美容師希望者必見!把握しておきたいヘアピンの基礎知識
成人式や結婚式といった大切なイベント時のヘアセットだけではなく、普段のヘアアレンジにも便利なヘアアイテムがヘアピンです。しかし、ヘアピンと一言でいってもその種類にはさまざまあります。お客様の希望にあったヘアセットを行うためには、ヘアピンの種類ごとの特徴をしっかりと把握し、上手に活用することが必須です。そこで、美容師なら知っておきたいヘアピンの種類やそれぞれのメリットとデメリット、さらにはヘアピンを使ったヘアアレンジ法もご紹介します。
種類は?使い方は?ヘアピンの主な種類とそれぞれの特徴
ヘアアレンジの際に便利に使用できる主なヘアピンは、アメリカンピン、スモールピン、Uピン、鬼ピンの4種類となります。
一般的に最もポピュラーなヘアピンが「アメリカンピン」です。通称で「アメピン」や「アメリカピン」と呼ばれています。ヘアピンの中でもある程度の大きさを有しているため、細かい部分の髪留めには不便となるケースもあります。しかし、逆にしっかりと髪の毛を留めたいという時には固定する力が強いため便利です。アメリカンピンの中には、髪の毛に挿したときに頭皮にピン先が当たって痛くならないように先端部に小さな玉が付いているタイプのものもあります。ただし、先端に玉が付いたヘアピンは使い方によっては、アレンジした髪の毛から玉の部分が突出して変に目立ってしまうこともあるので注意が必要です。アメリカンピンは長いピンの方を頭皮側に向けて挿して使用します。髪の毛をピンの先端部に挟んだら、そのままヘアピンを押して挿しこむだけです。ただし完全に髪の毛をヘアピンの奥まで押しこんではいけません。アメリカンピンのおしりの部分に丸い隙間がありますが、髪の毛をこの隙間まで完全に入れずにその手前で髪の毛を留めるというやり方が正しいアメリカンピンの使い方となっています。
アメリカンピンでは留めづらい細かな部分の髪の毛を留めたい場合に便利なアイテムが「スモールピン」です。スモールピンはアメリカンピンの小さい版のヘアピンとなっています。サイズが小さい分、アメリカンピンと比べると留める力が弱いという欠点があります。スモールピンの使い方はアメリカンピンと同じです。ただし、留める力が弱く、細かな部分に使いやすいスモールピンは前髪や顔回りの髪の毛留めに便利に使用できるヘアピンとなっています。
名前の通り、Uの字のような形をしたヘアピンが「Uピン」です。「ネジピン」と呼ばれることもあります。髪の毛を挟む2本のピンの間に空間ができていることによって髪の毛を強く挟むことなく、ふんわりとスタイルを固定させることが可能です。ただし、ふんわりと髪の毛を挟むヘアピンであるため、ただ挿しこむだけでは簡単に取れてしまうことがあります。使用する際には、まとめた髪の毛に対して垂直になるように上から差し込み、下にある毛をすくいあげるようにして頭皮に平行にピンを倒したら、奥まで挿しこむという工程を経ることが固定させるポイントです。Uピンはお団子スタイルなどのまとめ髪で使用されることが多いヘアピンですが、他にもヘアアレンジの完成後に飛び出してしまった毛先を留めたり、ふんわり感を出したいところに打ち込んだりといった方法でも使用されます。
そして最後にご紹介する「鬼ピン」とはUピンよりもコンパクトなサイズをしたヘアピンのことです。Uピンと同じ形をしているため、Uピンと同じように使います。ただしサイズが小さいため、少量の髪の毛を固定する場合で、Uピンでは大きすぎてピンの隙間に余りができてしまうというときに適しているヘアピンです。Uピンや鬼ピンの中にはUの丸みがある箇所に飾りが付いているものもあります。飾り付きのUピンや鬼ピンは髪に挿すだけでそのままヘアアレンジをすることが可能となります。
ヘアピンの形には2パターンある!ストレートと波ありのメリットとデメリット
主に4つの種類があるヘアピンですが、さらにそれぞれにはストレートな形状になっているものと波を打ったような形をしているものがあります。アメリカンピンやスモールピンの場合には短い方に波があり、Uピンや鬼ピンには髪を挟む2本両サイドのピンの一部が波の形をしているのです。
波がある形状のヘアピンのメリットは髪の毛に挿した際に固定しやすいという点です。ストレートな形状のヘアピンはフラットとなっているため、ヘアピン上で髪が滑りやすくなります。しかし、波のあるヘアピンでは波状にカーブしている箇所に髪がひっかかり、滑り止めの効果が生じて留まりやすくなるというメリットがあるのです。
ただし、固定する際に便利な波状のヘアピンですが、ヘアスタイルをセットした後の見た目に影響を与えるというデメリットもあります。波状のヘアピンで髪を抑え込むことにより髪の毛自体にも波ができてしまうからです。ヘアセット後に髪の面をうねりや筋のない美しい仕上がりしにしたいと考えている場合にはストレートな形状のヘアピンの方が便利となります
形状で異なるメリットとデメリットを活かして使うためには、正しい使用方法を知っておくことも必要です。波ありUピンや波あり鬼ピンの場合には髪を挟むピンの両サイドに波ができているため、特に気を付けるポイントはありません。ただし、アメリカンピンやスモールピンの場合には片側だけにしか波ができていないため、使う際の向きには注意が必要です。使用する際に、ストレートになっている方のピンを下にして使う人は少なくありません。しかし、正しく使うためには波を打っている短い方のピンを下に向けて挿すようにしましょう。
こんな使い方で楽しめる!ヘアピンを使用してオリジナルのヘアアレンジを
ヘアピンは上手に利用すれば、さまざまなヘアアレンジをすることができる魅力的なヘアアイテムです。幅広いアレンジをするためにも留め方やアレンジ方法の基本をしっかりと知っておくとよいでしょう。ベースをしっかりと抑えておけば、自分なりに工夫して応用させ、いろいろなオリジナルのヘアアレンジを作ることができます。
たとえばアメリカンピンやスモールピンを使った留め方であっても、髪の面に対して単純に真っ直ぐ留める方法もあれば、2本のピンをクロスさせて十字を作って留めるという方法もあります。どちらも同じヘアピンを使用した留め方ですが、挿しこんだ後の出来上がりの見た目は全く違う印象です。結わいて作るアレンジが難しいショートヘアでも、片側の耳上にアメリカピンを数本挿すだけで簡単なヘアアレンジをすることができます。パーマがかかったヘアであれば複数の箇所に、少量の髪をねじってスモールピンでクロス留めをするというアレンジを作るだけで、こなれ感のあるヘアスタイルを作ることも可能です。
また、ヘアピンはねじってまとめるヘアアレンジを行うときにも便利です。まとめたい髪の毛を手に取り同方向にねじったら、ねじった毛束のラインに沿ってヘアピンを挿しこんでいきます。そして頭皮のところまできたらヘアピンをそのまま打ち込み固定させるのです。ねじった部分と、ねじりを固定させる下の毛の部分とにヘアピンが同等な状態で挿しこまれていることが上手に固定させるポイントとなります。