安田和正 interview ＃3：マッサージを通して患者さんの笑顔を作る

街に整体やリラクゼーションサロンが増え、年々需要が増しているマッサージ業界。しかし、マッサージについてきちんと理解している人は、そう多くありません。実は、マッサージは古くから人々に親しまれている歴史ある療法。また、高度な技術を要する専門職でもあります。そして、そんなマッサージのプロが “あん摩マッサージ指圧師”です。今回は、公益社団法人日本あん摩マッサージ指圧師会会長、安田和正さんにインタビュー。
あん摩マッサージ業界が抱える課題や、今後の目標などを語っていただきます。後編では、あんまマッサージ指圧師の魅力などについて伺いました。

オリンピックの選手村でマッサージを！

――今後の目標を教えてください。
「東京オリンピックに関わりたいと考えています。選手村に入って、選手たちにマッサージができるよう国にも働きかけているんです。しかし、さまざまな問題があり実現することは、そう簡単ではありません。そこで選手村でなくても、世界中から来るマスコミの人にマッサージをするなど、私たちにできることがあるのではないかと思っています。そういった、活動を通じてあん摩マッサージ業界の発展に貢献していきたいですね」

質の高いあん摩マッサージ指圧師を育てるために

――これからのあん摩マッサージ業界に望むことはありますか？
「あん摩マッサージ指圧師に関心を持つ若者が増えてほしいですね。そして、学校に通ってきちんとした技術を習得してほしいです。最近は、健康に関して意識が高い人が増えていますから、努力して腕を磨けば間違いなく収入は上がります。また、お店の雰囲気も現代に合わせておしゃれにするなど、施術以外でもサービスを工夫しなければなりません。患者さんは、リラックスを求めていらっしゃいますから、その期待に応えるために最大限の努力をするべきです。実は、若い方から『あん摩マッサージ指圧師になりたい』と連絡をもらうことも多いんです。しかし、全国に学校が21校しかなく学ぶ場が足りない現状もあります。それでも、高い技術を持った指導者が教えなければ、技術の低下を招く恐れがあるためむやみに学校を増やせばよいというわけではないんです。ある程度の制限を持ちつつ、質の高いあん摩マッサージ指圧師を養成できる環境を整えていかなければなりません」

患者さんを笑顔にできる魅力的な職業

――最後に、あんまマッサージ指圧師の魅力を教えてください。
「あんまマッサージ指圧師は、患者さんを健康にできる本当に魅力のある仕事です。私は、40年以上この職業に就いていますが、今でも患者さんが喜んでくれるとすごくうれしいんです。『今日も気持ちがよかったです。明日から、また仕事をがんばれます』という言葉に、とてもやりがいを感じますね。患者さんを笑顔にすることができるのが、あんまマッサージ指圧師の何よりも素晴らしいところではないでしょうか」

患者さんとのエピソードを話す際の笑顔が印象的だった安田さん。また、業界の発展について、終始熱く語ってくださいました。これからも、安田さんの元から次世代を担うあんまマッサージ指圧師が、続々と育っていくことでしょう。

Profile

安田和正さん

公益社団法人日本あん摩マッサージ指圧師会会長
講演や勉強会などを通し、あん摩マッサージ普及のために尽力。また、組織づくりにも力を注ぎ、日本あん摩マッサージ業界の発展のために日々活動している。

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