仲野弥和 interview #1:日本鍼灸師会会長に問う鍼灸の魅力とは

ますます健康についての意識が高まっている昨今、不調の時でも薬に頼らず、より体に優しい治療を求める人が増えています。
そこで、今回は鍼やお灸で体の自然治癒力を引きだす鍼灸に注目。公益社団法人日本鍼灸師会会長の仲野弥和さんに、鍼灸についての基本的な知識や施術者に必要な力について語っていただきました。前編では、鍼灸が改善できる症状などについて伺います。

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日本の伝統的医療、鍼灸がもたらすさまざまな効果

仲野さん

――まずは、鍼灸について教えてください。
「鍼灸は、一般に(はりきゅう)または(しんきゅう)と呼ばれており、中国に起源がある東洋医学で日本の伝統的医療でもあります。金属の細い針を刺すことや、燃焼させたもぐさを据えることで、経穴(つぼ)に刺激を加え病気の改善をはかる治療法です。ちなみに、鍼灸医学は飛鳥時代に渡来し、いまでは米国やヨーロッパ各国でも盛んになっています」

――鍼灸は、どのような症状に効果がありますか?
「鍼灸は、さまざまな症状や病気に効果があります。一般には、肩こり、腰痛、神経痛、関節炎ぐらいにしか効果がないように思われていますが、神経痛や自律神経失調症といった神経系疾患をはじめ、動脈硬化症や動悸などの循環器系疾患、気管支炎や喘息などの呼吸器系疾患にも効果があるんです」

自然治癒力を引きだす鍼灸の魅力

仲野さん

――鍼灸治療は、どのように症状を緩和させているのでしょうか?
「薬や手術で症状を改善する西洋医学とは違い、鍼灸は体が持っている自然治癒力を引きだす治療法です。医療機関や大学などでも注目を集めており、研究によると、鍼灸刺激が自律神経系、内分泌系、免疫系等に作用して、筋緊張の緩和や血液およびリンパ液循環を改善すると言われています。ちなみに、西洋医学は、基本的に感染症や接触感染に対応するためにできあがっており、細菌を倒す治療法なんです。しかし現在は、糖尿病など薬では簡単に治せない生活習慣病が増えています。そこで、薬以外の方法で痛みの緩和をはかる鍼灸が注目を集めているんです」

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治療の第一歩は、患者さんの状態を把握すること

仲野さん

――具体的に、どのように治療を進めていきますか?
「痛みが出た要因、痛みが出始めた時期、また家庭環境や生活環境について患者さんの症状の原因をヒアリングします。最近治療をしていると、昔にくらべて自分の体の状態を知らなすぎると感じることが増えました。睡眠不足や、仕事のストレスで体がボロボロの方が多いんです。実は、西洋医学が主流だと思われがちなアメリカは、鍼灸をはじめアロマセラピーやヨガなど西洋医学以外の分野が50%の割合を占めています。日本人よりも自分の体をメンテナンスする意識が高いんです。日本人は年々寿命が伸びているため、いまの医療が100%正しいと考えている人が多いように感じていますが、私は少し違うのではないかと思っています。疫学の分野でもそういった声があがっていますね」

患者さんは、美容師さんなど専門職の方が多いとのこと。毎日、仕事道具を同じ側の手で扱うため体が傾きやすいそうです。中編では、一流の鍼灸師に必要な力や鍼灸業界の課題などについて伺います。

Profile

仲野さん

仲野弥和さん

公益社団法人日本鍼灸師会会長
東京農業大学(1960年卒)、国立三重大学医学部医学研究科(1989年修)、仲野整體整骨本院院長、米国政府公認カイロプラクティックドクター(D.C)、ドクターオブカイロプラクティック1977年卒(L.A.C.C)、日本体育協会スポーツトレーナーなど。誰もが安心して鍼灸医療にかかることができる社会を目指し、活動を続けている。

Information

公益社団法人 日本鍼灸師会事務局

住所:東京都豊島区南大塚 3-44-14
TEL:03-3985-6771
https://www.harikyu.or.jp/index.html

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