もいて、無意識のうちに貧乏ゆすりをしたり首を捻ったりしてくるのです。「動かないでください」と注意するのも気まずいですし、美容師の悩みどころです。
お客様が自覚のない「困るポイント」として、「シャンプーの際の行動」があります。美容師が一番楽なお客様はシャンプー台に移った後、リラックスして美容師に身を委ねてくれる人です。しかし、多くのお客様が美容師に気をつかって頭を浮かしてきます。「シャンプーがしやすいように」という配慮からの行動ではありますが、余計な力が入った頭をシャンプーするのは骨の折れる作業です。お客様が気を使ってくれている以上、無碍にもできないので美容師は頭を浮かされるたび困ってしまいます。
お客様の髪の毛の状態も美容師が気になるところです。傷んだ髪や剛毛も苦手にしている美容師はいますが、それ以上に困るのは「適当にカットされた髪」を相手にするときです。自分でカットしたり、素人に頼んで切ってもらったりした髪は毛先がそろっていません。そのため、均等にカットしていくだけでも労力のかかる仕事になります。同じ理由で、自分でカラーをしてきたお客様を染め直すのも大変です。染め方が雑な髪をきれいに染め直すのは手間であり、お客様に満足してもらえる出来になるか不安になりがちです。
お客様の服装も美容師を困らせます。コートや厚手のジャケットであれば受付で脱いでもらえるので、施術の邪魔にはなりません。問題はフード付きの服やタートルネックです。襟付きの洋服もデザインによっては施術を難しくさせます。下が肌着しか着ていないのなら脱いでもらうわけにもいきませんし、そのまま案内する流れになります。しかし、フードが邪魔になって襟足をそろえにくいうえ、服に髪の毛がつかないように注意しなければいけません。美容師にとっては不要な仕事を増やされているようなものでしょう。そのほか、無地の白い服なども落ちた髪が目立ってしまうので美容師は気をつかいます。
美容院の予約で困るお客様とは?
美容師が出会う困ったお客様の中でも、かなり上位に位置するのが「予約をドタキャンするお客様」です。美容院にとってお客様の予約状況は1日の仕事の流れを決定付ける重要なポイントです。仕事の忙しさの目安になるだけでなく、売上の見込みや従業員のシフト、休憩のタイミングにいたるまで予約状況に左右されているといっても過言ではないのです。美容院のスケジュールは大前提として「お客様が予約時間通りに行動してくれる」と考えて立てられています。直前で予定を変更してくるお客様にはスタッフ全員が翻弄されがちです。
それでも、せめて連絡があればまだ対応ができます。そもそも「仕事」や「体調不良」など急な用事でお客様が来られなくなるのはよくある事態です。美容院なら臨機応変に対応する必要があります。つらいのは「無断キャンセル」をしてくるお客様も珍しくないことです。時間になってもお客様が現れない場合、「キャンセルかな」と疑いながらも「遅刻しているだけ」という可能性も捨てられません。その結果、来ないお客様をある程度までは待ち続けます。もし、その間に別のお客様が来店したとしても待ってもらうか断らなければいけなくなります。最終的に「無断キャンセル」だったとして、美容院としては1枠分の損害を抱えてしまいます。いくら予約時に念押しをしたり、ホームページで注意を促したりしても無断キャンセルするお客様は後を絶ちません。
「予約時間を間違えてくる」お客様も困り物です。「無断キャンセルかな」と思いきや、後からやって来て「施術してください」と言ってきてもすぐには対応できません。説明して納得してもらえればいいのですが、ときにはお客様が「こちらはちゃんと時間を伝えたはずだけど」とごねだし、水掛け論になる可能性もあります。また、指名を伝えていなかったにもかかわらず「いつもの美容師さんがいない」とクレームをつけてくるお客様もいます。これらのお客様は通常業務以外の部分で気力も体力もすり減らされるので、美容師なら避けたいタイプです。こうしたお客様を防ぐためには、とにかく予約システムを徹底するのがコツです。予約の1時間前に確認の電話をしたり、予約完了の旨をメールで送ったりしてすれ違いがないように工夫しましょう。美容業界の求人サイト「リジョブ」にはトラブル対応についての文章もあるのでチェックしてみると役立ちます。”