本当に欲しい人材って? 採用担当のホンネ 【ACQUA AOYAMA ディレクター 伊藤和明さん】#1
「こんなスタイリストになりたい!」という理想をかなえるには、技術を磨く努力はもちろん、経験の積み重ねがものを言います。その体験の場となるのがサロン。そこで、人気ヘアサロンの採用担当者に、求めている人物像を直撃しました。さらなる高みを目指している人を応援します!
今回は全国各地で講演会を開催するかたわら、業界誌や一般誌に月平均40~50件ものヘアデザインを提案しているヘアサロン、ACQUAで採用を担当しているディレクターの伊藤和明さんにホンネをうかがいます。
今回お話しを伺ったのは…
ACQUA AOYAMA ディレクターの伊藤和明さん
ディレクターとしてACQUA全体の教育システムを構築し、テクニカル全般の統括を担当。サロンワークはもちろん撮影やヘアショーなどのアートディレクションから、毛髪科学やデザインに関する執筆活動に至るまで、マルチな実績を積み重ねている。
「水が素直に形を変えるように、柔軟に変化できる人材を求めています」
—-美容業界にカリスマ旋風を巻き起こしたACQUA。その歴史を教えてください。
1989年にACQUAの前身OPERAがオープンしたのが始まりです。業界初のストリートヘアショーを開催したり、クラブで3,000人規模のショーを全国で行うなど業界内外で注目を集めるようになりました。1994年には店名をACQUAに変え、1997年には全国7か所を巡る「ACQUA JAPAN TOUR」を開催。代表の綾小路竹千代がテレビ番組にレギュラー出演したり、国内外でヘアショーの開催、商品開発に協力するなど活動の場をどんどん広げています。
—-サロンの創業以来、大切にしていることは何ですか?
それは社名の「ACQUA」に深くつながっています。「最も理想的な生き方は、水のあり方に学べ」という故事から、社名をイタリア語の「水」しました。
水は器の形状に逆らわず、柔軟に形を変えて収まるもの。ACQUAも時代や人それぞれの美容に応えられるように柔軟でありたいと思っています。また、水は高いところから低いところへ流れる性質があります。私たちも自分の能力や地位を誇示することなく、他人が嫌がる低いところに進んで身を置く謙虚さがあること。そして、水はほんの1滴では微力でも滴が集まれば小川になり、硬い岩をも砕く大河となって、生命を育む海になります。ACQUAのスタッフ1人1人がそれぞれ1滴の水とすれば、みんなが集まれば大きな力になると信じています。一丸となって、社会に豊かさをもたらすような存在になれるように努力しています。
—-ACQUAが求めている人物はどんな人ですか?
まず素直さですね。頑固は成長を妨げ、成長スピードを遅くします。素直というのは柔軟に変化できるということなんです。
そして、サービス業なので思いやりが必要。サロンワークはチームプレイなので、お客さまに対してだけでなくスタッフに対しても思いやりを持てない人は美容師に向きませんね。美容が好きというのも重要。我々は美容師なので、髪を通じてゲストを素敵にすることは絶対にぶれてはいけない基本理念です。「サッカーを12年やっていました」などアピールされても困ります。
もうひとつのポイントは進化できること。進化論を唱えたダーウィンは「この世に生き残る生き物は、力が強い物でも頭がいい物でもなく、変化に対応できる生き物だ」と言っています。常に進化し続けようとする心構えがほしいですね。
—-伊藤さんが面接や試験で重視していることは何ですか?
面接の結果は、ドアから入ってきて席に着くまでの20~30秒で9割方、決まっているんですよ。残りの1割の部分を埋めるために話を聞きます。
SNSで第一印象を左右する、ぴったりな言葉を見つけたのでご紹介しますね。「性格は顔に出る、生活は体型に出る、本音は仕草に出る、感情は声に出る、センスは服に出る、美意識は爪に出る、清潔感は髪に出る、落ち着きのなさは足に出る」。どうですか?もうひとつ付け加えたいのが「人生への向き合い方は姿勢に出る」。これでも一流であるための大切な格言です。背中が曲がっていたり腰が引けている人は、斜に構えている人が多い気がします。しっかり前を向いている人は、人生も考え方も前向きですね。
第一印象で「あの人と一緒に働きたい!」と思わせるものがあるかどうかを重視しています。
—-ACQUAに入社すれば叶うことは何でしょうか?
ACQUAの伝統に裏打ちされた確かな技術を学べることですね。美容界にカリスマ旋風を巻き起こしたレジェンドたちと同じフロアで働くことができるのも、いい刺激になると思います。私たちの教育方針は「その人に合わせた教え方」なんです。カリキュラムのチェックは80項目ほどあり、本人にやる気があれば週に3項目の合格も可能。ベーシックからアレンジまで幅広く、効率的に学べます。
次回は、伊藤さんが採用を決めた人材のひとりをご紹介します。
▽後編はこちら▽
本当に欲しい人材って?採用担当のホンネ 【ACQUA AOYAMA ディレクター 伊藤和明さん】#2>>
Salon Data
ACQUA aoyama
住所 東京都港区南青山4-20-20
TEL 03-3478-3131
定休 月曜(月曜祝日の場合は火曜定休)
URL http://acqua.co.jp/