店長だって頼っていい。この気づきですべてが好転【アトリエはるか六本木ヒルズ店 星野佳奈さん】＃2

新たな道を切り開くとき、先輩たちはどのように壁を乗り越えたのかを紹介するこの企画。前編に続いてアトリエはるか六本木ヒルズ店の店長、星野佳奈さんにお話を伺います。

前編では美容の道へ進んだ理由、入社から副店長に就任するまでの3年間で6つの店舗を異動したこと、コロナ禍もあって練習がはかどらずストレス過多で倒れてしまったことについてご紹介しました。

後編では、初めて店舗リニューアルを任されキャパオーバーになったこと、さまざまな店舗での経験が六本木店の店づくりに生かせたこと、これから美容の道を進む人たちへのアドバイスを伺います。

お話を伺ったのは…

アトリエはるか 六本木ヒルズ店

店長 星野佳奈さん

理美容専門学校を卒業後、2019年4月にアトリエはるか入社。グランデュオ蒲田店に配属され、大船店、蒲田店、ラゾーナ川崎店、六本木ヒルズ店の異動を経験した後、渋谷ヒカリエ店で副店長に就任。その後は蒲田店店長を経て、2023年9月に六本木ヒルズ店店長となり現在に至る。

六本木店のリニューアルを任されて仕事が山積みに！

――星野さんが初めて店長になったのは、どの店舗ですか？

入社してすぐに配属された蒲田店です。1年後にもまた配属されたこともあるので、私のことを覚えていてくださったお客さまもいらしたんですよ。お声がけいただいたときは、とても嬉しかったですね。

――店長になって、いかがでしたか？

一気に仕事量が増えるので、慣れるまではかなりキツかったですね。営業時間内に仕事が終わらないときは家に持ち帰っていました。

――それはたいへん！ 体調はいかがでしたか？

2020年に倒れてから、かなり体力がついて丈夫になったようで（笑）、体調を崩すことはありませんでした。

――その次が六本木ヒルズ店ですか？

2023年9月に赴任しました。その年の12月に「同じヒルズ内で移転して6月にリニューアルオープンする」という話を聞きました。

――店長としての経験はあっても、リニューアルオープンは大変そう。

どんな商品を入れるか、メニューはどうするか。考えなくてはいけないこと、やっておかなくてはいけないことがたくさんあって、体力的にも精神的にもいっぱいいっぱいになってしまいました。

――どうしたんですか？

ずっと一人で抱え込んでいたんですが、ちょっとしたことを後輩に相談したら、すぐ解決してしまったんです。「何でもっと早く相談しなかったんだろう」って思いました（笑）。

スタッフに仕事をお願いするとき、手順や流れを説明しなければいけません。その時間と手間を考えると自分でやった方が早い。それが積もりに積もって、自分で抱え込む羽目になっていたんですね。

――ジレンマですね。

でもスタッフはみんなしっかりしているし、責任感もある。このリニューアルをきっかけに、スタッフの仕事ぶりがよく見えるようになりました。

――スタッフの方々にとっても良いことですね。

広い視野を持って店のこと、スタッフのことを観察するようになりました。仕事の面だけではなく、メイクや髪型もよく見るようになりました（笑）。ちょっとした変化を褒められるとうれしいじゃないですか？ スタッフの変化は見逃さないですよ（笑）。メイクがちょっと変わったり、前髪を切ったりしていたら、声をかけるようにしています。

異動が多かった分、多彩なメニューに応えられるように！

――リニューアルオープンして大きく変わったことはありますか？

こちらに店舗を異動するならネイルを加えよう、というのは最初から決まっていました。そのほかにフェイシャルのメニューも加わりました。

ヘアメイクはもちろんですが、着付け、ブライダル、眉毛とまつ毛のエクステンションもできます。

――すごいメニューの数ですね！

まつ毛のエクステンションは大船店に異動したときに覚えました。エステのメニューは渋谷店にもあったので少しだけ経験していたんです。リニューアルを機に、本格的に研修しました。

――異動した数だけ、技術が身についていったんですね!?

そうかもしれません（笑）。それぞれの店舗ごとに特徴も雰囲気も違ったので、いろいろと勉強になっています。

――このお仕事に就いて、どんなときにやりがいを感じますか？

お客さまに「星野さんにお願いしてよかった」と、喜んでいただけたときが一番です。店長になってからは、みんなで力を合わせて予算を達成できたときが何よりも嬉しいです。

――ヘアメイクの醍醐味って何ですか？

「キレイになった」と喜んでいただけることでしょうか。私自身、ヘアメイクをしてキラキラしている方をたちを見るのが好きなので、その場に立ち合えることも楽しいですね。

――これからもずっとヘアメイクの仕事を続けたいですか？

結婚したり子どもが産まれたりしても、ずっとサロンに立ち続けてサービスを提供し続けていたいです。キャリアの重ね方によって本社勤務を選択できると思いますが、私は現場でヘアメイクをしていたいですね。

――これから美容の道に進もうと考えている方たちにアドバイスをお願いします。

ヘアメイクは裏方の仕事ですが、自分自身が楽しんでいなくては意味がないと思っています。自分が感じている楽しさや熱量はお客さまに伝わってしまいます。

技術を身につけるのは地道なことですが、できるようになったら必ずその先に楽しさがやってきます。諦めずにコツコツと手を動かし続けてください。

星野さん流！　壁を突き破るための3つのポイント

1．技術に行き詰まっても諦めずに練習を続けること

2．一人で抱え込まず、同僚や後輩に相談してみる

3．広い視野で店の状況やスタッフを観察する

撮影／森 浩司