アイリストのデビューまでの期間はどれくらい? 研修内容やあると良い資格について紹介
まつ毛に人工繊維を植毛していく「まつ毛エクステンション」は、数年前から人気が高まり、並行してアイリストの求人も急上昇しています。どのサロンでも人手不足が続く売り手市場ですが、いっぽうでアイリストの施術には高度な専門技能が必要です。
技術力を高めるには、専門学校に通いながら技術講習に参加したり、就職してからも研修期間を経たりと、下積み期間が必要になります。具体的にどれだけ経験を積めば一人前のアイリストとしてデビューできるのか、どのような研修をおこなうのか、詳しい内容をお話しします。
なお、「アイリスト」はローヤル化研が商標登録しているため、許可なく「アイリスト」を名乗ることはできません。
引用元
ローヤル化研:商標について
アイリストのデビューまでの期間はどれくらい?
アイリストは人気の職業なので、これから目指す人も多いと思います。ほとんどのサロンでは、アイリストの技術をまったく持っていない人でも就職することが可能ですが、アイリストとしてデビューするまでとなると、どれくらいの期間がかかるのでしょうか。
美容師免許を持っている場合と、持っていない場合では、アイリストになれるまでの期間がちがうので、それぞれのパターンにわけて説明します。
美容師免許を持っている場合
すでに美容師免許を持っている場合は、サロンでの研修を受けるだけでアイリストになれることがあります。アイリストの未経験者を対象とした研修について、詳しくお話しします。
目安は1~3カ月|サロンの研修を受けよう!
サロンによって研修期間は異なりますが、だいたい1~3カ月のサロンが多いです。お客様に施術できる状態になっても、一定期間や、サロンの責任者によるテストに合格するまでが研修と呼ばれることもあります。
サロンによって研修期間は違いますが、アイリストは人手不足の状態にあるので、期間を短く設定しているサロンもあるといわれています。また、同時期に入社しても研修期間が早く終わる人や、長くかかってしまう人もいるでしょう。
アイリストになりたくて研修を受けているのですから、できるだけ研修時間が短く、できるだけ早くデビューできるほうがいいように感じるかもしれません。しかしアイリストはお客様の目元にふれるため、万が一のことがあってはいけません。
アイリストとしての作業に慣れるには、個人差があります。デビュー前にしっかりと訓練を積むことが大切なので、研修期間の長さにとらわれず、アイリストとしての基本をしっかりと身に付けるよう、心がけましょう。
美容師免許を持っていない場合
美容師免許を持っていない場合は、アイリストとしての研修をする前に、美容師免許を取得しなければなりません。まつエクには専用のグルー(接着剤)を使いますが、施術中にグルーが目に入ってしまい、まぶたが腫れた、充血して痛い、といったトラブルが相次ぎ、これを受けてアイリストには美容師免許が必須になりました。
これは厚生労働省で定められているので、アイリストになりたい人は、まずは美容師免許を取得しましょう。では美容師免許の取得方法について、詳しくお話ししていきます。
目安は2年前後|アイリストには美容師免許が必要!
美容師免許を取得するには、美容師養成施設(美容専門学校)に2年以上通って、卒業後に国家試験に合格する必要があります。例外として、1年以上の経験があれば、1年間の通学で国家試験を受けることができますが、美容師免許を持っていない人が実務経験を積むのはむずかしいでしょう。
美容専門学校へ入学するには、高卒を条件としているところがほとんどです。ただし中卒であっても、学校の入学試験や、高卒認定試験などに合格していれば入学できる場合もあります。
卒業後は美容師の国家試験を受験することになります。筆記試験・実技試験があり、年に2回実施されています。どちらか片方合格すれば何年か持ち越しできる、といった制度はなく、一度の試験で両方に合格しなければなりません。
最近では、当初からアイリストの養成を目的とした美容専門学校もあり、アイリストとしての基礎知識を学んだり実技講習を受けたりしながら美容師免許を取得できるので、美容学校を卒業した時には、アイリストとしての基礎が備わっている状態になっています。
美容師というと、「毎日学校に通って、多額の学費が必要」というイメージがあるかもしれませんが、夜間課程や通信教育制度もあるので、うまく活用するのがおすすめ。ただし通信課程の場合は3年以上の修学が必要なので注意しましょう。
また、「ヘアメイクスクール」といった名前がついていても、美容学校ではない場合があります。美容師の国家試験を受けるには、厚生労働省の認可を受けた美容師養成学校を卒業しなければなりません。あらかじめよく確認してから入学しましょう。
アイリスト向けのスクールでも美容師免許の取得ができる場合がある
アイリストを目指す場合、美容師免許を取得した人向けのスクールと、美容師免許の取得をサポートしてくれるスクールの2つから自分の現状に合わせて選ぶことが一般的です。
美容師免許を取得していないからといって諦める必要はなく、美容師免許の取得をサポートするスクールに通えば、美容師免許の取得に合わせてアイリストとしての知識を学ぶことが可能です。
しかし、美容師免許とアイリストの双方の知識を養うには、一般的にダブルスクールで通う必要があります。ここからはアイリストスクールのコースについてお話しします。
アイリストスクールのコース
スクールによって違いはあるものの、一般的には以下のようなコースが設けられています。
・アイリストとしての基礎を学ぶ1日完結コース
・まつエクの基礎を学ぶコース
・プロとして活躍するための知識・技術を学ぶコース
・独立開業のノウハウを学ぶコース
・インストラクター・講師を目指す人用のコース
高度なコースを受講する場合、受ける必要がある講義も増えます。そのことから、費用や時間がかかることは念頭に置く必要があるでしょう。
なお、ジャパンアイリストカレッジのダブルスクールの場合、卒業までの総受講費用は56万4,000円〜とどなたでもチャレンジしやすい価格です。美容師免許取得と同スクールの学費を合わせても100万円もかからないことから、美容師免許の取得をへてアイリストを目指したい方にはおすすめのスクールといえるでしょう。
引用元
ジャパンアイリストカレッジ:マツエク・アイブロウ(眉)スクール
研修でどんなことを勉強するの?
