柔道整復師の就職先はどんなところ?収入や将来性とあわせて求人の探し方を紹介
骨折や捻挫・脱臼などの処置を行う柔道整復師。治療は手術や投薬ではなく、おもに手技で行うのが特徴で、専門的な知識や技術を用いるため国家資格の取得が必要です。
そんな柔道整復師が、資格取得後にどんなところへ就職しているのか気になる人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、柔道整復師氏の就職先を中心に、収入や将来性・その他医療系の資格との違いなどを紹介します。求人の探し方についてもお伝えしますので、参考にしてください。
柔道整復師の就職先にはどんなところがある?

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以前は、柔道整復師が働く場所は接骨院か整骨院が一般的でした。近年は、病院や医療機関で働く人も増えている傾向で、身近なホームドクターや健康アドバイザーとして、介護施設などに就職している人もいます。
以下で柔道整復師の就職先ついて詳しく見ていきましょう。
1. 病院や医療機関
帝京大学の進路実績によれば、卒業生の約70%が病院・医療機関へ就職しています。
医師の補助的役割になるような整形外科もあれば、マッサージ的な処置をするところや電気器具の付け替えだけを担当するような整形外科など、担当業務はさまざま。
いずれにしても、医師よりも時間をかけてお客様の症状について話を良く聞くことができたり、身体に触れることで安心感を持ってもらえたりする立場にある柔道整復師は、病院や医療機関ではなくてはならない存在です。
引用元
帝京大学|進路・就職先状況
2. 整骨院・接骨院
整骨院は、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷など、主に急性の外傷に対して施術を行います。医療保険が適用となり、保険請求ができることが大きな特徴です。
最近では、自由診療を用いた施術をしているところも増えてきています。自由診療では、より深い処置を求めてくるお客様に対して、治療だけではなくマッサージなどの癒やしのメニューを提供するところも。
また、外傷の治療にも自由診療を使うことで1回の治療に長い時間をかけ、結果的に短いスパンでしっかり治す施術をしている整骨院(接骨院)も増えてきています。
このように、他の院と差別化を行っている院も増えてきました。どんな施術を売りにしているのかなどを調べ、自分の希望と照らし合わせてみましょう。
3. 介護関連施設
デイサービスでは、要介護者に対して機能訓練指導員として勤務することができます。ここでは高齢者に対しての筋力低下予防のためのリハビリやマッサージ、歩行訓練を行います。
現在、柔道整復師の需要が多い介護施設で、午前と午後に10名前後ずつ少人数の半日型デイサービスを受け入れているところが増えているようです。
このデイサービスは半日だけの利用のため、食事介助や入浴介助などの介助目的ではなく、機能訓練目的の方がほとんど。そのため、比較的介護度は低めのお客様が多い傾向にあります。
また業務の一つとして、お客様の送迎があるので運転免許必須のところが多いです。送迎を行うことでますますお客様とのコミュニケーションが取れ、馴染みになりますね。
柔道整復師は機能訓練指導員にもなれる!
さきほどお伝えしたように、柔道整復師は、機能訓練指導員にもなれます。機能訓練指導員とは、リハビリが必要な人に対してリハビリ指導・リハビリメニューを考案する職業です。
機能訓練指導員は、指定の国家資格を保有している必要があり、柔道整復師も指定されている国家資格に該当します。
また、特別養護老人ホームやデイサービスを提供している事業所では、規定人数以上の機能訓練指導員を配置する必要があるので、介護業界においても需要が高いのが柔道整復師といえるでしょう。
もちろん、持っている国家資格によって機能訓練指導員としてのポジションは変わりますが、筋肉や骨といった運動器官への知見が深い柔道整復師は、介護施設でも重宝されます。
機能訓練指導員について詳しい内容は下記の記事を参考にしてみてください。
機能訓練指導員として働く柔道整復師の仕事内容とは|柔道整復師の機能訓練指導員は需要がある?
4. スポーツチームなど|実業団や選手との専属契約
スポーツトレーナーには、大きく分けると2つのパターンがあります。
1つ目は、個人的にスポーツ選手と専属契約を結ぶパターンです。専属契約を結ぶまでは、アルバイトなど他の仕事をして生計を立てなければなりません。
2つ目は、スポーツチームで契約を結んでいる整骨院・接骨院で働くパターンです。現場で働きながら、スポーツ選手の大会にも帯同し、いろいろな選手を診ます。収入面は安定しますが、院の「チーム」として帯同するので、特定の選手を診ることはできません。
帯同するスポーツによって異なりますが、休みはチームに従って取ることになります。
5. スポーツジム・フィットネスジム
スポーツジム・フィットネスジムでは、柔道整復師の知識を活かして、利用者のトレーニングメニューを考案したりトレーニングの指導を行ったりしている人もいます。
筋肉や骨格といった身体の構造を理解しているため、利用者の目的に合ったプログラムを造ることが可能です。
また、ジムに併設している治療院で働いている柔道整復師もいます。
6. 養成機関|教員として活躍
この他に例外的な仕事として、柔道整復師の専門学校や大学などといった養成機関の教員になることもできます。ある程度のキャリアを経験してから教員になることをおすすめします。
独立して開院する人も
柔道整復師は開業権があるため、資格取得後は自分で「整骨院」や「接骨院」を独立開業することが出来ます。これは理学療法士などには認められていない特権です。
経験年数は問わず、柔道整復師の資格を持っていれば誰でも開業することができます。ただし、開業するためにはまとまった資金は必要です。
資金を確保できても、お客様を満足させるだけの技術がなければお客様は来なくなってしまうため、現場である程度経験を積んでおくのがよいでしょう。。
開業する場合のメリットは、自分で一からすべてを決められる点です。また、1人でやるなら人件費もかかりません。
注意点としては、院の増加による競合と、収入が不安定になりやすいことです。開業した場合の年収・月収は、個人差が大きいため、必ずしも稼げるとは言えません。
柔道整復師の収入はどれくらい?
