美容師もヘッドハンティングされるって本当? 引き抜きにあった場合の正しい対応方法
タイトルを見て「美容師がヘッドハンティングされることなんてあるの?」と思った方もいるかもしれません。実は、美容師がヘッドハンティングされることは、業界では半ば常識になっています。
とはいえ、ヘッドハンティングされたら必ず働く環境がよくなる、というわけではありません。自身のためにも、引き抜きの声をかけられた際の対応を考えておきましょう。
美容師もヘッドハンティングされるって本当?
なぜ美容業界で、優秀な人材をスカウトするヘッドハンティングが行われているのでしょうか?
美容業界の現状
美容業界が現在直面する問題は、顧客数減少・低価格化・利用率低下による市場縮小です。
お客様が減り、メニューも低価格での提供になるため、スタッフの給与もどんどん減っています。
厚生労働省の統計情報を見てみても、年々売上は減少しており、今後も市場が縮小することが予想されています。
しかし、美容業界での新規開業はとどまりません。競争が激しくなっていく一方で、さまざまなサービスも充実しており、それだけ知識が豊富な人材が求められているのです。
つまり、育成する時間も費用もおさえたい店舗側からすると、知識と技術ともにすぐれている人材をスカウトするほうが効率がいいのでしょう。
美容師はどのような方法でヘッドハンティングされるの?
実際に美容師がヘッドハンティングされる方法として、以下の2つがあります。
スカウト会社を介しての引き抜き
一般的なものとして、会社経由で行なわれる方法があります。
求人を出している美容室が、人材確保のためにスカウト会社に依頼して、働いているお店に電話したり、客として来店したりして、直接美容師に声をかけ、引き抜くというやり方です。
スカウト会社が美容師を探す際は「登録型」「サーチ型」の2つにわかれます。
登録型は、転職支援サービスなどに登録している方のなかから、美容室が求めている人材を選ぶ手法です。
給与や労働条件などを事前に確認することができるため、就職後に「こんなはずじゃなかった」となる心配がありません。
サーチ型は、スカウト会社が美容院などに足を運ぶなどして、依頼主の美容室が求めている人材をヘッドハンティングする手法になります。
登録型に比べると効率が悪く感じますが、直接腕を確認することで「現在の職場に不満はあるものの、転職という考えはなかった」という方に対してアプローチができます。
他のお店のスタッフからのスカウト
ライバル店の美容師が他店の美容師をヘッドハンティングするというのも、実際によくある話です。
店側としてはすでにお客さんがついているうえ、ゼロから育て上げる手間が省けるので効率がよくなります。
スカウトされる美容師も、今働いている職場よりも、よりよい待遇で働くことができる可能性があります。会社に依頼するよりも、このスカウト方法のほうがお互いによい条件で仕事ができる可能性が高いでしょう。
ヘッドハンティングを受ける前に確認しておくポイント
ヘッドハンティングをされる際はほとんどの会社が好条件の話を持ちかけてきます。
とはいえ、よい条件だからといって簡単に転職を決めるのはいけません。ここでは、スカウトされる前に、確認しておきたいポイントをチェックしましょう。
ヘッドハンティング条件の詳細の確認
確認すべきヘッドハンティング条件は、以下が挙げられます。事前に自分のなかで基準を決めておくと、いざという時に役に立つでしょう。
・仕事内容
・給与
・同業他社との条件の比較検討
・福利厚生
また、基準については以下のことを気を付けるといいでしょう。
・うまい話は簡単には信じない
・給与については基本給や手当などの体制が整っているかを確認
・拘束時間や定休などの体勢が整っているかを確認
・他社の条件と比較検討する
どの点で期待してもらっているかを確認する
まず、スカウトしてきた会社はあなたに期待しています。そのことを理解し、自身のどこに期待しているのかを分析しましょう。
きっとそれは得意なカット・カラーなどの技術面だったり、あなたの雰囲気や人柄だったりしますよね。
スカウトされ転職するのであれば、自分の強みはもちろん、弱みも分析してください。強みは伸ばし、弱みは改善していきましょう。
そうすることできっと、あなたの評価もよくなり、転職先でも好待遇となるでしょう。また、もしかするとさらに好条件の会社からスカウトされるかもしれません。
期待されている面を分析することは、その美容室がどのような目標をかかげ、なにを重視しているか、自分の価値観とあっているかどうかを見極める基準にもなります。
将来を考えて受けるかどうかを決定してください
経営環境が厳しく、過渡期にあるともいえる美容業界ですが、着実に変革が進んでいるのも事実です。
しかし、美容師は給料が少ない、拘束時間が長いなど、問題もまだまだあります。その中で、自身の環境を変えることのできる「ヘッドハンティング」はチャンスといえるでしょう。
自身が今働いている職場の環境、将来の目標などを再確認し、スカウトされた際の選択を一度考えてみましょう。
出典元:
厚生労働省