アイリストになるには、まず美容師免許が必須です。美容師免許を持っている人は、数カ月の研修をへて、アイリストとしてデビューすることになります。では、研修ではどんなことを勉強するのか、詳しくお話しします。
座学|まつ毛や皮膚の知識
座学とは、講義を受けるようなイメージで、アイリストに必要な知識を学ぶことをいいます。まつ毛が生え変わる周期、目の病気など、まつ毛や皮膚、目の周りに関する知識をはじめ、まつエクの種類、グルーの成分など、アイリストとしての基礎知識を学びます。
アイリストスクールや、美容学校でアイリストコースを受けた人は、これらの研修が必要ない場合もあります。
実技|施術のやり方
まずはマネキンを使った練習からスタートします。基本的なことが身に付いたら、実際にモデルに施術をしていきます。サロンによって異なりますが、モデル100人を研修ノルマとしているところが多いようです。早ければ10~50人程度のモデル研修だけで、あとは実際にお客様に施術しながら学んでいくサロンもあります。
実技研修は、個人差の出やすい分野です。慣れないうちは、長時間作業を続けられなかったり、いろんな失敗があるかと思いますが、アイリストとしてデビューすれば、1日に10人以上のお客様に施術をすることもあります。
デビューによって実技面で求められるレベルは、アイリストスクールで受けたカリキュラムやサロンによる研修で得た知識を、実践で活かせるかどうかです。まつエクやグルーの特性はもとより、お客様のご要望をきちんと聞き出せるヒアリング能力も、高めておくことが必要になります。これらを踏まえ、自分のペースをつかむまでしっかり訓練しましょう。
最終テスト|合格すればデビュー!
一定の研修を終えると、サロンの責任者などによるテストを受けます。テストに合格すればアイリストとしてデビューできます。最終テストでは、まつエクの仕上がりや持ち、グルーなどの特性を活かした施術ができているかをチェックするのが一般的。その理由は、アイリストとしてデビューするためには、お客様を満足できる技術が必要不可欠だからです。
とくに技術面は多くのチェック項目を設けるサロンがほとんどのため、サロンの特徴やこだわりなどを考えた施術を意識するとよいでしょう。
そのあとは、お客様が来店した際の受付作業、予約の管理方法といった細かな事務作業をはじめ、あいさつ、電話の受け答え、接客時のマナー、お客様へのカウンセリング方法などを学ぶことになります。
アイリストにとって知識や技術力は重要ですが、実際にお客様の前に出ると、社会人としてのマナーや常識なども見られるようになります。アイリストは接客業にあたりますので、アイリストスクールやサロンの研修によって得た情報や知識、技術力を磨きながら、自分を高めていきましょう。
研修期間に給料はもらえるの?
アイリストは最近登場したばかりの新しい職業ということもあり、経験者が転職するケースは少なく、ほとんどがアイリスト未経験者の新規採用です。未経験で入社すると、研修期間からスタートしますが、その間はお給料はもらえるのでしょうか?
求人票をチェックして!
