スポーツトレーナーになるにはどうすればいい?仕事内容やトレーナーの種類についてお伝えします
良いニュースから悪いニュースまで、スポーツ界では様々な競技のニュースが話題になっています。
特に日本では部活の文化が長年根付いており、学校教育の一環として、スポーツに小さいころから何かしら触れてきている人も多くいるはずです。
もちろん選手として活躍している人や、監督は表に出ることが多いわけですが、選手よりも多くの人が裏方でサポートに当たっているという話もよく聞くかもしれません。
スポーツにおいて様々な仕事をしている人がいますが、よく聞く職業名にスポーツトレーナーがあります。皆さんはスポーツトレーナーの仕事についてどのくらい知っていますか?
スポーツトレーナーは選手が練習をする際に様々な方向からサポートを行い、本番でより良いパフォーマンスが行えるように調整を行う人のことを言います。
しかし、同じスポーツトレーナーでも様々な種類のトレーナーが存在しており、また、職場も様々な場所があるので全員が同じ働き方なわけではありません。
そこで今回は、スポーツトレーナーの仕事について詳しく紹介していき、スポーツトレーナーになるための方法や、働く場所、トレーナーの資格についてもお伝えしていきます。
スポーツトレーナーってどのような仕事?
スポーツトレーナーと言っても、様々な専門分野の知識を持った人が、それぞれのアプローチでスポーツ選手や、スポーツを行う人をサポートするため、一概に同じことが言えるわけではありません。
代表的なスポーツ栄養士、アスレティックトレーナーは、知っている人も多いかもしれません。これは、日本スポーツ協会が資格を発行しており、専門的な知識と技術を有している証明にもなります。
この資格を持っていると、様々な場所での就職やスポーツチームにて、トレーナーとして働くのに有利になることもあります。全てを紹介することは出来ないので、今回はスポーツ栄養士とアスレティックトレーナーの2つについて詳しく紹介していきます。
スポーツトレーナーはどのようなことをするの?
具体的に、スポーツトレーナーは普段どのような仕事を行っているのかを次に紹介していきます。
スポーツ栄養士
先ずスポーツ栄養士の仕事内容には、担当する選手や、勤める会社の施設利用者に対して栄養面からサポートを行い、目的に応じた提案をして実施するのが主な業務になります。
どこまでサポートするかは契約内容によっても変わってきますが、日常の食事から大会、遠征時における食事管理、飲み物まで全てを管理する場合から、食事に関する相談を受けてアドバイスをする場合など、どのくらい関わるかによって仕事内容も変わってきます。
アスレティックトレーナー
アスレティックトレーナーは、選手がスポーツをしていく上でトレーニングのメニューを考えたり、実際に行う際にサポートやアドバイス・管理を行います。
アップからクールダウンまで、総合的にメニューを考えながらサポートを行うのが仕事です。
練習後のケアや、ケガの際のテーピングなども行う必要があります。選手の状況を見てメニューを変えたり、設備や周辺環境も考慮していくので、選手が納得する提案が出来るというのも大切な要素となってきます。
スポーツトレーナーになるための手順
スポーツ栄養士やアスレティックトレーナー以外にも資格を持っていたり、資格がなくても実績があればトレーナーになれる可能性はあります。
主に、スポーツトレーナーになるための手順としては、3パターンあります。
資格を取得できる学校に通う
スポーツトレーナーとして活躍するための資格を取得できる大学や専門学校、その他の養成学校に通い、知識や技術を身につけて資格を取得する方法があります。
日本スポーツ協会のカリキュラムを受講
日本スポーツ協会が実施しているカリキュラムを受講して、資格を取得する方法もあります。
こちらは受講人数や参加資格が専門学校や大学での受講に比べて基準が厳しく、実績のある人や推薦をもらった人が優先的に受講できるようです。
チームや選手と直接契約
高校や大学、専門学校を卒業して、そのままチームや選手個人と直接契約を結び、スポーツトレーナーとして活動する人もいます。
チームや選手に必要な知識や実績がないと、このケースはあまりないかもしれませんが、可能性はあるようです。
スポーツトレーナーが活躍できる場所
スポーツトレーナーとして活躍するには、スポーツチームや一般の人、企業、プロスポーツ選手個人など、どういった形で契約をするかによって変わってきます。スポーツの現場はもちろんですが、意外に日常でも必要とされる場所もあったりします。
