アイリストとはどんな職業?なる方法や就職場所も解説
美容関連の職業に興味のある人なら、一度は「アイリスト」という名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、アイリストとはどんな仕事なのか、具体的にどんな業務をおこなっているのかなど、詳しく理解できていないかもしれません。
そこで、アイリストという仕事の概要や仕事内容についてお伝えします。アイリストになるための方法や勤務場所なども紹介するので、将来を決めるときの参考にしてみてください。
アイリストとは
アイリストとは、まつエクやまつ毛パーマを行うプロのこと。アイリストとして仕事をする場合、国家資格である美容師免許が必要です。
なお、一般的に「アイリスト」という呼び方が浸透していますが、実は、有限会社ローヤル化研によって「アイリスト」という商品名が商標登録されています。そのため、本来は許可なく「アイリスト」と名乗るのはNGであることも覚えておきましょう。
アイリストの仕事内容
アイリストというと、まつ毛パーマやまつ毛エクステなどの施術をおこなう仕事だと思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。
たしかに、アイリストの仕事はまつ毛への施術が多いです。しかし、ほかにアイリストがどのような仕事をしているのか、知られていないこともあるでしょう。
そこで、アイリストの仕事内容について具体的にご紹介します。
まつ毛パーマの施術
まつ毛パーマとは、まつ毛をカールさせる施術のこと。まつ毛パーマをすることで自然なカールのまつ毛になり、目元にインパクトを与えられます。
ビューラーでまつ毛を上向きにする必要がなくなるため、メイク時間を短縮することができ、お手入れも簡単なのが特徴です。
まつ毛パーマの施術の所要時間は1時間ほどですが、まつ毛の質によってはもっと時間がかかることも。デリケートな目元に施術するため、高い集中力が必要です。
まつ毛パーマでは、お客様からデザインなどの希望を聞いたうえで、パーマのかかりやすさ、取れやすさなどを考慮しながらまぶたの上にラバー状のロットを置き、そこにまつ毛を楊枝ではりつけていきます。
まつ毛が硬いタイプの人は、時間を置くなどしてかかり具合を調整したり、まつ毛の長さによってロットを変えたりすることも大切です。
まつエクの施術
まつエクは、皮膚に直接つけるタイプのつけまつ毛とは異なり、エクステンション(人工のまつ毛)を地まつ毛の根元に1本1本装着していきます。
装着するエクステンションの本数は、ナチュラルな印象をキープしたい場合は両目で80本ほど、ボリュームを出したい場合は100~140本ほど。まつ毛が抜けるとばらつきがでてしまいますが、一度装着すれば2週間~3週間は持続するとされています。
まつ毛パーマ同様、目元に施術するため、安全に施術をおこなうのはもちろん、センス良く仕上げられる技術力も必要です。
まつエク自体にカールがついているので、生え方の角度や見え方の好みでカールを選んでもらうことから始まり、エクステをつける量を調整していきます。
施術方法としては、医療用のテープを貼り、まつ毛の生え際から大体1~1.5mmのところに一本1本専用の接着剤(グルー)をつけていく仕組みです。グルーが目の中に入らないように、細心の注意を払わなければなりません。
カウンセリングなどお客様への対応
アイリストは、電話や予約の対応・管理、カウンセリングなど、お客様への接客対応をおこなうのも仕事のひとつです。
お客様が来店したら、施術をする前にカウンセリングをして、健康状態の確認とまつ毛の悩みについてヒアリングします。
カウンセリングの結果まつ毛の施術ができると判断したら、次は具体的にどのようなメニューでまつ毛のケアをするのかを、お客様の希望を聞きながら詳しく決めていきましょう。
なお、まつ毛の質には個人差があり、要望もお客様によって異なります。そのため、満足したサービスを提供するためには、質の高いカウンセリングやきめ細やかな対応が重要です。
カウンセリングでは、好みのまつ毛の長さ・量・仕上がりのイメージを確認し、お客様のまつ毛に合ったエクステンションを選びつつ、要望に沿った一番美しく見えるデザインを提案。
さらに、施術で薬剤を使用するため、アレルギー反応を起こす可能性がないか、事前に肌トラブルが起きないかなどの情報を確認しておくことも大切です。
その他のサロンワーク
