薬剤師の夜勤・当直とは?メリットと注意点を紹介

夜勤や当直での薬剤師の働き方は、日勤とは異なる勤務体制や環境のもとで行われます。勤務時間帯が変わることで、業務内容や求められる姿勢にも違いが出る可能性があることが特徴です。

今回は、薬剤師の夜勤の概要や仕事内容、夜勤をする際のメリット・注意点などを解説します。あらかじめ全体像を把握しておくことで、自身に合った働き方かどうかを判断しやすくなるため、参考にしてみてください。

薬剤師の夜勤とは?

薬剤師の夜勤とは、薬剤師が勤務先に夕方から夜くらいの時間に出勤し、翌朝まで業務につくという働き方です。病院や24時間営業のドラッグストアなど、夜も調剤サービスが必要な職場で導入されています。

夜勤では、日中の勤務と同様に、調剤・服薬指導・薬剤管理といった薬剤師の通常業務を行います。

また、病院勤務の場合は、外来患者だけでなく入院患者への対応も必要になるかもしれません。夜間は医療スタッフの人数が限られるため、薬剤師一人ひとりの役割が大きくなります。日中以上に責任ある立場で業務にあたるケースも少なくないでしょう。

さらに、夜勤は単なる勤務時間帯の違いだけではなく、求められる判断力や対応力にも違いがあります。緊急性の高い処方や変更指示に対応する場面が多く、落ち着いて対応することが非常に重要です。

当直とはどこが違う?

当直は、朝から通常勤務を行ったのちにそのまま夜間帯の対応に入り、翌朝から昼頃まで勤務が続く形態です。

ただし、夜間は緊急対応が発生した場合に業務を行います。そのため、夜通し仕事をし続けるわけではなく、待機時間ができることも多く、待機と対応を繰り返す勤務形態です。施設によっては仮眠時間が設けられている場合もあります。

しかし、職場や日によっては、急な対応に追われて休憩する時間があまりとれず、働き続けなければならないこともあるようです。

一方、薬剤師の夜勤は夜間帯そのものが勤務時間として設定され、時間内は継続的に業務を行う必要があります。当直の場合は「時間外勤務」という扱いです。

勤務時間や業務量を考慮すると、働き方としては大きく異なることがわかります。当直が緊急対応中心であるのに対し、夜勤は日中と同じ通常業務を担う点が主な違いです。

夜勤薬剤師の仕事内容

薬剤師の夜勤における仕事内容は、勤務先によって異なることがあります。ここでは、職場ごとに薬剤師の夜勤の勤務体制や業務内容について紹介します。

なお、夜間は勤務する人員が限られるため、業務範囲が広くなりやすい点が特徴です。調剤業務だけでなく、在庫管理や問い合わせ対応など、複数の業務を同時に担うケースもあります。

病院

病院では、2交代制(日勤と夜勤)または3交代制(日勤・準夜勤・深夜勤)で薬剤師の夜勤シフトが組まれることが一般的です。入院患者の通常処方への対応に加え、急変時や夜間救急外来患者に対する注射・点滴・内服薬の準備や確認を行います。

夜間は医師や看護師からの問い合わせが多くなる傾向があり、これまでの知識や経験を総動員して対応する場面が増えがちです。投与量や投与方法、配合変化などについて、即座に判断を下す決断力が求められます。

限られた時間のなかで正確に業務を行うことが求められ、プレッシャーを感じやすい一方で、臨床経験を積みやすい環境でもあることが特徴です。

ドラッグストア

24時間営業や深夜営業を行うドラッグストアでは、薬剤師以外のスタッフもいますが、薬剤師も他の従業員と同じようにシフト制で夜勤が組まれることが多いです。

業務内容として、来店客への医薬品の説明や相談対応は、日中と大きく変わりません。

そのほか、深夜帯は急な体調不良で来店する利用者も多く、症状を正確に聞き取ったうえで適切な案内を行うことが求められます。判断に迷う場合には医療機関の受診をすすめるなど、慎重な対応が必要です。

処方せんを扱う店舗では、夜間調剤も担当します。来店客が少ない時間帯には、棚卸しや在庫管理、翌日の準備などを行うこともあるでしょう。

薬剤師が夜勤や当直で働く4つのメリット

薬剤師の夜勤や当直には、さまざまなメリットがあります。そこで、代表的な4つのメリットをチェックしましょう。自身のライフスタイルやキャリアを考えるうえで、判断材料として役立ててください。

1. 給与が高い

薬剤師が夜勤をする場合、日勤のみのときと比べて給与が高くなる傾向があります。夜勤手当が支給されるためです。

勤務先によって金額は異なりますが、1回あたり数千円から1万円前後の手当が設定されているケースもあります。たとえば月に5回夜勤を担当すると、5万円ほどの追加報酬がつく可能性があるため、収入を重視する方にとって大きなメリットといえるでしょう。

引用元
総合東京病院【公式】:薬剤師
東京品川病院 採用サイト:募集要項 薬剤師(病院薬剤師/治験担当薬剤師)・調剤補助者
広島市立病院機構:薬剤師 給与について
医療法人宝生会PL病院:薬剤師
新百合ヶ丘総合病院:薬剤師-採用情報-
社会医療法人医真会グループ:薬剤師

