ハッピーな空気が流れるサロン兼フリースペース『HAIR&SPACE 7Bridge』
ファッション感度の高い若者が集まる、仙台市青葉区一番町エリアにある『HAIR&SPACE 7Bridge(ヘアアンドスペースセブンブリッジ)』。型にはまらない自由な感性でサロンを運営している代表・菊地大(まさる)さん。サロンのコンセプトやスタッフ教育、今後の展開についてお話を伺いました。
海外で活躍できる仕事で選んだ“美容師”という道
――美容師を目指したきっかけは?
「元々、美容師を目指したわけではないんです。どの職業っていうより、世界を見てみたいっていう夢があって。高校生のときに、テレビを観ていたら“海外で働ける職業”というのを紹介していて、そこで美容師っていうのがあったんです。それで、美容師になろうって思いました(笑)。でも、先生に進められて入学した学校が美容科じゃなくて、理容科で…。中途退学するのも嫌だったので、卒業して理容室に入社したんですが、やっぱりやりたいのは美容だなって確信して退職しました。その後、1年くらいアルバイトをしながら、海外をめぐり、帰国後に仙台市内の美容室に入社しました」
――独立した理由について教えてください。
「入社して10年経ったら独立しようと最初から決めていました。2011年3月いっぱいで退職する方向で話し合っていたんですが、3月11日に東日本大震災が起きて…。物件もほぼ決まっていたのですが、長くお世話になったお店が大変なときに辞めるのは、自分のなかで違うなと思って7月まで延長して、その2か月後には自分の店をスタートさせました。短い準備期間でしたが、つねに独立を意識しながら働いていたので、慌てることなく進められましたね」
――店名の由来は?
「ワールドワイドに仕事がしたいっていう夢があるので“7大陸に橋を架ける”という意味で付けました。出身は岩手県盛岡市なんですが、盛岡や仙台だけしか知らないっていうのは、せっかく生きているのにつまらないなって思っているんです」
――お店のコンセプトは何ですか?
「“一生通える美容室”と“人が幸せになれる空間づくり”です。なので店名に“SPACE”という言葉を入れました。盛岡の実家が中華料理屋なんですけど、厨房の活気のある感じや『いらっしゃい!』ってお客さまを迎えるあたたかい雰囲気が小さい頃から大好きだったんです。そういう幸せを感じる空間を自分でも作っていきたいので、店主催でフットサルのイベントをやったり、店内をレンタルスペースにしてアート作品の展示をしたりしてます。店の壁のペイントも、アートを生業にしていきたいっていう熱い思いがあるアーティストと話し合って、描いてもらいました。みんながハッピーになれる空間や時間をこれからもどんどん作っていきたいですね」
お客さまとの出会いを大切に、長く通えるサロンを目指す
――菊地さんが日ごろ接客などで心掛けていることは?
「どれだけお客さまと本気で向き合えるかってことです。予約が入った時点で下準備からありとあらゆることを考えます。学校の先生だったら板書しているときの後ろ姿がかっこいい方がいいよなとか、看護師だったら病院は蛍光灯だからカラーはこうしてとか…。コンセプトのひとつが“一生通える美容室”なので、技術的なことも接客もしっかり向き合います」
――お客さまとの印象的なエピソードはありますか?
「先日、10年以上通っている男性の奥さまからメールをいただいたんです。それが、お客さまが事故で亡くなられたというお知らせでした。月に一回の美容室帰りの日には、いつも僕と話したことなどを楽しく奥さまに話していて、それを聞くのを毎回とても楽しみにしていたそうです…。つねに本気で仕事に取り組んでいたことが、お客さまに少しでも伝わっていたのかなと実感できました。美容師って手で直接お客さまに触れる仕事なので、手を抜いた仕事すれば全部伝わっちゃうんですよ。ごまかしは効かない。だからどんな小さな作業も一生懸命しなくちゃいけないと思うんです」
ひとりひとりのお客さまにていねいな仕事をすることで、信頼を得ている菊地さん。後半では、4年続けている専門学校講師の経験から、美容師を目指す学生がやるべきことと、『HAIR&SPACE 7Bridge』の今後のビジョンをお伺いします。
Salon Data
HAIR&SPACE 7Bridge
〒980-0811
宮城県仙台市青葉区一番町4-2-4 オイデ一番町ビルB1
022-711-5317
http://www.7bridge-hs.com/
スタッフひとりひとりの自発性を育てるサロン『HAIR&SPACE 7Bridge』>>