厚生労働省運営の「job tag」によると、柔道整復師の年収は459.3万円です。また、ハローワーク求人統計データでは、求人賃金は1カ月あたり26.8万円となっています。
なお、就労する分野や施設形態・経験年数などによって年収や月収は異なるため、目安として考えておくのが無難です。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|柔道整復師 – 職業詳細
実際の給料はどれくらい?リジョブの求人をチェック!
美容・ヘルスケア業界に特化した求人サイト「リジョブ」では、柔道整復師の求人を扱っています。リジョブの求人をもとにした給料は以下の通りです。
正社員 | 月給下限 | 月給上限 | 平均 |
スタッフ | 250,924円 | 587,900円 | 419,412円 |
店長(候補) | 277,508円 | 561,118円 | 419,313円 |
アルバイト | 時給下限 | 時給上限 | 平均 |
スタッフ | 1,143円 | 1,461円 | 1,302円 |
店長(候補) | 1,108円 | 1,469円 | 1,289円 |
業務委託 | 月収下限 | 月収上限 | 平均 |
スタッフ | 280,000円 | 588,500円 | 434,250円 |
店長(候補) | 281,111円 | 511,111円 | 396,111円 |
※2024年7月現在
ワークライフバランスを保ちやすい職場はどんなところ?
整骨院や接骨院は営業時間が長めで、土日に診療しているところも増えています。オープン準備や閉店作業なども加味すると、拘束時間が長くなりやすい環境です。
一方、医療機関や介護関連施設は比較的短時間なので、ワークライフバランスを保ちたい人に適しているかもしれません。
しかし最近では、シフト制で早番・遅番などを決めるところも増えているので、どの職場であっても自分に合った働き方ができるところは探しやすいでしょう。
柔道整復師の将来性は? 需要は高いの?
柔道整復師の需要と将来性について気になっている人も多いでしょう。ここでは柔道整復師の需要と将来性について詳しく解説します。
柔道整復師は需要が高い!|活躍できる場所が多い
柔道整復師は、就職先について紹介したように幅広い業界で活躍できます。その一つの理由として手術を行わない施術ができるからです。高齢者や体に傷が残るのを嫌がる人には、柔道整復師の持つ技術はとても役立ちます。
そのため、どの業界にいっても重宝されることが多く需要が高い職業といっても過言ではないでしょう。
これからはどうなる? 柔道整復師の将来性
柔道整復師は、日本人口の高齢化にともなって、福祉分野でも活躍できる地域医療の担い手としても活躍できるようになりました。
他にもスポーツトレーナーとしての需要も高まりつつあり、分野に通じた資格を併せ持つことで柔道整復師よりも活躍できる可能性が広がるでしょう。
押さえておきたい医療系資格の違いを紹介! ダブルライセンス取得を目指すなら?
柔道整復師には似たような資格がいくつかあります。ここでは他の医療系資格との違いについて解説しながら、柔道整復師と併せ持つとおすすめの資格について紹介します。
理学療法士との違いとは|開業権アリ・ナシ
柔道整復師と理学療法士の違いは、怪我をした人の治療や機能を回復させるという点において共通ですがやり方に違いがあります。
柔道整復師の場合には、自分の手技を使って捻挫・脱臼・骨折などを治療する一方で、理学療法士は運動療法と物理療法(電気刺激や温熱など)を組み合わせて運動能力を回復させます。
また、理学療法士の場合は独立開業権がありませんが、柔道整復師は独立開業権を持っているので自分で店舗を開業することができます。
整体師との違いとは|民間資格・国家資格
柔道整復師と整体師の違いは、資格区分の違いと施術内容の違いがあります。柔道整復師は国家資格なので、3年以上養成施設で知識と技能を修得することで受験資格を得られます。
整体師は民間の資格なので、各団体が定めた条件や試験をクリアできれば資格をもらえますし、資格がなかったとしても整体師を名乗ることができます。
施術内容としては、整復法・固定法・後療法といった施術を行うのが柔道整復師で、慢性的な疾患の施術を覗いて保険診療が適用されます。
一方で整体師は、回路プラティックやリフレクソロジーといわれる民間療法で施術を行うため、保険診療はできません。
また、柔道整復師は、接骨院・整骨院・介護福祉施設・医療施設で働くことができ、整体院に就職・転職することもできますが、整体師は整体院・リラクゼーションサロン・カイロプラティックサロンなどの資格が不要な場所でしか働くことができません。
整体師と柔道整復師の違いについては下記の記事で詳しく解説しています。
柔道整復師と整体師はどう違うの?それぞれの資格を取得するメリット・デメリットや求人の探し方を紹介!
