金内光信 interview #1:BA東京理事長に聞く美容業界の未来

東京美容生活衛生同業組合(BA東京)とは、美容師の人材不足や労働環境の悪化などといった問題に取り組み、美容業界発展のために活動している組合のことです。今回は、そんなBA東京の理事長を務める金内光信さんにインタビュー。日本の美容業界が今後発展するうえで必要なことについてお話を伺います。
前編では、離職率が高いサロンの現状や、日本の美容業界に憧れるアジアの若者について語っていただきました。

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美容業界の繁栄のために

金内さん

――東京美容生活衛生同業組合が行っている主な活動を教えてください。
「まず、美容師の仕事をきちんと守ることが私たちのもっとも重要な活動です。美容師の業務は高い技術力が必要とされており、国家免許を取得した者にのみ務めることが許されます。また、容姿を美しくするだけでなく、さまざまなサービスを提供できる素晴らしい仕事なんです。ところが昨今、カットに特化した資格を作るための申請が出されるなど、美容師の仕事がおびやかされています。そこで、私たちが行政と連携をとりながら、美容師が安心して働ける環境を作っているんです」

世界ナンバー1と言われる日本の技術を海外へ

美容業界

――とくに力を入れて取り組んでいることはありますか?
「日本の美容業界が外国人の労働を認めていないため、就労を認めるよう働きかけています。なぜなら、大都市にある美容室の多くは人手不足が深刻だからです。また、美容業界を目指す海外の若者が、優れた技術を身に付けるために日本に留学をしているんですよ。彼らは日本語と美容の知識を学ぶため、1,000万近くの費用をかけています。にも関わらず、日本のサロンで働くことが許されないことも多々あるんです。それでは、あまりにも可哀そうではありませんか。かつて、私を含めて多くの日本の美容師がヨーロッパやアメリカで働き、海外の優れた技術を日本に持ち込みました。そして、少しずつ日本の美容業界は発展し、世界のトップと言われている現在の姿があります。今度は、私たちが技術を伝える番ではないかと思うんです」

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美容業界を“育てる業界”にしたい

金内さん

――それでは、美容業界が抱える問題について教えてください。
「離職率が高い点ですね。大型のチェーン店では、30人採用しても多くが途中で辞めてしまいます。一人前になれるのはだいたい5人ほど。原因は、サロンの教育法に問題があるんです。毎日深夜まで練習し、そのうえ休日は研修会があって休めない状況が続くので、耐えられず辞めてしまうんです。これでは貴重な美容師のなり手がどんどん減ってしまい、業界の発展はありません。私は、美容業界をもっと“人を育てる業界”にしたいんです。これ以上、若者の夢をつぶすべきではありません」

――サロンの教育をよくするためにどんなことが必要でしょう?
「指導者の立場を勘違いしている美容師をときおり見かけるので、自分の役割をきちんと理解するべきです。美容室のオーナーなどキャリアを積むと、先生と呼ばれるようになり、偉くなったと錯覚してしまう人がいるんです。そのため、部下への態度がぞんざいになり、適切な指導ができていません。先生の役割は仕事を教えることです。つまり、偉いわけではありません。客観的に自分を見て、丁寧に指導をしてほしいですね」

人間の生き方やあり方について学ぶことが大切だと言う金内さん。「仕事を通して、人間性を教える必要があります」と語ってくださいました。中編では、一流の美容師になるために必要な力や年々安くなっているサロンの料金設定について伺います。

Profile

金内さん

金内光信さん

東京都美容生活衛生同業組合理事長
2010年5月に第8代理事長に就任以降、美容業界発展のために努める。2018年に設立された、亜細亜理美容振興協会の初代代表に就任。日本だけでなく、世界を舞台に幅広く活躍している。

Information

東京都美容生活衛生同業組合(BA東京)

住所:東京都渋谷区代々木1-56-4
TEL: 03-3370-2131(営業時間:平日9:00~17:00)

金内光信 interview #2:美容とは文化である!>>

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