インストラクターになるには資格が必要? 取得のメリットとおすすめ資格を紹介
スポーツジムやスタジオ・フィットネスクラブなど、さまざまな場所で活躍するインストラクター。生徒の健康やスキルの向上をサポートする魅力的な職業ですが、人に指導する立場であることから、必須の資格があるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、インストラクターになるには資格が必要かどうかや、資格を取得するメリット・おすすめの資格などを紹介します。インストラクターの給与や履歴書・面接のポイントもお伝えしますので、参考にしてください。
インストラクターになるには資格が必要?
インストラクターという仕事には、国家資格のような必須の資格はありません。そのため、未経験でもインストラクターを目指すことができます。とはいえ、人に指導する立場として関連の資格を取得しておくと、さまざまなメリットがあります。
資格取得のメリットについて、詳しく見ていきましょう。
知識や技術を身につけられる
資格取得に向けて学ぶうえで、インストラクターとして指導する際に役立つ知識や技術を身につけることができます。これまで知らなかった知識や理論を習得したり、知識を応用した技術を身につけたりと、自分自身のスキル向上にも有効です。
正しい知識や技術によって、自信を持って仕事に取り組めるようになるでしょう。
スキルの証明になる|就職・転職に有利
資格は自分の持つスキルの証明となるため、就職や転職で有利に働く可能性もあります。求人によっては、資格取得者を対象としていることもあるため就職先の選択肢が広がるほか、資格手当がつくこともあるでしょう。
また、資格があることでお客様からの信頼も得やすくなります。
無資格で就職してから社内研修を受ける方法もある
アルバイトから社員へ昇進する方法もあります。ジムによっては、資格取得を目指す人へ研修のサポート制度を設けているので、サポートを利用して資格を取得することも出世の近道です。
例をあげると、入社後1カ月間の研修のなかで基礎知識を学び、現場に入りインストラクターのアシスタントをしながら実務経験を積む、などです。
働きながら研修を受けて知識やスキルを身に付けることができるほか、現場での立ち居振る舞いも経験できるのがメリットです。
インストラクターにおすすめの資格を紹介
無資格・未経験でも目指せるインストラクターですが、関連する資格はさまざまなものがあります。資格を取得してから就職・転職するだけでなく、就職後に取得を目指すこともできるので、自分に合った資格を取得するとよいでしょう。
以下でインストラクターにおすすめの資格を3つ紹介します。
日本スポーツ協会のスポーツ指導員
日本スポーツ協会の公認スポーツ指導者には5つの種類があり、それぞれ役割が決められています。
・スポーツ指導者基礎資格
スポーツグループやサークルなどでスポーツ指導をおこなっている方におすすめの資格です。スポーツコーチングリーダーとスポーツリーダーの2つあり、取得後は、競技別指導者資格やフィットネス資格へステップアップすることもできます。
・競技別指導者資格
学校や商業スポーツ施設などで競技別の専門指導をおこなう方におすすめの資格です。スタートコーチ・1から4までのコーチ・教師・上級教師と、指導をする場所や競技のレベルによって7つから資格を選択できます。
・メディカル・コンディショニング資格
病院やクラブチームなどで健康管理や競技能力の向上のための指導をおこなっている方におすすめの資格です。受講の条件などに応じてスポーツドクター・アスレティックトレーナー・スポーツ栄養士・スポーツデンティストの4つから選択ができます。
・フィットネス資格
地域の公共施設や商業スポーツ施設などで体力づくりなどの指導をおこなう方におすすめの資格です。指導する対象によってジュニアスポーツ指導員・スポーツプログラマー・フィットネストレーナー、ジュニアまたはユース専門のスタートコーチの4つから資格を選択できます。
・マネジメント指導者資格
アシスタントマネジャーやクラブマネジャーとして、総合型地域スポーツクラブなどで、クラブマネジメントの諸活動をサポートする資格です。さらにスタッフがそれぞれの役割に専念できるよう、環境を整える業務もあります。
引用元
日本スポーツ協会|日本スポーツ協会公認スポーツ指導者概要
NSCA認定パーソナルトレーナー
NSCAはアメリカに本部を置き、日本・韓国・中国・イタリア・スペインの5ヶ国に支部があります。そして2025年1月現在は、90の国と地域に約5万4,000人の資格認定者がいるそうです。
以下の2つの認定資格は日本語での受験が可能になっています。
・CSCS
全米資格認定委員会(NCCA)の承認を受けている資格。スポーツパフォーマンス向上を目的としたアスリートやチーム向けの資格で「基礎科学」と「実践/応用」の両方に合格することで資格を取得できます。
・NSCA-CPT
国際的にもっとも信頼性の高いパーソナルトレーナーの認定資格で、NCCAの承認を受けています。健康と体力のあらゆるニーズに応えるパーソナルトレーナーの資格で、トレーニングの知識と技術に加えて運動生理学、医学の専門知識が必要になります。また、この資格取得はNSCAのジャパン会員であることが必須条件です。
引用元
NSCAジャパン|NSCAについて
NSCAジャパン|CSCS
NSCAジャパン|NSCA-CPT
健康運動指導士
健康運動指導士は、医学的基礎知識、運動生理学の基礎知識などをもって、効果的な運動の指導をおこなうための資格です。
健康運動指導士養成講習会を受講もしくは健康運動指導士養成校の養成講座を修了し、認定試験を受けて合格した上で、健康運動指導士台帳に登録されることで資格取得ができます。
少子高齢化社会の今では、介護の現場や医療のリハビリ、高齢者のスポーツジム利用などが見込まれるため、 資格を持っておくとよいでしょう。
全米ヨガアライアンス認定資格|RYT200
インストラクターのなかでも、ヨガの指導者としてのスキルを身につける際に役立つのが、全米ヨガアライアンス認定資格です。RYT200は、全米ヨガアライアンス認定校で200時間のヨガ指導トレーニングを修了することで取得できます。
全米ヨガアライアンスは、1999年にヨガの促進に専念する世界最大の非営利団体として設立されました。世界的に知名度が非常に高いため、日本でもヨガインストラクターの採用基準として活用されていることも多いです。
引用元
Yoga Alliance
Yoga Alliance|Standards for RYT Credentials
Yoga Alliance|History
インストラクターの給料はどれくらい?