2. 日中に動ける

夜勤の場合、日中に自由な時間を確保しやすくなります。平日の昼間にしか対応していないような銀行や役所などでの手続き、医療機関の受診などを、有休を使わなくても行えます。

時間を有効活用でき、日勤ではなかなか済ませられない用事を片づけやすくなるでしょう。また、趣味のスクールやレッスンに通う時間にあてたり、スキルアップのための勉強をして資格を取ったりすることも可能です。

自分の生活スタイルややりたいことに合えば、夜勤は満足度の高い働き方だといえます。

3. 人間関係のトラブルが起きにくい

夜勤は1人、もしくは2人程度で行うことが多い勤務形態です。さらに、患者や来店客も昼間より少ない傾向があり、日中勤務と比べて関わる人数が限られやすくなるため、人間関係のトラブルが起きにくい傾向があります。

このことから、「夜勤のほうが精神的な負担が少ない」と感じる人もいるようです。職場での対人関係にストレスを感じやすい方には、比較的働きやすい環境といえるのではないでしょうか。

4. スキルアップできる

薬剤師の夜勤業務では、前項のように日勤よりも少人数で患者や来店客への対応を行う必要があります。そのなかで急変対応などに主体的に関わる場面が多く、実践的な経験を積みやすいことが特徴です。

その結果、判断力や対応力が磨かれ、スキルアップにつながると考えられます。

救急対応や緊急入院時の処方確認など、通常勤務では経験しにくい場面に立ち会うことで、臨床判断力やリスクマネジメント能力が磨かれやすくなるでしょう。医師や看護師との連携も密になることが多く、多職種連携の実践力が身につくことも大きなメリットです。

薬剤師が夜勤や当直で働く際の3つの注意点

薬剤師の夜勤には前章のように多くのメリットがありますが、注意点も頭に入れておく必要があります。無理なく働き続けるために重要な視点です。そこで、事前に把握しておきたい注意点について解説します。

1. プレッシャーが重い

夜勤は一人~二人で業務を担当することが多く、当直では急変した患者にも対応します。判断を一人で任される場面もあり、精神的なプレッシャーが大きくなりがちです。経験が浅い場合などには不安を感じやすい点も、理解しておくことが大切です。

特に病院薬剤師の夜勤では、医師や看護師からの問い合わせに即座に答える必要があります。周囲にすぐに相談できる相手がいない状況では、自身の知識と判断に責任を持たなければなりません。その緊張感が継続すると、精神的な負担が蓄積しやすくなります。

そのため、事前にマニュアルや連絡体制を確認し、不安要素を減らしておくことが大切です。経験を重ねることで自信につながりますが、無理をしすぎない姿勢も重要です。

2. 自分の生活リズムが乱れやすい

夜勤のような夜に働いて昼に休む生活では、生活リズムが乱れやすくなり、睡眠不足や体調不良につながるリスクも考えられます。無理なく仕事を長く続けるためには、生活習慣を見直し、睡眠環境を整えるなどの工夫が欠かせません。

夜勤シフトによって生活リズムが昼夜逆転してしまう場合もあり、体内時計が安定しにくい点も課題です。十分な睡眠がとれない状態が続くと、集中力や判断力の低下につながる可能性もあるでしょう。

遮光カーテンを使用する・就寝前のスマートフォン使用を控えるなど、睡眠の質を高める工夫が必要です。体調の変化を軽視せず、無理のない勤務体制を選ぶことも重要といえます。

3. 家族や友人と生活リズムが合わない

夜勤では、家族や友人が仕事や学校から帰宅する時間帯に自分が出勤するため、生活リズムが合わないことがあります。結果として、プライベートの時間を確保しにくくなる場合もあるかもしれません。

そのため、周囲の理解を得ながら、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。

土日祝日に夜勤が入ることもあり、一般的な生活リズムとずれが生じるケースも見られます。家族行事や友人との予定を合わせにくいことから、孤立感を覚えることもあるでしょう。

そのような状況でもプライベートを充実させるためには、事前にスケジュールを共有し、休みの日に意識的に時間を作る工夫が必要です。働き方と私生活のバランスをどうとるかを考えることが、長く働き続けるためのポイントといえます。

夜勤で薬剤師としてのスキルアップを目指そう

薬剤師の夜勤は、給与面や日中の自由な時間といったメリットがある一方で、プレッシャーや生活リズムへの影響といった注意点もあります。しかし、少人数体制で貴重な業務を幅広く経験できるため、スキルアップにつながりやすい働き方です。

薬剤師の夜勤に興味がある方は、自身のライフスタイルや将来像に合うかを考えてみてください。夜勤のある職場を探したい方は、薬剤師専用の転職支援サービス「ファーマキャリア」に相談してみてはいかがでしょうか。

「オーダーメイド求人」により、自分にぴったりの職場環境に出会いやすくなり、今後のキャリア形成にも大いに役立ちます。


監修者

この記事の監修者

森正弘
薬剤師専任キャリアアドバイザー
社内MVP受賞

【経歴・実績】
・北海道大学大学院(修士)修了 / 元大手インフラ企業 研究職
・社内受注金額MVP / 成約率41%の実績

【プロフィール】
理系院卒の深い理解と論理的交渉で、週休3日や高年収など他社が敬遠する難条件も実現。
深層心理まで掘り下げ、客観的な利点と欠点を提示します。意見を押し付けず、最終的にはご本人の意思決定を最優先に尊重します。

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