スポーツチーム
実業団やプロスポーツチームの一員として選手に対してサポートを行います。様々な試合場所や遠征、合宿などに帯同してチームのバックアップをするのも仕事です。
選手個人
プロで活躍する選手個人と契約して、その選手のためにサポートを行います。
プロの中でもトップアスリートや、個人競技などで活躍する選手は積極的に専属のスポーツトレーナーを雇っています。
スポーツ施設や介護施設
スポーツジムや介護施設において、運動をする人のサポートを行うこともあります。
パーソナルトレーニングを行う場合もあったり、全体での講習や運動補助など勤務先によって求められる仕事内容は変わってきます。
フリーのスポーツトレーナー
特定のチームや選手個人に属することはなく、一般の人からプロの人までを対象に、スポーツの個人指導に当たります。
運動会の徒競走で速くなるためのコツを指導したり、大会などに帯同して会場でその日の選手サポートを行ったりと、依頼によって大きく内容が変わります。
スポーツトレーナーが日々行っている仕事内容
様々な場所で活躍しているスポーツトレーナーですが、日々どのような仕事を行っているのでしょうか。スポーツ栄養士とスポーツトレーナーの仕事内容について紹介していきます。
日頃のケガや病気の予防と、もしもの時の応急処置
先ず、どちらも共通して言えるのは選手の日ごろのケガや病気を予防したり、最悪の場合、応急処置を素早く行うことにあります。
スポーツ栄養士
スポーツ栄養士は、日々の食事から強い身体作りを目指して選手の食事に気を配ります。選手個人の好き嫌いやアレルギー、特徴など全員同じ食事ではない場合もあります。
また、怪我や病気になってしまった場合には、早期回復を目指して栄養のある食事を心がけたり、次の試合までの期間を考慮して食事内容を決めていきます。
アスレティックトレーナー
練習や試合などの前後にストレッチや健康状態のチェックを行い、ケガや病気にならないよう選手の体調に合わせてメニューを臨機応変に変えていかなければなりません。
ケガや病気の場合には、スムーズに復帰できるように調整を行ったり、資格を有していればマッサージ、針灸などの施術も行っていきます。
スポーツ選手の能力が向上できるようにする
スポーツトレーナーの最大の仕事は、スポーツ選手が本番で最大限のパフォーマンスを発揮できることにあります。
担当するチームの選手や、個人選手は全国各地や世界中で活躍する人もいます。そういった場合には、現地でいかに力を発揮できるかも大切になります。
スポーツ栄養士
トップアスリート選手を担当している場合、日本各地を転戦したり、海外の大会に参加することもあります。
そういった場合には、現地でどのような食材や食事が可能なのか、国によっては持ち込みが出来ない食材などもあるので調査が必要です。
単に食事の栄養面を考えるだけでなく、現地で手に入る食材やお店などの情報も調べて準備しておく必要があります。
理想の食材が手に入らない場合には、事前に購入した物を現地に持っていくなどの準備もしなければなりません。
アスレティックトレーナー
競技によって、選手のフォームの癖や抱えている痛みなどもあります。
そういった状況を踏まえて、最新の技術や目標に向けて、フォームの改善やトレーニングメニューの見直しを日々行わなければなりません。
最新の技術を取り入れるだけではなく、選手に合うように内容を変えたり、選手に分かりやすく説明して、実行してもらうなど、きちんと選手に向き合っていく必要があります。
権利やドーピングなどの勉強
トップアスリート選手を担当する場合、権利やドーピングなどの知識は避けては通れません。
最近では、パワハラやドーピングの問題が騒がれていますが、選手だけでなく、スポーツトレーナーも気を付ける必要があります。
スポーツ栄養士
スポーツ栄養士であれば特に気を付けたいのは、ドーピングについてです。国際大会や国の代表選手になると抜き打ちでのドーピング検査が何度もあります。
オリンピックなどの大会期間はもちろん抜き打ち検査がありますが、日頃から気を付ける必要もあり、注意が必要です。
サプリメントや、食材の組み合わせ、飲み物、摂取する薬の種類まで全て気を付けていないと検査で引っかかってしまい、出場停止や活動停止などの処分を受けてしまう可能性があります。
どの食材やサプリメント、薬がドーピングに引っかかってしまうのかは、事前に調べてチェックしておく必要があり、項目も随時追加されているので常に最新の情報を仕入れて気を付けなければなりません。
スポーツトレーナーが取得するべき資格とは?
