鍼灸師の給料はどれくらい?収入アップの方法や魅力とあわせて求人の探し方も紹介
鍼灸師を目指している人や、実際に働いている人なら誰もが知りたい給料事情。鍼灸師はどれくらい給料がもらえるのか、収入を上げるにはどんな方法があるのかなど、気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、鍼灸師の給料や年収とあわせて、収入アップの方法や鍼灸師の魅力、おすすめの求人の探し方を紹介します。
鍼灸師の給料・平均年収はどれくらいなの? 求人情報をチェック
鍼灸師とは、はり師ときゅう師の資格を持つ方の総称です。はり師ときゅう師の資格は両方とも持っている方がほとんどであるため、両方の資格をまとめて鍼灸師と呼びます。
はり師は針を使ってツボを刺激する一方で、きゅう師はきゅうでツボを温めるのが特徴です。いずれも人間の自然治癒力を活性化し、病気の治癒へとつなげていくことを目的としています。
ここでは、鍼灸師の給料事情についてみていきましょう。
正社員|月給と年収の相場はどれくらい?
厚生労働省が運営している「job tag」によると、ハローワーク求人統計データをもとにした鍼灸師の平均月給は25.7万円、令和5年賃金構造基本統計調査をもとにした鍼灸師の平均年収は459.3万円とされています。
また、求人サイト「リジョブ」でも、鍼灸師の求人を扱っており、正社員の給料は以下のとおりです。
正社員 | 月給下限 | 月給上限 | 平均月給 |
スタッフ | 249,556円 | 582,213円 | 415,885円 |
店長(候補) | 257,827円 | 458,969円 | 358,398円 |
※2024年7月現在
表を見てわかる通り、月給の上限と下限では大きな差があります。この差は経験の有無や就業先の規模、地域などさまざまな要因によるものと考えられるため、目安程度に考えておきましょう。
アルバイト・パート|時給の相場はどれくらい?
求人サイト「リジョブ」に掲載されている、鍼灸師のアルバイト・パートの平均時給は以下の通りです。
アルバイト | 時給下限 | 時給上限 | 平均時給 |
スタッフ | 1,154円 | 1,478円 | 1,316円 |
店長(候補) | 1,119円 | 1,522円 | 1,321円 |
※2024年7月現在
時給の下限と上限は、正社員ほど大きな差がなく、1,100〜1,500円台が相場です。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|はり師・きゅう師 – 職業詳細
業務委託|業務委託の収入の相場はどれくらい?
求人サイト「リジョブ」では、鍼灸師の業務委託の求人も扱っています。業務委託で仕事を受ける場合の平均収入は、以下の通りです。
業務委託 | 月収下限 | 月収上限 | 平均月収 |
スタッフ | 273,333円 | 566,666円 | 420,000円 |
店長(候補) | 274,000円 | 428,000円 | 351,000円 |
※2024年7月現在
正社員同様に、月収の下限と上限で大きな差があります。また、正社員よりもやや収入が高い傾向です。
治療院などに勤務する場合と独立開業する場合の収入の違いは?
鍼灸師は開業権があるため、独立開業することが可能です。治療院などに勤務する場合と独立開業する場合とで、収入にはどういった違いがあるのかを見ていきましょう。
治療院などに勤務する場合
治療院などに勤務する場合の平均月収は、前述した通り25~40万円が相場です。給与形態は固定給が一般的で、経験を積み技術を磨くことで昇給が目指せるほか、勤続年数に応じて昇給するところも。
また、治療院によっては、固定給に指名料などの歩合給がプラスされるところもあります。
独立開業する場合
独立開業する場合の収入は売上額に影響されるので、一概に「〇万円の収入が相場」とはいえず、不安定になりやすいのが特徴です。
しかし軌道に乗れば、治療院などに勤務し続けるよりも収入が上がる可能性もあります。スタッフを雇えるほどの規模になれば年収1,000万円も夢ではないでしょう。
ただし、初期費用や維持費などが数百万円単位でかかることも頭に入れておきましょう。
鍼灸師が年収をアップさせるには?