アイリスト未経験者であっても、研修期間からすでにお給料が発生することが多いようです。現在アイリストは深刻な人手不足の状態なので、サロンとしては、投資してアイリストを育成しながら、ひとりでも多く人手を確保したい、というねらいがあるのでしょう。
研修期間のお給料については、サロンによってまちまちです。求人票に書いてあることをよく確認するか、見てもわからない場合は直接聞いてみるのもいいでしょう。研修中は基本給よりも減額されるサロンが多いようです。
また、アイリストには美容師免許以外に民間資格があります。日本まつ毛エクステンション認定機構が実施している「安全技術師」「認定機構」「アイデザイナー技能検定試験」などを受験しておくと、研修期間が短くなったり、研修期間でもお給料の減額が少なくなる、といったケースがあります。
アイリストが持っていると良い資格とは
ここからは、アイリストを目指す方へ、将来的に役立つ資格について紹介します。なお、アイリストに必要な資格や向いている人の特徴については下記ページで詳しく解説しているので、この機会にあわせてご覧ください。
アイリストとは?どんな資格が必要なの?|やりがいや向いている人などを徹底解説!
日本まつ毛エクステンション認定機構(JECA)
日本まつ毛エクステンション認定機構(JECA)とは、まつエクの普及と業界の発展を目的とした団体のことで、安全・安心・環境保全に配慮しながらアイデザイナーの育成輩出に努めています。
JECAでは「安全技術士」「まつ毛エクステンション3級」「まつ毛エクステンション2級」「まつ毛エクステンション1級」「認定講師」の5段階で構成された「技能検定試験」を設けています。それぞれの概要について見ていきましょう。
JECA一般社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構:技能検定試験
安全技術師
安全技術士は、まつエクの技術において、施術者の姿勢や必要な用具の安全など、基本的な技能・知識を取得しているかをチェックする資格です。まつエクの装着状態についても適切かどうかを見られるため、アイリストとしての基礎を試す試験といえるでしょう。
まつ毛エクステンション1~3級
まつ毛エクステンション3級では、基本的な技術・知識にくわえて施術者としての姿勢や施術に必要な用具の安全な使用方法などが試されます。
2級の試験では、3級の知識・技術にくわえて、用具・用剤の安全性やサロンで働く場合の技術・知識・デザイン・バランス・装着位置の正確性が、1級ではトップデザイナーとしての正確性と安定した技術力にくわえ、スピード・装着バランス・デザイン力などがチェックされます。
なお、安全技術士と2〜3級の実技試験ではJECA指定のウィッグを使用しますが、1級では実際にモデルを使っての試験になります。
認定講師
JECAの認定講師は、施術者としての技能・教育・カウンセリングなどが求められます。受験にはまつ毛エクステンション1級に合格していなければならないため、プロアイリストとしての高い技術にあわせて、講師としての深い知識も習得していなければなりません。なお合否の判定は、JECA理事長および理事の面接・小論文の結果で決定されます。
日本アイリスト協会(JEA)技能検定試験
日本アイリスト協会(JEA)とは、まつエクの急速な発展にともない、安全基準統一を目的に設立された団体のことで、全国各地で技能検定試験を実施しています。
技能検定試験は3級から1級まであり、3級ではまつエクの概要や基本的な知識を、2級では施術者に求められる安全を意識した技術を、1級ではトップレベルの施術者に必要な知識、デザインアレンジを必要とした技術が求められます。
引用元
一般社団法人日本アイリスト協会:JEA技能検定試験概要
日本ラッシュアーティスト協会(JLA)技術評価試験
日本ラッシュアーティスト協会(JLA)は、安全で正しいまつエクの指導・普及を目的とし、JECAから分岐して発足された団体です。
JLAではまつエク施術者のプロを育成することを目的とした「資格認定 5STAR技術評価試験」という5段階評価の試験があります。レベル5を最高レベルとしており、誰でも受講可能なレベル1、美容師免許取得を条件とするレベル2など、上位に上がるにつれて受験資格や試験内容が異なります。
引用元
日本ラッシュアーティスト協会(JLA):Technical examination 資格認定 5STAR 技術評価試験
NEA日本まつげエクステ協会 プロアイリスト検定
NEA日本まつげエクステ協会は、お客様の安全を守り、安心して施術を受けられる環境を整え、施術することを目的とした団体です。まつエクに関する正しい技術・知識の調査・研究・普及活動をおこなっており、プロアイリスト検定という検定制度も設けています。
プロアイリスト検定はトラブルを予防した施術をはじめ、バラツキのない繊細さを追求した技術力重視の検定内容になっており、3~1級と認定講師の4つにわかれています。
引用元
NEA日本まつげエクステ協会:検定試験 プロアイリスト検定
研修をクリアしてデビューしよう!
アイリストになるためには、サロンに入ってからも1~3カ月の研修期間があり、サロンによって研修期間はまちまちです。その前に、美容師免許を持っていない人は、美容学校で2年以上学び、国家試験に合格する必要があります。
これからアイリストを目指す人にとって、美容学校の2~3年は長く感じるかもしれませんが、同じ美容学校に通う学生は、よき友人でありライバルとなるでしょう。美容学校のハードルが高いと感じるのであれば、通信教育課程なら費用も安く、気軽に試すことができるのではないでしょうか。
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