細かい種類まで紹介すると非常に多くなってしまうので、国家資格を取得したスポーツトレーナー、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格を取得したスポーツトレーナー、その他のスポーツトレーナーが取得しておくべき資格いくつか紹介していきます。
国家資格を取得したスポーツトレーナー
スポーツトレーナーとして活躍している人の多くが取得している国家資格と言えば、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師があります。
主に身体のメンテナンスを仕事内容として、スポーツ選手のサポートに当たります。
どれだけ知識、技術、資格を持っているかで対応が変わってくるので、より多くの資格を持っている方が良いと言えます。
日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格を取得したスポーツトレーナー
公認スポーツ指導者資格にはいくつもの種類があります。しかし上級資格を取得するためには、受講条件や資格の試験を受けるためには、より専門的な知識や指導実績なども求められるようです。
コーチ
各競技の都道府県レベルにおける選手育成を担当する人のための資格になります。
将来性のある選手の育成や国民体育大会の監督として帯同する人など、高いレベルの実技指導が求められる資格です。
上級コーチ
コーチの上級資格になり、国際大会レベルの指導力が求められてきます。
この資格を持っている人は、様々な現場で監督やコーチ、スポーツトレーナーとして活躍しています。
フィットネストレーナー
スポーツクラブや民間の運動施設などにおいて、フィットネスの維持や向上など、各種トレーニングの専門的指導者として質の高い指導にあたる人の資格になります。
現在は新規養成を行っていないので、再開した場合には資格取得が可能になります。
スポーツプログラマー
スポーツクラブや民間の運動施設などにおいて、フィットネスの維持や向上など、各種トレーニングの専門的指導者として質の高い指導にあたる方のための資格です。
フィットネストレーナーと同じような内容ではありますが、主に大人に対してトレーニングなどのメニューを提供できるような知識を有している資格として取得が可能です。
スポーツドクター
スポーツを医学的な立場からサポートをする人の資格になります。オリンピックや国際大会などで特に必要とされる資格です。
普段はチームや企業に所属してサポートに当たります。
アスレティックトレーナー
上記で紹介したように、スポーツ選手のコンディションを日々管理して、目標に応じてメニューを提供する人の資格になります。
スポーツ栄養士
スポーツ選手を栄養学の視点からサポートを行う人の資格になります。選手の私生活や生活習慣なども踏まえて、健康維持やケガ、病気の早期回復に努めます。
スポーツトレーナーはスポーツ以外にも様々な分野で人気が出てきています
スポーツトレーナーの資格は、スポーツの現場ではもちろん、日常生活や介護の現場など様々な場所で活躍できる資格として人気があります。
また、スポーツトレーナーとしてチームや企業に属する場合もあれば、個人選手と契約をしてサポートする場合もあり、働き方は十人十色あると言えるでしょう。
それだけチームや選手と過ごす時間も長く、プライベートも含めて濃い関係を築くことも出来ます。
スポーツトレーナーとして何が求められているのか、どのような現場で働いていきたいかによって、取得する資格や技術も変わってくるでしょう。