鍼灸師が年収をアップさせる方法として、資格の取得・スキルを磨く・転職・独立開業などがあります。それぞれ詳しく紹介しますので、自分に合った方法で年収アップを目指しましょう。
資格を取得する|おすすめの国家資格と民間資格
鍼灸師の資格だけでなく、ほかの資格を取得することで、できる業務の範囲が増えて、収入アップへとつながります。そこで、国家資格や民間資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。資格があることで、手当を受け取れる場合もあります。
鍼灸師におすすめの資格として4つの例を挙げるので、参考にしてみてください。
【国家資格】柔道整復師
柔道整復師とは、柔道整復術と呼ばれる非観血的療法で骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷など、損傷の原因が明らかであるケガに対して治療をおこなえる国家資格です。
接骨院・整骨院だけでなく病院やスポーツ分野、介護分野など、さまざまなところで働くことや開業もできます。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|柔道整復師 – 職業詳細
【国家資格】あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師とは、あん摩、指圧、マッサージの3技法を使って、筋肉のこりやリンパの流れを改善させる職業です。「マッサージ」は医業類似行為であり、本来国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」、もしくは「医師」しかおこなえません。
実は、あん摩マッサージ指圧師以外の職業の方が「マッサージ」をおこなうことは違法です。そのため、あん摩マッサージ指圧師(もしくは医師)がおこなう施術に「マッサージ」という名称を使用することはできず、施術自体も「もみほぐし」等の範囲にとどまります。
鍼灸師もマッサージはできる? マッサージをするために必要な資格とは? 資格を取得する4つのメリットを解説
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|あんまマッサージ指圧師 – 職業詳細
【民間資格】健康管理士一般指導員
病気・栄養・ストレス・運動など、健康管理に必要な知識を身につけたことを証明する民間資格。
日本医協学院主催の通信教育講座「健康管理士一般指導員」「文部科学省後援健康管理能力検定1級」受験対策講座を受講、もしくは健康管理士養成指定校が定める単位を取得したのち、試験に合格することで取得できます。
引用元
健康管理士|資格の概要
健康管理士|資格取得までの流れ
【民間資格】アロマセラピスト
アロマセラピストとは、美や健康のために、エッセンシャルオイルを用いてトリートメント施術をおこなう仕事。トリートメントケアや精油の香りにより、不調の緩和やリラクゼーションを目指します。
アロマに関してはさまざまな民間資格がありますが、日本アロマ環境協会(AEAJ)が認定する「アロマセラピスト」の資格では、アロマテラピー検定1級、アロマテラピーアドバイザーの合格が必須です。学科・実技試験に合格し、カルテ演習を修了することで取得できます。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|アロマセラピスト – 職業詳細
日本アロマ環境協会|検定・資格 | アロマセラピスト
日本アロマ環境協会| 検定・資格
需要に合ったスキルを磨く
鍼灸師はその資格を活かしながら、さまざまな分野で活躍できます。自分の所属する鍼灸院で需要がある施術ができれば、仕事の幅も広がり収入アップにつながるでしょう。ここでは、需要に合わせたスキルの磨き方の実例をご紹介します。
美容鍼で女性層を取り込む
鍼灸師ができる美容に関する鍼灸治療を美容鍼、あるいは美容灸といいます。美容のために施術を受ける方の目的はさまざまです。たとえば、アンチエイジングを目的に美顔鍼や美顔灸を受ける方もいれば、ダイエットを目的に美容鍼や美容灸を受ける方もいます。
美容関係の施術はとくに女性に人気があるので、女性を客層として取り込みたいと考えているのであれば、美容関係の施術をしていくのがよいでしょう。
高齢者向けの鍼灸
超高齢化社会である日本。日本の高齢者の総人口に占める割合は2023年時点で29.1%となり、約3人に1人は高齢者という計算になります。人口の割合が多いぶん、高齢者をターゲットとする施術は需要が高いでしょう。
実際、若年者よりも高齢者が鍼灸を利用することは多く、身体の不調や関節の痛みを和らげるほか、認知症の予防にも効果があるとされています。
したがって、介護の知識を学んだり、高齢者向けの鍼灸のスキルをさらに磨くことで、収入アップにつながる可能性があるでしょう。
引用元
総務省|高齢者の人口
機能訓練指導員になる選択肢も
高齢者と関わる方法のひとつとして、機能訓練指導員になるという選択があります。一定の実務経験を有するはり師およびきゅう師の資格を有していれば、業務を担当することが可能です。
これは特定施設や通所介護・特別養護老人ホームなどで、鍼灸のスキルや技術を活用しながら高齢者へ介護予防を目的としたケアを提供する仕事でもあります。高齢者を客層として取り込みたいと考えているのであれば、検討してみましょう。
機能訓練指導員については、以下の記事もあわせてご覧ください。
機能訓練指導員は鍼灸師もなれる! 鍼灸師に必要な実務経験とは?
