柔道整復師には夜間に学べるところもあります 夜間で通うメリット・デメリット、注意するポイントについてお伝えします
柔道整復師は、日本古来の武道である柔術(柔道)に基づいて「ほねつぎ」「接骨師」として昔から知られてきました。 その手技は、骨折・脱臼・捻挫・打撲などの外傷治療を「非観血的療法」といって手術をしない治療法で治すものです。
厚生労働大臣が認定した養成施設で3年以上、解剖学、生理学、公衆衛生学などの基礎系科目と柔道整復理論、リハビリテーション学、外科学概論、柔道整復実技などの専門科目を履修し国家試験の受験資格を取得して、卒業後国家試験に合格すると、厚生労働大臣免許の「柔道整復師」となることができます。
また、医師や歯科医師と同様に独立開業ができる医療系資格の一つです。2002年のWHO(世界保健機関)において「Judo Therapy(柔道セラピー)」として紹介され、世界的にも広く認知されました。
病院や接骨院で働くだけではなく、独立開業の他にはスポーツや福祉などさまざまな分野で活躍でき、 日本だけでなく世界にも活動の場は広がっています。
そんな柔道整復師になるための専門学校には、昼間コースの他に夜間で学べる学校もたくさんあります。夜間の専門学校に通いながら柔道整復師を目指すメリット、デメリットをご紹介していきましょう。
働きながら学びたい人は夜間コースがオススメ
柔道整復師を目指す専門学校の夜間部に入学すれば、仕事をしながら専門技術や知識を学ぶことができます。多くの夜間部は18時から19時に授業を開始するので、バイトや仕事、家事などの時間を有意義に使うことができます。
また、一般的に夜間部と昼間部で授業内容が変わることはほとんどなく、授業時間もしっかり確保されています。
昼間の仕事と両立しながらの学業はとても忙しくなりますが、途中で挫折することがないように、メンタルケアやスケジュール管理のサポート体制を充実させている専門学校もあります。
また、仕事と両立して学校に通う人に多い悩みが、学費問題。夜間部にだけ適用される学費減免制度や特待生制度があります。費用の問題で二の足を踏んでいる人は、それぞれの学校の資料に記載されている学費情報を良く調べてみましょう。
夜間部を選ぶ人で圧倒的に多いのは、仕事をしているサラリーマンやOLです。昼間に仕事をしている人は、勉強をしたくてもなかなか学校へ通う事は難しいため、そういった人達の為に夜間部はあります。
基本的に夜間部は2コマ分しか授業はないので、仕事をしている人にはちょうどいい量でしょう。
夜間に学校に通うことによるメリット・デメリット
夜間部に通うことによってどんなメリットがあるのでしょうか?実際に通っている人は、充実した毎日を送れていると思いますか?
また、デメリットがあるとすればどんなことなのでしょうか?
メリット
夜間の学校には勉強熱心な学生が多いので、一緒に学んでいて良い刺激になるという意見が多くみられます。
昼間の学生と比べると、目的意識がはっきりしている生徒が圧倒的に多いので、良い意味で染まることができますね。他にも夜間部にはメリットがたくさんあります。
平日の授業数は基本2〜3コマです。仕事の後に学ぶにはちょうど良いと言えます。それ以外に、土日のどちらかに1日学校へ出ることが決められている学校もあります。
これなら、平日の昼間は普通に働いて、夜は短時間学校へ行けばいいだけなので、仕事と学校を両立できるでしょう。
また、家ではなかなか落ち着いて勉強ができないという人のために、授業終了後も校舎を開放している学校もあるようです。図書館や自習学習室を使える学校が多いので、静かな環境でじっくりと学ぶことができます。
わからないことがあった時には、すぐに図書館で調べることができるのもいいですね。先生も夜遅くまで残ってくれている場合もあるので、わからないことを直接聞けるのも魅力的です。
授業料などの免除制度がたくさんある
専門学校の夜間部は、昼間部に比べて授業料が安く設定されている場合が多いです。3年間で、平均で50万円〜100万円前後も安くなります。これは、授業時間数が昼間部に比べて少ないからです。
さらに、学費が安いことから夜間部を選ぶ人が多いので、学費の分割払いや納入期日の相談にも応じてくれる学校があります。
また、専門実践教育訓練給付制度という、労働者や離職者が、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、本人が支払った学費の一部を支給する雇用保険の給付制度もあります。
昼間は働くことが出来るため経験を積むことも可能
昼間に他の仕事をしていれば、学生でありながら社会人としての経験を積むことができます。
お客様とのコミュニケーション能力、事務作業力、勤務先での上司との接し方などは、卒業して就職したときにすぐに役立つことですね。
年齢が高くても学びやすい