ここからはジムインストラクターの給料について解説します。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、ジムインストラクターを含む「個人教師」の給料は、規模が10人以上のスタジオで、きまって支給される額がひと月28万6,800円。年間賞与が46万3,900円支給されることから、約391万円の年収であることがわかります。
ただし、先のデータはインストラクター以外のトレーナーの給与も含むので、ひとつの参考として判断してください。
リジョブで取り扱っている2024年1月現在のヨガインストラクターの求人データを参照すると、給料は下表のようになります。
正社員 | 月給下限 | 月給上限 | 平均 |
スタッフ | 234,691円 | 528,560円 | 381,626円 |
店長(候補) | 254,971円 | 543,654円 | 399,313円 |
アルバイト | 時給下限 | 時給上限 | 平均 |
スタッフ | 1,197円 | 1,870円 | 1,534円 |
店長(候補) | 1,080円 | 1,840円 | 1,460円 |
業務委託 | 月給下限 | 月給上限 | 平均 |
スタッフ | 250,000円 | 500,000円 | 375,000円 |
※2024年1月現在
厚労省で発表されている平均給料と比べると、取り扱い求人の平均給与が高い傾向にあるため、ぜひインストラクターを目指すときはリジョブの求人もチェックしてみてください。
引用元
e-Stat|賃金構造基本統計調査3 一般_職種(小分類)(役職者を除く)DB – 統計表・グラフ表示
無資格・未経験でも働けるスタジオやジムを探すには
インストラクターになるためには、求人の探し方も重要です。インストラクターには必須資格がないため、無資格や未経験の人でも自分に合った求人を探すことができます。
ここでは、無資格・未経験でも働けるスタジオやジムを探す方法を見ていきましょう。
就職・転職エージェントを利用する
インストラクターの求人は、就職・転職エージェントを使って探す方法があります。民間の人材会社が就職・転職活動をサポートしてくれるので、誰でも気軽に使用できるのが特長です。
雇用形態や給料、福利厚生などを事前にチェックできるものもあるので、就職後のミスマッチを予防できます。
ただし、就職・転職エージェントのなかには、新卒者限定など事前に利用者を絞っている場合もあるので、事前に確認すると安心です。
求人サイトで探す
インストラクターに関連する美容業界やヘルスケア業界に特化した求人サイトの活用もおすすめです。ハローワークでは見つけられなかった求人も、求人サイト限定の求人として取り扱っている場合もあります。
求人サイトではスタジオの雰囲気を写真などから確認できるので、自分とスタジオ双方のマッチ度を事前に調べることも可能です。
リジョブは美容・ヘルスケア業界に特化している求人サイトで、自分の好きなペースで求人を探したり、気になる求人に気軽に複数応募もできるため、ぜひ活用してみてください。
インストラクターの履歴書で押さえておきたいポイントとは
自分にとって理想的な求人を見つけたら、次は履歴書で押さえておきたいポイントを紹介します。各項目を参考にしながら、記憶にも印象にも残る履歴書にまとめてください。
書く前に基本的な書き方をしっかりチェックしておこう
履歴書を書く前に、基本的な書き方について確認しましょう。履歴書は応募者そのものを表す大切な書類です。そのことから丁寧な字で書くことを意識すると、社会人としてのマナーがきちんとあることをきれいな仕上がりから判断できます。
もし誤字脱字に気付いたときは、再度新しい履歴書に書きなおしてください。修正ペンや二重線を引いての書き直しはNGとされているので、鉛筆で下書きをしてから清書することをおすすめします。
志望動機に書くべきこととは?