婦人科鍼灸
婦人科鍼灸とは、生理痛や更年期障害などの女性特有の疾患に対しておこなう鍼灸のこと。古くから受け継がれてきた経験と技術により、体を温めて内臓の働きをサポートし、不調や病気から女性を守ります。
より条件のよい鍼灸院に転職する
これまで紹介してきた収入アップの方法は長期的な目線が必要で、すぐに収入をアップすることはむずかしいです。
今すぐに収入を上げたいと考えているのであれば、条件のよい所への転職もひとつの手段。好条件のところへ転職することで、無理なく早々の収入アップが見込めるでしょう。
知識と経験を活かして独立開業する
前述した「独立開業する場合」の内容にも関連しますが、知識や経験を活かして独立開業するのも、収入アップが目指せる方法のひとつです。ただし、かならずしも成功するとは限りません。
必要な設備や環境を整える・届出を出すなどの準備が必要であることにくわえて、施術スキルだけでなく経営の手腕が試されます。
鍼灸師の魅力
鍼灸師として働くことの魅力・やりがいとはどんな点なのでしょうか。収入以外の面を見てみましょう。
施術を通して人を救える
鍼灸師は自分の手技によって患者を治療します。その結果、患者を助けることができ、感謝してもらえる仕事です。自分の施術で他者の不調や悩みを改善でき、喜んでもらえることで、非常にやりがいを感じられるでしょう。
さらに、達成感や満足感を得られ、仕事へのモチベーションにもつながります。
さまざまな場面で活躍できる
鍼灸師は治療院だけではなく、介護・美容・スポーツなどの業界でも活躍できる職業です。
たとえば、高齢化の時代にあっては年齢を重ねることにより筋肉が固まったり、血行が悪くなったりして、ひざや腰などに痛みを抱える高齢者も少なくありません。また、アスリートのコンディショニングに鍼灸師が一役買うこともあります。
活躍の場が多岐にわたることも、鍼灸師の仕事の魅力といえるでしょう。
鍼灸師におすすめの求人の探し方
これから鍼灸師として働きたい人や、転職で収入アップを目指す人におすすめの求人の探し方を紹介します。
就職・転職エージェントを活用する
就職・転職エージェントは担当アドバイザーがつき、就職・転職に向けてさまざまなサポートをしてくれます。自分に合った求人紹介を受けることができるほか、相談に乗ってもらうことも可能です。
エージェントは数多くあるため、医療・ヘルスケア業界に特化したエージェントを利用しましょう。
求人サイトを利用する
求人サイトは自分好みの条件を選択し、該当するものだけに絞り込んで求人を探すことができます。スマホやパソコンから好きなタイミングで手軽に利用できるのも特徴です。
数ある求人サイトのなかでも「リジョブ」は、美容・ヘルスケアに特化した求人サイトで、豊富な条件を設けているためおすすめです。
「未経験歓迎」「インセンティブあり」「美容鍼灸」など特徴や福利厚生、仕事内容などさまざまなジャンルの条件を用意しています。
鍼灸師は収入アップが目指せる!自分に合う働き方をしよう
鍼灸師の給料は雇用形態によっても違いがあるほか、経験の有無や就業先の規模などによっても異なります。しかし、仕事に役立つ資格を取得したり、より専門的なスキルを磨いたりすることで収入アップを目指すことが可能です。
また、ある程度経験を積んで集客がのぞめるのであれば、独立開業する方法もあります。しかし、かならずしも成功するものではないため、今よりも条件のいい職場を探すのもおすすめです。
求人を探す際は、転職満足度※98%のリジョブをぜひ活用してください。さらにいい職場に出会えるかもしれません。
※リジョブ経由で採用された1,242名を対象に実施した満足度自社調査より(実施期間:2023年2月8日〜2023年3月