専門学校の夜間部には、幅広い年齢層の生徒が通ってています。平均的に20歳未満の学生は5%以下で、20代~30代の学生が過半数を占めています。40代以降の学生もおり、1つのクラスに集まっている顔ぶれは、昼間の学校とは全く異なります。
すでにあんま・マッサージ師や鍼灸師の資格を持っている人は履修教科を免除される場合もあります。またクラスにそういう人がいれば、いろいろなことを教えてもらえます。
大人になってから学ぶことに抵抗を感じている人や、年下の学生とクラスメートになることに不安を覚えている人は、体験入学などで学生の年齢層とクラスの雰囲気を確認してみましょう。
若い年齢層の学生は思っている以上に少なく、年齢を超えて抵抗なく学べることが分かるはずです。そのため、オープンキャンパスには必ず参加しましょう。入学した学生の95%以上は、オープンキャンパスに参加をして進路を決めています。
働きながら施術を学ぶ者同士、お互いの苦労を理解しているからこそ、卒業後もかけがえのない仲間となるはずです。
学校で昼のバイト先をあっせんしてくれる
昼間の働き先をあっせんしてくれる専門学校もあります。学校と職場が提携しているので、勤務時間も相談できますし、試験前には休ませてもらうこともできます。
さらにその職場と相性が良ければ、そのまま就職できる可能性もありますからその場合は、就職活動もしなくて済みますね。
また、実際に柔道整復師として働いている職場の先輩で同じように専門学校の夜間部で資格を取った人がいるなら、経験談を教えてもらったり、相談に乗ってもらえたりすると思います。同じ境遇の経験者ほど頼りになる人はいません。
デメリット
夜間部に通うデメリットにはどんなことがあるでしょうか。短い時間に授業が詰まっているので、ついていくのが結構たいへんという意見もあります。それなりの覚悟や目的意識が必要なようです。
生活スタイルが変わってしまう場合がある
夜間の柔道整復師コースは、たいてい22:00前後まで授業があります。そのため、通学距離を考慮して学校を選ばないと、夜型の生活に変わってしまう可能性があります。
昼間に仕事やバイトをしながら夜間部に通う人は、授業に集中できないほど疲れてしまうという話を聞いたりもします。
そこで、できる限り時間管理を徹底し、健康を損なうことのない生活リズムをつくるようによりいっそう心がけましょう。そのため、家族や友人などまわりに協力を仰げるときは遠慮なくしましょう。
カリキュラムによっては日中の活動に影響を与えてしまう
また、インターンや就業訓練などの特別カリキュラムが入った時、昼間のスケジュールにも影響が出ることは承知しておく必要があります。
入学前に特別カリキュラムもチェックしておき、自分の昼間の予定と両立させられるかを検討しましょう。昼にカリキュラムが入っているときは、前もってこの日は休みたい、と昼間の職場に伝えておくことが大切です。
これらのデメリットは、事前に確認・計画することで回避できるものですから、事前のチェックは大切ということです。
夜間の学校を探すときに注意するポイント
自宅や昼の職場から通う利便性、学費は支払えるか、カリキュラムは自分にとって無理のないものか、これらをチェックしたら、他にはどんなことを注意して学校を探したら良いでしょうか。
授業のカリキュラムは昼間部と差があるのかどうか
授業では、国家試験受験資格を得るために決められた科目を受講しなければならないわけですが、夜間部は昼間部に比べてコマ数や総授業時間がどうしても少なくなります。
となると、短い時間で効率よく学習を積まなければ十分な勉強ができないとも言えます。学校を選ぶときは、それを考慮して効率的なカリキュラムが組まれていることを確認しましょう。
また夜間部には勉強熱心な学生が多いので、時間を無駄にしないで短い時間でも熱心に学ぶことはできるでしょう。
授業の開始は何時から始まるか
昼間の予定と合わせるために、授業開始時間は大切です。夜間部には食事休憩はありませんから、少し余裕を持って通えるようにしましょう。
授業の終了時間も遅くなるため、女性は帰宅時の安全も考えて通いやすい学校を選びましょう。
夜間で学ぶ方はメリット・デメリットをしっかりと確認するようにしてください
昼間部と別に夜間部のコースを設ける専門学校は年々増えています。カリキュラムもさまざまな工夫がなされているようです。
自分が、どのようなスタイルで柔道整復師になるための学校に通いたいのかをよく考えましょう。
どんな学校でもそうですが、昼間の仕事と夜間の学校を両立させることは並大抵の努力ではできません。将来の目標をしっかり立てて、いつ何になりたいのか、どんな柔道整復師になりたいのか決めておかないと、途中で投げだして挫折してしまうということも考えられます。
専門学校の先生やカウンセラーの人に相談したり、仲間と助け合ったりできる環境を自分なりに整えて、何事も乗り越えられるようにしてください。