現役へアメイクであることでサロン顧客の信頼を獲得 佐伯エミーさん♯2

「美的」などの女性誌や有名タレントを担当するヘア&メイクアップアーティストの佐伯エミーさん。エミーさんは昨年、ハリウッドブロウリフトをメインにしたサロンをオープンし、ヘアメイクのお仕事とのWワークを進行中です。

前編では、モデルさんの自由自在な眉に感動してハリウッドブロウリフトと出会ったこと、サロンを持つことのメリットなどを伺いました。この後編では、Wワークのリアルライフに迫ります。エミーさんは、子育てしながらWワークを成功させるために、すべての移動を自転車にしようと閃き、サロンを自宅近くに引っ越したそうです。

お話を伺ったのは…
ヘア&メイクアップアーティスト
佐伯エミーさん

通信教育で美容学校卒業後、地元長野の美容室に勤務。当時としては最速の2年でスタイリストに昇格。「どうしても雑誌に名前がのるヘアメイクにないたい」と厳格な父親を説得し上京。有名ヘアメイクのアシスタントを2年間務めた後、フリーランスのヘア&メイクアップアーティストとして独立。現在、「美的」など女性誌のほか有名モデルやタレントを担当しつつ、ハリウッドブロウリフトをメインとしたサロン運営も開始。一男一女の母。

自宅から自転車で移動できる距離にサロンを引っ越しました

写真はすべて眉アイテム。

――ヘアメイクと眉サロンのお仕事の比率はどれくらいですか?

いまは、ヘアメイク8:眉サロン2くらいの比率ですね。ヘアメイクの仕事を優先的に入れていて、子どもの用事のない日にサロンをオープンしているので、サロンの稼働は平均すると週に一回くらいです。ヘアメイクの仕事は平日、サロンは土日にオープンすることが多いですね。とはいっても、小さいお子さんがいる方は平日の昼間のほうが時間をとりやすいので、日数は少なくなってしまいますが、平日も月に何回かはオープンするようにしています。

――子育てしながらのWワークはやっぱり忙しそうですね。

なるべくロスタイムを減らすために、それから自分の健康のためにも、今年1月に六本木から自宅の近所にサロンを引っ越したんです。引っ越し後は、通勤も買い物も、子どもの用事もすべて自転車で移動できるようになりました。

――行動範囲を自転車で移動できるエリアに収めるって、ワーママにとってはとてもいい選択ですね。ところで、サロンの稼働日はどんなスケジュールで動いているんですか?

予約受付開始時間が10:00、最終予約を20:00~にしていて、例えば4名のご予約があったときは上記のような動きになります。コロナ対策のための消毒や換気の時間も必要なので、ゆとりをもって予約を受けるようにしています。

客層は30~50代がメイン。

――予約はインスタで受けるんですか?

インスタで告知して、公式ラインから予約を受けています。公式ラインも、サロンをオープンする際にはじめて知って、いま勉強しつつ利用している最中です。いまのところ、無料で利用しているので、誰が登録しているのかは、こちらでは分からないんですよ。メッセージをいただいてはじめて登録者の方が誰なのかが分かるようです。無料だと1000通まで発信できるので、その範囲で試しているところです。

――けっこう間際の予約告知が多いなという印象ですが?

そうなんです。「急ですが明日の予約承ります」とか(笑)。ヘアメイクの仕事が間際に入ることがあるので、ギリギリまでスケジュールを空けておくことが多いんですよね。事前にサロンのご予約をいただく方には申し訳ないのですが、ヘアメイクのスケジュールが決定次第、改めてご連絡するようにしています。

サロンの最大の魅力はお客様と情報交換できること

ハリウッドブロウリフトは最初のうちは3週間毎、だんだん形ができてきたら1ヶ月半毎のペースでキープできます。

――ヘアメイク&眉サロンの相乗効果は?

ヘアメイクのお仕事関係者からお客様を紹介していただけることはありがたいですね。現役へアメイクということで、いまの流行も分かりますし、眉毛だけでなくトータルでアドバイスできるので、新規の方にも信頼していただけるという点も大きいと思います。

サロンワークは、とにかくいろんな方とお話する中で、情報交換できることがメリットだと思います。好きな韓国ドラマとか、植物の話とか、あそこのお店行った?とか情報量がどんどん増えていきます。

――Wワークのメリットはどんなところですか?

自分の精神面が落ち着くところでしょうか。コロナ禍でヘアメイクの仕事が減ってしまった時期もありましたが、サロンにいらっしゃるお客様の悩みに応えられると、ちゃんと求められているんだなということを再認識できて、自分に自信が持てるようになったと思います。本当にこちらこそありがとうって思えるんですよね。たぶん、人に「ありがとう」って喜んでもらえることが自分にとっていちばん嬉しいことなんだと思います。

――逆に、大変なところはありますか?

お店を構えたからには売り上げなきゃというプレッシャーはあります。毎月サロンの賃貸料が発生していますし。

――現状はいかがですか?

黒字の月もあれば、マイナスの月もありますが、トータル収益は増えています。クーポンサイトにサロンの広告を打てば、新規顧客も見込めると思いますが、そうするには自分の体を空けておかないといけないですよね。でも、ヘアメイクの仕事も受けたいし。そのへんの調整が今後の課題になると思います。

――最後に、今後の目標があれば教えてください。

実は心にあることがあって。Wワークと並行して、ボランティア活動をしていきたいと思っているんです。東日本大震災のときに、所属していた事務所のカメラマンさんやモデルさんなどと一緒に現地へ行き、ヘアメイクをして、それを撮影するというボランティアをしたことがあったんですね。大切にしていたアルバムも、もちろんメイク道具もなにひとつ残っていない状況下で、皆さんすごく喜んで笑顔を見せてくださったことは忘れられません。

その後も、単独で当時のマネージャーさんに声をかけていただき、いくつかの老人福祉施設を訪問させていただきました。入居者の方は、「恥ずかしいわ、メイクなんてしてこなかったから」とおっしゃるんですけど、鏡をのぞきこんですごく喜ばれるんですよね。「家に帰った後、メイクしてもらったことをすごくうれしそうに話してました」とご家族から報告していただいたり、「先生、今日は本当にありがとう」というお手紙をいただくと、わたしのほうがハッピーになれるんです。今後は、Wワークをさらに充実させて、定期的にボランティア活動もできればいいなと思っています。

エミーさん流Wワークを成功させるための3つのポイントは

1.行動範囲を自転車で移動できるエリアにして、時間のロスをなくす。

2.現役ヘアメイクであることを武器に、新規顧客の信頼感を獲得。

3.どちらの仕事でも、人に喜んでもらえることを考える。

取材中にエミーさんが何気なく発した「わたしは仕事を独占しないタイプなので」という言葉が、エミーさんの仕事スタイルを象徴しているような気がします。ヘアメイクも眉サロンも、「人に喜んでもらえる」ことにこだわったエミーさんの仕事スタイルに触れたくて、人が集まってくるのではないかと思いました。

取材・文/永瀬紀子

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Salon Data

emilyssimo
住所:目黒駅近く
公式ライン:emilyssimo
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