ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2020-02-07

機能訓練指導員として働く柔道整復師の仕事内容とは|柔道整復師の機能訓練指導員は需要がある?

機能訓練指導員とは、リハビリが必要な人に対して、リハビリの指導はもちろん、その人に合ったリハビリメニューを考案する職業です。リハビリメニューの考案や指導をおこなうには、指定されている国家資格を取得していなければなりません。

指定の国家資格としては、「看護師」「言語聴覚士」をはじめとする看護・福祉関連資格が該当し、それらを持つ人が条件を満たすことで、はじめて機能訓練指導員の仕事に携われるようになります。「柔道整復師」も指定の国家資格のひとつです。

ここでは、機能訓練指導員として働く柔道整復師の仕事内容や、求人市場での需要についてご紹介します。

機能訓練指導員として働く柔道整復師の勤務内容とは?

機能訓練指導員のおもな業務内容としては、「リハビリそのものの指導」と「リハビリメニューの考案」があります。しかし、具体的な業務内容に関しては、機能訓練指導員それぞれがもともと所持していた国家資格によって若干異なってくるのです。

取得している資格によって業務内容が異なる理由としては、特定の国家資格保有者だけが許可されている業務を機能訓練指導でおこなうケースがあるためです。効率的な機能訓練指導をおこなわなければならない現在では、それぞれがおこなえる業務を重視する必要があります。そのため、柔道整復師が機能訓練指導をおこなうケースでも、柔道整復師の資格を持っているからこそできる仕事やサービスの内容を把握しておかなければなりません。

ここでは、柔道整復師がおこなえる機能訓練指導の内容を見ていきましょう。

柔道整復師の経験を活かしてリハビリ業務に関わる

そもそも柔道整復師とは、骨折や捻挫、打撲といった骨や筋肉の損傷に対して、体の外側から「整復」をおこなうことで、回復を促す職種です。整骨院や接骨院で施術をおこなっている人は、この柔道整復師の資格を保有しています。

柔道整復師ならではの施術をおこなうためには、体の仕組みや症状に対する最適な施術方法を知っておくことが大切です。さらに、これらの知識・技術は機能訓練指導の業務でも活かせます。

たとえば、骨折による後遺症を緩和させるためのリハビリが必要な人には、その症状に特化したリハビリメニューを作成しなければなりません。柔道整復師であれば、その知識・経験を活かせるので、より効率的なリハビリを考えることができます。

どこで働くことが多い?|老人ホームやデイサービス

取得している国家資格の種類にかかわらず、機能訓練指導員は「特別養護老人ホーム」や「デイサービスを提供している事業所」など特定の施設では、規定人数以上を配置しなければなりません。そのため、これらの施設で柔道整復師が機能訓練指導員として働いていることはよくあります。

一方、柔道整復師の資格を持っている人には、整骨院や接骨院を開業するために必要な「開業権」が与えられます。そして、機能訓練指導経験のある柔道整復師がこの権利を利用して開業する際、柔道整復師であると同時に機能訓練指導員として自分を登録できるので、同じ職種の人材を新たに雇う必要がないのです。

柔道整復師と機能訓練指導員は兼任できるため、柔道整復師が開業した施設や事業所では、機能訓練指導をおこなうことも珍しくありません。

柔道整復師の機能訓練指導員は需要がある? 求人情報をチェック

制度だけを見ると、機能訓練指導員が柔道整復師の資格も活かして働ける場所は多くあるといえます。そのため、柔道整復師の資格を持っている人のなかには、柔道整復師の資格・知識・経験をすべて活かせる、機能訓練指導の仕事に携わりたいと考えている人も少なくないでしょう。

もちろん、いくら制度上では活躍できる場が多いとはいっても、実際の求人市場ではどれくらい需要があるのかがわからないと、この職種に就く決断はできない、という人も多いのではないでしょうか。

ここでは、「機能訓練指導員として活躍できる柔道整復師は、どれくらいの需要があるのか?」という疑問について、求人情報をもとに解説していきます。

柔道整復師の機能訓練指導員は需要アリ!

介護をおこなっている事業所では、入浴や食事といった日常生活の補助だけでなく、けがや運動機能の回復を促進するためのリハビリ業務をおこなうこともあります。

現在では、高齢者を中心にリハビリを必要としている人が多くなっています。そのため、リハビリに特化したサービスを提供できる柔道整復師は、機能訓練指導の現場においても一定の需要があるといえるでしょう。

また、日常生活の補助は、ごく軽いものであれば家族がおこなうことも可能ですが、リハビリに関しては専門知識を持つ人しかおこなえないという実情もあります。このような「替えがきかない」という点においても、この機能訓練指導員として働ける柔道整復師への需要は高いといえます。

一方、事業所や施設によっては機能訓練指導に携わった経験がない柔道整復師を雇用し、機能訓練指導員として自立できるよう、育成に力を入れていることも珍しくありません。そのため、未経験者でも採用してもらえる可能性はあるのです。機能訓練指導をおこないたいと志したばかりの柔道整体師にも、一定の需要はあるといえるでしょう。

正社員の給与はどれくらい? 手当はある?

機能訓練指導員は多くの人の役に立てる仕事ですが、やりがいだけでは仕事は続けられません。そのため、機能訓練指導もおこなう職種として就職する際には、給与を確認しておくことも忘れないようにしましょう。柔道整復師が機能訓練指導の仕事に正社員として就いた場合の給与は22~30万円が相場となっており、条件のよい職場では35万円程度にまでおよぶこともあるようです。

給与のほか、扶養手当や住宅手当、時間外手当といった基本的な手当てがつく事業所も多く、勤務形態によっては30万円強の収入をえることも難しくないでしょう。さらに、事業所によっては柔道整復師の国家資格を持っていれば資格手当を支給してくれるケースもあり、この点は柔道整復師ならではのメリットといえます。

介護業界は給与が少ないというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、多くの現場で求められている柔道整復師の資格を持っていれば、基本給が若干多いというメリットがあるのです。また、諸手当もつくので、比較的収入は安定しやすいといえるでしょう。

機能訓練指導員は柔道整復師の資格を活かせる仕事! 自分の条件に合うところに応募しよう

機能訓練指導員は、リハビリが必要な人に対して、リハビリの指導やメニューの考案といったサービスを提供します。体の仕組みや症状に応じた適切な施術方法を熟知している柔道整復師は、それらの知識や実際に働いた経験を機能訓練指導の業務に反映できるので、機能訓練指導員として、とくに適した資格であるといえるでしょう。

柔道整復師の資格を活かせる仕事に就きたいという人は、機能訓練指導員の仕事を選択肢のひとつとして考えてみるとよいでしょう。また、この職種では柔道整復師の資格を持っていると需要が非常に高くなるので、数多くある求人のなかから、自身が希望する条件に合ったものを探して応募すれば、長期的に働けるはずです。

参考元:
日本手技療法協会
「機能訓練指導員と柔道整復師 介護・リハビリの現場で「機能訓練指導員」が注目されている。」

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの機能訓練指導員求人をリジョブケアで探す

株式会社リジョブでは、介護・看護・リハビリ業界に特化した「リジョブケア」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