履歴書のなかでも大切な項目に志望動機がありますが、ここからはどのようなことを書くべきなのか4つの項目にわけて紹介します。
インストラクターを目指した理由
まず、インストラクターを目指した理由です。なぜなりたいと思ったのか、その理由を具体的に書きましょう。この部分がぼんやりしていると、説得力が弱まってしまいます。
スポーツが好きだから、または人になにかを教えるのが得意だからといった理由ではなく、入社後の働き方や目的を盛り込みましょう。
そのスタジオを選んだ理由
次に、なぜそのスタジオを選んだのか、具体的な理由を伝える内容にまとめましょう。たくさんのスタジオがあるなかでそのスタジオを選んだとっておきの理由があるはずです。この理由を明確にし、具体的に書くことで、入社への強い意欲が伝わります。
求人を出すスタジオが求めているのは、経営方針や理念を理解し、共感してくれる人材です。志望動機では、スタジオと自分双方のマッチ度が高い部分もアピールするよう心がけましょう。
たとえば、インストラクターとして自分が指導したい分野のレッスンがある・そのスタジオならではの取り組みに魅力を感じたなど、自分の希望や考え方とマッチしていることを伝えるのがおすすめです。
インストラクターの仕事に対する熱意
スタジオ側は、応募者の仕事に対する熱意も重視しています。熱意がある人ほど、受け身な姿勢ではなく積極的に物事に取り組む傾向があるからです。そのことから、自分のなかにある熱意をきちんと伝わる内容にまとめることを意識する必要があります。
未経験で応募する場合は、これまで強い熱意を持って取り組んだことを具体的なエピソードにまとめ、志望動機に絡めましょう。
とくにインストラクターの場合、根気強く生徒に向き合い指導していくのが主な仕事です。熱意がなければ、長続きしないと判断されてしまう可能性があるため、どのようなことに熱心になれるのか、あなたの人となりも伝わるような内容にまとめましょう。
スタジオに対してどんな貢献ができるか
最後に、スタジオに入社したあと、どのような貢献ができるのかも伝えましょう。ここでスタジオ側が見ているのは、応募者が入社したことでスタジオにどのようなメリットがあるのかです。
過去にインストラクターとして働いていた人が転職する場合は、即戦力として活躍できることなどを絡めると良いでしょう。未経験の人であれば、保有する資格や仕事内容の理解度などです。
とくに記載できる資格がまだない場合は、コミュニケーション能力の高さや指導力、傾聴力など、インストラクターとしての適性があることをアピールしましょう。
ケガの応急処置や適切なケア方法の知識・技術があることや、人の成長を自分事のように喜べることなども、インストラクターには必要なスキルです。そういったスキルを活かして、インストラクターとして活躍したい旨を述べると好印象につながるでしょう。
インストラクターの面接で好印象を与えるには?
履歴書の書き方のポイントだけを押さえても、その先の面接が失敗に終わってしまえば悲しいですよね。そこでこの章では、インストラクターの面接で面接官に好印象を与えるためのポイントを紹介します。
基本的なルールに沿って、印象をよくするコツを押さえておきましょう。
身だしなみ・マナーも重要
どの職種の面接であっても、第一印象には気を配りましょう。インストラクターの面接であれば、応募したスタジオの雰囲気をリサーチし、適した服装を選ぶことをおすすめします。
もし服装に指定がないのであれば、ビジネスシーンであることを踏まえ、ビジネスカジュアルな服装を選びましょう。
スタジオに到着したあとや面接中は明るい表情と元気な声で挨拶を心がけるのもポイントです。
自己PRをしよう
履歴書にも書きますが、面接のときでも自己PRは欠かさずおこないましょう。その際、具体的なエピソードも含めながら、簡潔にわかりやすく伝えることが大切です。
未経験の人であれば、仕事に対する考え方や熱意のほか、コミュニケーション力の高さなど自分の長所が良いでしょう。
転職する人であれば、これまで身につけたスキルや経験について実例や実績を述べ、即戦力として貢献できることをアピールするのがおすすめです。
ほかの応募者と差別化するためにも、スタジオにとって自分を採用することにどんなメリットがあるかを伝えましょう。
ただし、採用されたいがために、できないことをできると言うのはNG。できないことはできないと素直に答えることも意識しましょう。
自分に合った方法でインストラクターを目指そう!
インストラクターは、無資格・未経験でも目指せます。未経験OKのスタジオやジムは、社内研修で知識や技術を一から学べることも多いため、初心者でも安心して応募できることがほとんど。
とはいえ、生徒に指導する立場であることから、関連資格を取得しておくのもおすすめです。資格は正しい知識や技術を習得したり、就職・転職活動を有利にしたりするメリットがあり、スキルの証明にもなります。
また、資格を多く持っておくと選択肢も増え、さまざまな施設で活躍ができるでしょう。
利用者は体力維持のため・ダイエット・ストレス解消・アンチエイジングなど、さまざまな目的で訪れます。顧客を明るく健康的にするお手伝いができる、インストラクターという仕事はとてもやりがいのある仕事ではないでしょうか。
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