鍼灸師との違いとは|ダブルライセンスにおすすめ
柔道整復師と鍼灸師の違いは、手技を使って捻挫・脱臼・骨折を治すのか、身体の不調を治すのかという違いがあります。
鍼灸師は、鍼(はり)や灸(きゅう)その他赤外線レーザーや低周波通電などを用いて、経穴(いわゆるツボ)を刺激し身体の持つ力を活性化させることを専門としています。
鍼灸師は国家資格でもあり、資格は「はり師」「きゅう師」に分けられています。柔道整復師と併せ持つことで仕事の幅が大きく広がるので、ダブルライセンスにおすすめです。
鍼灸師と柔道整復師の違いについて詳しい内容は下記の記事をご覧ください。
鍼灸師と柔道整復師どちらを目指す? 仕事内容・資格・給料の違いを解説
あん摩マッサージ指圧師との違いとは|ダブルライセンスにおすすめ
あん摩マッサージ指圧師と柔道整復師の違いは、捻挫・脱臼・骨折を治療するのか、手技で身体を整えるのかに違いがあります。
あん摩マッサージ指圧師は、あん摩術・マッサージ術・指圧といった技術を用いて、血液の循環を促したり、ツボを圧迫し体が本来持っている力を引き出したりといった施術をします。
このあん摩マッサージ指圧師は、医療系の国家資格でもあり、柔道整復師と併せて持つことで自信とキャリアの幅を広げられるでしょう。
あん摩マッサージ師についての詳しい仕事内容については下記の記事を参考にしてください。
あん摩マッサージ指圧師に必要な資格とは?仕事内容や活躍の場とあわせてやりがいや将来性も紹介
柔道整復師の求人を探すには?
柔道整復師の就職先は、多種多様であることが分かりましたが、実際の求人を探すにはどのような方法があるのでしょうか?以下で3つの方法を紹介します。
学校や教師・先輩から情報を得る
柔道整復師を目指す人は、国家試験を受験する前年の夏ごろから就職活動を始めるのが一般的。そのため、学校に集まる求人情報を活用する人が多いです。また、教師や先輩から求人を紹介してもらうなどして、就職先を探す人もいます。
ただし、国家試験合格を前提に就職活動を進めるため、試験勉強もおろそかにしないよう注意しましょう。
転職エージェントを活用する
転職希望者は転職エージェントを活用することも多々。エージェントは、ひとりひとりにアドバイザーがつくのが特徴です。希望条件を相談し、転職のサポートが受けられるほか、非公開求人を紹介してもらえることもあります。
ただし、応募や面接日の日程交渉などもアドバイザーが行うため、次項で紹介する求人サイトよりも時間がかかるかもしれません。また、アドバイザーとの相性も、転職活動に影響する可能性があります。
エージェントを利用する際は、柔道整復師を含む「治療家」の転職サポートに特化した会社を選ぶとよいでしょう。
求人サイトを利用する|柔道整復師にはリジョブがおすすめ
自分の好きな時間に、手軽に求人を探せる求人サイトも人気があります。希望条件を指定して検索すれば、自分好みの求人を見つけやすいのが特徴です。求人サイトによって扱う求人には違いがあるため、複数のサイトを併用する人もいます。
また、求人の検索だけでなく、スカウトや応募機能も備わっていることが多いため、自分のペースで就職・転職活動をすることが可能です。
柔道整復師の求人を探す際は、数ある求人サイトのなかでも、とくに「リジョブ」がおすすめ。指定できる条件が豊富で、仕事内容や施設形態・立地なども選ぶことができます。
転職満足度※が非常に高く、転職希望者にも適した求人サイトです。
※リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月8日)
柔道整復師は活躍できる分野が多い!自分に合った職場を見つけよう
柔道整復師には主な就職先として接骨院・整骨院があります。しかしそれ以外にもスポーツ分野や整形外科などの病院、介護福祉施設といった幅広い就職先が考えられます。
とくに介護や福祉の分野では、高齢化に伴い今後もますます需要が高まっていくことが予想されます。
柔道整復師以外の資格も併せ持つことで自分自身のキャリアや活躍の場が広がるので、自分の目指している業界・やりたいことに併せて未来を切り拓いてくださいね。
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