施術と接客だけではなく、ほかにもサロンの営業に必要な仕事はたくさんあります。その他の仕事として、アイリストは勤務時間内に、店舗の掃除・ブログやSNSなどの更新・売上の集計・カルテ管理などの業務もこなさなければなりません。
また、スタッフ同士のミーティングや施術の練習なども必要です。
アイリストになる方法
実際にアイリストになるためにはどうすればいいのかというと、美容師免許さえあればほかに必須の資格はなく、アイリストとして働くことが可能です。
実は、一昔前までは、資格がなくてもまつエクの施術をおこなうことができました。
しかし、施術と接客のレベルが低くトラブルが続出するという事態に。不適切な施術による痛みや出血、目の周りの腫れ、かゆみなどの被害が後を絶ちませんでした。
これを受けて、厚生労働省が2008年に美容師免許が必須であることを定め、現在に至ります。
なお、美容師免許の取得については下記ページをご覧ください。
美容師の資格を取りたい!免許取得までの道のりやおすすめの学校を紹介
民間資格を取得するのもよい
アイリストとして目元関連の資格は必須ではありません。しかし、資格を持っているとより深い知識や技術があることの証明になり、他のアイリストと差をつけられます。
具体例としては、日本アイリスト協会が実施する「JEAまつ毛エクステンション技能検定(1~3級)」「JEAまつ毛カール技能検定」や、日本まつ毛エクステンション認定機構が行う「まつ毛エクステンション技能検定(1~3級)」「安全技術師」などの民間資格がおすすめです。
アイリストとして働ける場所は?就職先を紹介
アイリストは実際にどんなところで働いているのでしょうか。アイリストが活躍できる就職先の例を見ていきましょう。
アイラッシュサロン(まつ毛専門店)
おもな就職先として、まつエクやまつ毛パーマを専門におこなうアイラッシュサロンが挙げられます。まつ毛の専門店なので、目元ケアを極めたい方は、キャリアを積みながら大いに実力を発揮していけるでしょう。
美容室やネイルサロンとの併設型店舗
まつ毛ケアに特化したアイラッシュサロンではなく、美容院やネイルサロンとの併設型やトータルビューティーサロンなども増えています。
アイリスト専業として働くほか、美容師免許を所持していることから美容師やネイリストを兼ねる働き方も。幅広く活躍できるといえます。
アイリストの業務形態
ここからは、アイリストとして働くときの業務形態にはどんな種類があるかを紹介します。
直接雇用(正社員・パート・アルバイト)
1つ目は、最も一般的な、サロンから直接雇われる方法。正社員としてフルタイムで働くほか、パートやアルバイトとしてシフト制などで所定の時間働く場合もあります。
面貸し
面貸しとはフリーランスとしての働き方の一種で、他者が経営するサロンの一部のスペースを専用で貸し出してもらう方法。自分で集客し、借りたスペースで接客・施術をおこなって、売上の一部をサロンに場所代として支払います。
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業務委託
業務委託とは、任意のサロンと業務委託契約を交わし、サロンのお客様に対して施術をする業務形態。売上の一部が手元に入る歩合制であることが多いです。
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開業(サロンオーナー)
アイリストとしてある程度の経験を積んだのち、自分で店を開く方法もあります。開業までには手間や費用もかかりますが、自分がオーナーになれば理想通りのサロン作りができることが大きなメリット。しっかりと売上を上げられれば、収入にも反映されやすくなります。
アイリストとしての仕事を楽しもう
アイリストは、美容師免許を持っていれば就ける仕事です。まつ毛への施術のほかにも、来店時やカウンセリング時のお客様対応、集客、売上管理、店内清掃など、やることがたくさんあります。
しかし、お客様の美をサポートできることから、興味のある人はきっと大きなやりがいを感じられるので、ぜひ目指してみてください。働き方にもさまざまなタイプがあるので、自分に合った働き方を選ぶことも大切です。
引用元
一般社団法人日本アイリスト協会
JEA技能検定試験概要 | 一般社団法人日本アイリスト協会
JEAまつ毛カール技能検定試験 | 一般社団法人日本アイリスト協会
jeca #日本まつ毛エクステンション認定機構
技能検定試験 | JECA一般社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構